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2006年12月の記事

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2006年12月31日(日) 07:35

レーザー砲の電源

 バッテリー駆動による携帯用電源は現実には据え置き型家庭用電源としての使用も可能である。熱線銃では実際にそうしている。
 市販のAC−DCスイッチング電源を使って家庭用交流100Vを適当な電圧の直流に変えてしまえば良い。それを携帯用電源に接続すれば据え置き電源になるし、ラジコンバッテリーを携帯用電源に接続すればハンドヘルドで使える。
 熱線銃のために5V30Aと3.3V30AのAC−DCを直列して調節し、8.4V30A直流電源を構成。それをラジコンバッテリー代わりにして熱線銃がちゃんと動作している。

 つまり、携帯用電源さえ自作してしまえば自動的に据え置き型電源としても使える。
 しかし現在は8.4V構成のみなので、高圧電解コンデンサー充電器を動かしたりは出来ない。これは結構不便だ。また、レーザー砲には24Vが欲しい。
 そこで、5V30Aを3個買い増しして、各種電圧で30Aまで供給可能なAC−DC電源を作った方が良さそうだ。
 一般的な12Vは意外に自分では使わないので、例えば電圧を微調整して「3.3V」「5.1V」「5.3V」「5.3V」「5.3V」にする。これで、

・熱線銃用の8.4V(ラジコンバッテリー1本アプリ)
・コンデンサー充電器用の約16V(ラジコンバッテリー2本アプリ)
・レーザー砲用の約24V

 と3つに使い分け可能となる。コンデンサー充電器はバッテリーで快調に動作しているが入力電圧により大幅に性能が変化するため、改良する場合などは入力電圧が一定な方が比較検討し易い。
 レーザー砲電源の製作では、ダミーのLDアレイも製作せねばならない。熱線銃ではFDKの市販DC−DCがキーパーツだったので、信頼性をFDK任せに出来た。扱うワット数は大きいものの、基本は定電圧電源+電流制限抵抗であるからトラブルは非常に起こり難い。だからこそ、貴重な高出力半導体レーザーを接続出来た。
 コンデンサー充電器はLDとは比較にならないほど壊れ難いコンデンサーが相手なので、あやふやな自作電源でも気軽に開発出来た。

 これらに対し、レーザー砲の電源は完全自作である。コンデンサー充電器で実績を得た上だから最終的には開発に成功出来るだろうが、それまでの試験中にドジ踏んだらLDアレイが即死である。だから、本物と似た特性を持ったダミー品を製作するしかない。

共振しない

 レーザー砲春の陣は幾ら頑張っても共振が起きずに撤退を余儀なくされた。だが、最初から共振不可能だった可能性が高いと後に判明した。
 流用したレーザーヘッドのオリジナルと思われるメーカー品の特性図では、共振挑戦時の条件では利得が1.1程度しか無いと思われる。加えて自分が使用しているのは事故品であり、リフレクター等の重要パーツを自作したため利得は更に低いはず。そこに、反射率90%しかないOCを使用して共振させようとしたのだ。
 利得はほぼ確実に1を下回っている。絶対に共振しません・・・

 共振を達成するには、利得を上げねばならない。全反射ミラーをOCに採用しても1割程度の上昇に過ぎない上に、共振光を外部からモニター出来なくなる。
 となれば、励起LDアレイに流す電流を大きくするしかない。25Aの定格に近い電流を供給し続けられる、出力400ワット以上の定電流電源が必要だ。

written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2006年12月30日(土) 17:21

ミニ充電器

 昇圧チョッパーを開発していて痛切に感じたが、性能を向上させるにはバッテリー電圧を上げるのが早道である。一次電圧を上げると、それ以上にワット数を上げ易い。
 スイッチング素子で損失する電圧は、バッテリー電圧に比べればそれほど大きく変化しない。そのため、電圧が上がるほど効率がアップする。また、一次電圧と二次電圧の差が縮まれば効率を上げやすいのも道理。

 逆に言えば、バッテリー電圧が低くなるとインバーターのパワーを上げるのが急激に難くなる。ニッケル水素4本は公称4.8Vだが、消耗して来た時に大電流が流れると電圧が下がる。最悪でも4.4V程度で正常に動作可能な設計にせねばならない。可能なら4V動作だ。そこから330Vに昇圧する小型である程度のワット数を持つインバーター。
 これは案外大変である。

 MC34063は一応3Vから動作する。だが、内蔵トランジスターによる電圧降下を最悪1.3Vほど見込まねばならない。
 使い捨てカメラ内蔵トランスで330Vを発生させるために1.65Vを用意すると、2個直列で3.3V。よって供給電圧4.6V以上が欲しい。これに更に電流検出抵抗による0.3Vの損失が加わるため、4.9V以上が必要だ。

 4N標準4.8Vなんだから、1.5Vで動作する使い捨てカメラのトランスを3個直列で動かせるだろう。そう考えてしまいがちだが現実には2個直列もキツいのである。
 ただ、使い捨てカメラのオリジナル基板ではトランスのスイッチングにトランジスターを使っている。そのトランジスターによる電圧降下があるため、実際には1.5Vよりかなり低い電圧から300V以上を生成している。だから、ギリギリで2個直列が使えそうだ。

 写真の回路はトランスの一次側を2個直列にしてMC34063の直接ドライブ。二次側出力を並列接続している。1つだけ誤りがあり、一次と二次のGNDを共通化しなくては出力電圧検出が出来ない。これで確かに330Vを作れるのだが、オリジナルの100μFをチャージするのにも何分もかかる。発振周波数が低過ぎると思われる。冷静に計算すると10KHz程度では出力が出ない。
 一次側を2個直列してインダクタンスを実測すると、約75μHである。ここに3Vが加わるとコイル電流が1Aに達するまで25μ秒を要する。電流が抜けるまで同じ時間を要すると仮定すれば、50μ秒すなわち20KHz以上で駆動せねばならない。

 MC34063はタイミングコンデンサー1000pFで33KHzが標準。1000〜1500pFを用意したい。3300pFで10KHz発振だと平均消費電流が160ミリアンペア程度しにしかならず話にならない。
 何とか平均1A流さないと使えない。コイルに3V加わり平均1Aだと3ワット。コンデンサー充電効率を50%とすると1.5ワット。ようやく何とか実用になる。
 平均1A流すには、恐らくピーク電流3A程度が必要。MC34063の直接ドライブは1.5Aまでだ。

 果たしてタイミングコンデンサーの最適化でどこまで平均電流を上げられるだろう?
 680pF、810pF、1000pF、そして1500pFと調達して試したが、200ミリアンペアを超えるものの充電速度は上がらない。実用になる遙か手前の性能である。
 トランスの極性を逆にしても事態は改善しない。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(3)] [TB(0)]

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2006年12月29日(金) 18:18

25ミリコイル

 弾速測定器が発する大量の赤外線も、今回は全く影響を与えることなくコイルガンは快調に動作。
 だが、ほんの10センチ先にある数センチの的にマトモに入らない。

 パチンコ玉をくっつけたOリング磁石を側面の軟鉄シールドに吸着させているが、吸着位置が一定になるよう周囲にガムテープで枠を作った。ところが、これでは平気で1ミリくらいはズレてしまう。
 すると、軟鉄シールドが帯びた磁気で弾道が不安定化され、どこに飛んで行くか分からない。

 ソレノイドではコイルを軟鉄シールドで覆うのは当たり前だが、コイルガンでは必ずしも適しない。この新しい25ミリコイルを側面シールド一体で製作したのは失敗だったようだ。
 性能自体もかなり低い。25ミリは長過ぎってことか。予想以上に。

 何とかマトモに通過したと目視出来た時の弾速を集めてみる。大前提として、堅牢なパチンコ玉の保持機構を作らねばどうにもならない。

IGBT・ON 弾速m/s
160μ秒 7.38
7.52
320μ秒 7.39
7.15
480μ秒 7.70
7.86
640μ秒 7.43
7.68
800μ秒 7.97
7.53
960μ秒 7.77
7.66
2.44m秒 7.37
7.31

 結果を見ると、全般的に異様に遅い。これは25ミリのコイルを製作した時点から違和感があった。壊れる前に300μ秒通電で秒速7.31メートルと表示されたことも既に書いた。
 それを脇に置いても、結果がおかしい。通電時間と弾速に相関が小さい。無いとは言わないが予想外に弾速が変わらない。
 通電時間が長過ぎると引き戻し力が生じるはずだ。つまり、非常に早期に通電が終了している可能性がある。ちなみにON時間を80μ秒にすると弾道が極端に不安定になって事実上測定不能になった。また、いずれもIGBTがONになっている時間であり、コイル電流自体はそれよりも長く流れ続けているはずだ。

 回生型にしてからサージが完璧に押さえ込まれている。だが、設計で想定していない何らかの現象が起きている。何かが隠れている雰囲気しまくりだ。

 コイルの直流抵抗が0.1〜0.2Ωあるはずなので、コイル両端の電位差をオシロで計測すればコイル電流の変化パターンを確認出来そうである。だが、二号充電器があるとオシロも使えない。発射時に充電器を停止させることは出来るが、その手前の充電時わずか1秒未満の段階でオシロがストライキ状態になる。
 射撃間隔が10〜15秒開いても実験には殆ど支障を感じないと分かったので、どうせ製作せねばならない本番用小型充電器を開発するか・・・

 初代の12ミリコイルに取り替え、側面シールドを付けず適当な位置にパチンコ玉を置いて射撃。余りにいい加減な再現性の無い測定だが、IGBTへの通電時間320μ秒で秒速8.71メートル、480μ秒で8.82メートルが出た。これも回生型にする前より明らかに勢いが無いのだが、それでも簡単に25ミリコイルを上回ってしまった。

 パチンコ玉を磁石で保持したら性能落ちるの当たり前だろ!という声が聞こえて来そうだ。
 しかし、ある程度性能を落としても、実用上は確実でコンパクトな給弾装置の方が重要である。自動装填自動連射機能は必須だが、そんなコイルガンは殆ど公開されていない。手動でプロジェクタイルを差し込んで射撃するものは、ラジコンには積めない。

 磁石を使わずエアガンのようにチャンバーパッキンで保持する方法も試すつもりではある。だが、その場合もパチンコ玉を押し込む装置は作らねばならない。また、コイルの途中にパッキンを用意するのは構造的に難しい。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2006年12月28日(木) 17:24

再構成

 IGBTの組み立てで最後に残った問題が、ドレイン端子の配線。
 1本の銅線(エナメル線ではない)を4往復に折り曲げて製作。これなら作業中にバラけないので楽になる。しかし、ハンダブリッジを防ぐのはほぼ不可能。
 多分大丈夫だ!駄目ならその時考えよう!大丈夫ならこのまま行けば良い!と割り切って4つのドレイン端子を一体化させてしまう。

 大丈夫かどうかは、やってみなければ分からない。そして現在は「やってみる」開発段階にある。

 二号充電器用のスイッチを製作。アッという間に330V充電が完了する快適な電源だが、ショートサーキットには無防備。それでも不死鳥のごとく蘇るのだが、簡単に回路が炎上するのは余り気持ちの良いものではない。
 ヒューズホルダーや電源スイッチは秋月のDC−AC100Vインバーターからパーツ取りしたものである。黄色いヒューズ本体は別売パーツとして秋月で調達した。

 これをバッテリーと二号充電器の間に挟めば、ヒューズ装備電源スイッチとなる。使用に際しては各端子をビニールテープで絶縁するのは言うまでもない。

 新しく組んだIGBTユニットを破壊されたユニットと交換し、周辺の配線を行う。

 IGBTスイッチング信号は、黒ビニールテープで完全遮光した光ファイバーと、アルミテープで電場シールドした導線の2本で送り込む。

 組み上がった新しい回生回路を射撃すると、やたらに不発が多い。
 ゲートドライバー電源がサージで破壊されたか?と危惧したが無事である。回生型にして以来、散々撃っているが電磁的サージで何かが破壊されたことはない。
 本当にサージの問題は無いのか実績を積みたいこともあり、ツェナダイオードと逆電圧バイパス以外の保護素子は全部除去してしまった。この手の回路では誰でも付けているスナバー回路も付けていない。

 それでも大丈夫だという実績を積んだ上で、本番の組み込みでは保護素子を追加する。すると、保護素子は通常は働かないあくまで緊急時の保険という意味になる。信頼性が確保される。
 ゴテゴテ保護素子を付けまくってようやくサージを抑えられました、という場合は恒常的に保護素子に負担が掛かっていることになる。保護素子の寿命が不安であり信頼性も大いに不安となる。

 不発の原因は、PICブレッドボードで隣接パーツの足が接触していた部分があったせいだった。ブレッドボードは便利だがこの問題はつきまとう。

written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2006年12月27日(水) 17:33

小型充電器

 残る問題はメインコンデンサー充電器である。
 4.8V前後の低い電圧から330Vを作らねばならず、性能は1〜2ワットで良いが小さくなければならない。

 鈴商に売っていた冷陰極管用インバーター基板。5V入力0.4Aというスペックなので、流用出来ないか?と買ってみた。
 いかにも高電圧を作り易そうな雰囲気を漂わせるトランスを取り外して調べる。目視で配線を追い、テスターで導通を調べ、LCRメーターでインダクタンスを測定すれば構造は推測可能だ。

 ただ、このサイズだとインバーター周波数はかなり高そうに思える。

 MC34063の内蔵トランジスターだけでドライブしてみる。電圧検出端子をGNDに落として、最高電圧が出るように設定。
 入力電流制限に0.1Ω×3を使用し、1A制限とした。単三エネループ4本を接続する。

 スイッチを入れると、430Vが発生した!

 ここで余りに高電圧が発生してしまうと、330Vに調整した時にワット数が落ち込んでしまう。逆に330Vギリギリしか出ないのではバッテリー電圧が下がった時に330Vをキープ出来なくなる。
 430Vとは最適なMAX電圧である。

 555ではなくわざわざMC34063を使う価値は2つある。
 1つは入力電流制限機能が使えること。もう1つは出力電圧を自動的に安定させられること。いずれも、コンデンサーの充電に有用だ。

 これで電源問題オールクリア!と喜んだのだが本番用の200μFを接続すると遅々として充電が進まない。1分経過しても200Vに達しない。これでは使い捨てカメラのストロボ基板以下だ
(;_;)
 恐らくインバーター周波数が低過ぎるのだろう。そればかりでなく、周波数が非常にシビアだと思われる。このトランスは一次と二次が重なっている良くあるタイプではなく、テスラコイルのごとく並んでいるタイプである。調相結合って奴で、ワット数を出すには共振させねばならず周波数を厳密に合わせねばならない。
 MC34063はかなり発熱するので、電流はたっぷり流れている。異様なまでに効率が悪くなっているのだ。

 まてよ・・・だとすれば使い捨てカメラ基板からトランスだけ流用すれば?
 使い捨てカメラのトランスは通常のタイプだし、周波数もインバーターのうなりがギリギリ聞こえるので10KHz前後だろう。かなり扱い易い。トランス2つの一次巻き線を直列にしてMC34063でドライブし、出力は並列にすれば行けるかもしれない。
 トランスを使用する場合、コイルに比べて最適なものを調達するのに苦労する。しかし、昇圧チョッパー最悪の欠点である一次電源素通し問題が無い。

 ただ、その目論見が成功しても充電には10秒以上を要する可能性が高い。
 本番用には構わないが、実験時はもっと高速に充電出来た方が便利である。

 だから、二号充電器を復活させた。
 いつも派手に燃えるが、死ぬのは出口の1N4007と配線だけである。それらを交換すれば何事も無かったかのように動き出す。
 本体の配線は大電流に耐えられるよう慎重に組まれているし、スイッチング素子は東芝ラインナップ中最強の2SK3132である。直流耐電流50A、許容損失250ワットのバケモノは、ラジコンバッテリー直結でショートした程度では壊れない。

 だから、いつも犠牲になるのは出力以降であり、炎上しまくっても本体は平然としている
(^_^;)

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