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2013年03月の記事

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2013年3月31日(日) 17:50

命中精度改善案

 エアガンの場合、BB弾にバックスピンを掛けて浮力を得るのが普通になっている。ホップアップと称し、弾道をフラットにし飛距離を伸ばす役に立っている。
 しかし、バックスピンを強く掛ければ命中精度に悪影響が出る。また、銃を傾けると横に曲がってしまう。

 命中精度のためにはホップアップは弱い方がいいが、完全にスピンを無くすのもマズい。
 野球のナックルボールやサッカーの無回転で良く知られるように、スピンが無いと空気抵抗で不規則な動きをする。コイルガンの弾丸として使うパチンコ玉には刻印もあるので、無回転では確実に弾道が乱れるだろう。
 つまり、弱いホップアップを掛けるのが最も有利と考えられる。これはエアガンを趣味にしていた時代に実験し、アテに出来ると判明している。しかしそれほど決定的ではない。ホップアップに関しては、極端に強く掛からない限りはそう気にしなくていい。

 さて、これもエアガンの場合だが、実銃と異なりバレルの長さと命中精度は関係無いとされている。実銃は弾丸がバレルに完全接触しているため、銃身が長いほど発射方向を安定させられる。しかしエアガンのBB弾はバレルより小さく、一部しか接触していない。

 バレルが長いほど発射方向の自由度を制約できて、発射方向が一定になりそうなものだ。ところが、バレルが長いとBB弾が内壁に接触する確率が高くなる。接触すれば余計な回転が与えられてしまい、弾道が乱れる。
 エアガンにおいて、BB弾とバレルを全く接触させずに発射するのは事実上無理である。そうなると、ベストなのは接触具合を毎回一定にすることである。そんなことが可能なのか?

 エアガンはサバイバルゲームの流行により、昔から命中精度を上げるための膨大な試行錯誤が行われて来ている。その中で有力説の1つに、BB弾をバレルの天井に接触させたまま発射させるというものがある。
 バックスピンを掛けるため、エアガンのチャンバーは天井にゴム等が突き出している。そのままBB弾が天井に張り付いたまま飛び出せば、バレルがBB弾の向きをガイドしてくれる。天井というのが重要で、床に接触するとバックスピンにブレーキが掛かってしまう。問題は、BB弾は重力に引かれて天井から剥がれてしまうことで、バレル天井がガイドとして働くにはバレルが短くなくてはならない。

 5〜10センチの短いバレルで充分な初速を得られる「ガスハンドガン」に、異様に命中精度の良い製品が存在する。

 天井ガイドがアテに出来なくなると、銃身が長いメリット(BB弾の向きを制約)とデメリット(内壁と不規則な接触で不規則スピンが混じる確率が高くなる)がせめぎ合って、製品によりさまざまな命中精度となる。しかも距離によってメリットとデメリットの強さが変わる。
 以上のような複雑な要素が絡み合い、エアガンの命中精度は「良く分からない状態」になっていると思われる。

 さて、本題のコイルガンに話を進める。
 球形のパチンコ玉を使用したコイルガンの場合、エアガンと似た状態にある。だが、決定的な違いが1つある。それは、コイルガンではコイルすなわちバレルの中央に弾丸を吸い寄せる力が加わる点である。そのため、バレルと弾丸を非接触のまま発射させることが可能となる。しかし、磁力によるガイドだけで非接触となると、初期位置の影響を直接に受けてしまう。コイルガンにおいては初期位置を一定にするのが猛烈に重要なのだが、これが案外難しい。チャンバー周りに複雑な機構を組み込むのが構造上困難だし、金属パーツを使い難いのも辛い。磁石が使えれば便利だが、永久磁石はコイルガンの強烈なパルス磁場でアッという間に脱磁されてしまう。

 ここでエアガンの例を考えると、コイルガンでは長いバレルでも弾丸をずっと天井に張り付かせておくことが出来るのに気付く。
 多くのコイルガンでは、アクリルパイプなどのインナーバレルにコイルが巻き付けられている。磁力は、弾丸をコイルの中心に吸い寄せる。だったら、インナーバレルを偏心させればどうなる?
 弾丸は、インナーバレルに接触し続けるのではないか?

 この仮説を確認するため、偏心したインナーバレルを用意したい。

 パチンコ玉は直径11ミリ。
 内径12ミリ外径16ミリの良くあるアクリルパイプを使い、端を削り取った。こういう工作は高精度に行うのが困難であり、仮説が正しかったとしても命中精度は期待できない。これはあくまで、弾丸を天井に張り付かせることが可能かどうかを確認するのが主目的である。

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2013年3月30日(土) 17:17

充電器の仕上げ

 ハードに問題は無さそうなので、大量のジャンパーが入り乱れて不安の大きな基板裏側を、アラルダイトで固める。
 固めた後も、動作は正常。

 MAX186はピッチ0.65ミリという表面実装チップなので、導電性の埃が付着しただけでアウト。
 こっちもアラルダイトに埋めて、一安心。

 埋めた後も正常動作することを確認しつつ、PICプログラムの完成度を上げる。

 ラジコンバッテリーの電圧は少しずつ低下して来るが、それに応じてON期間を増大させると想定以上にピーク電流が大きくなる。22〜24A流れるようになり、充電ワット数も増大。波形から分かる通り、電流の増大がリニアではない。増大が加速していて、ON期間を長くすると計算より電流が増える。ON期間はPIC内にテーブルを持っているので、適宜調整が必要なようだ。ピーク20Aに押さえるのが無難だろう。

 最終到達電圧は、330V充電としてプラスマイナス0.2V以内に充分収まりそうである。問題は気温等の条件が変化した場合にどうなるか。実験中は毎回停止電圧を監視し、長期安定性を確認せねばならない。短期安定性は、申し分ない。

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2013年3月29日(金) 21:34

充電器ほぼ完成

 秋月PIC環境時代に活躍したエミュレーターだが、ソフトウェアベースのお手軽品に代替が無くて困っている。ちょっとした複雑部分の動作を検証するのに便利だが、PIC16F84専用。16F88のHEXを食わせることはできないので、検証部分だけを切り出して16F84としてアセンブルしないと使えない。
 更に、16ビットアプリなので64ビット環境では使えない。
 マクロアセンブラなどもそうだが、有用なソフトや環境が新時代に引き継がれると限らないのが厄介だ。

 このエミュレーターは対応する位置のソースコードを表示してくれず、HEXを逆アセンブルしたものを表示するだけ。その点では不便であって大規模な検証には向かない。そろそろハード的なエミュレーターに移行すべきかもしれない。

 制御系コードに関してはレーザー電源がかなり流用できるものの、いざ手持ちのソースコードを見て悩んだ。というのも、シンプルな1系統収束制御が無いのだ。16F88になってからは2系統電源を並列収束させるゴキブリレーザーとか、電流と光出力の2制約下で制御するレーザー銃とか、流用に不便なものばかり。そして16F84時代のコードは秋月仕様で、すぐには流用できない。
 半端に切り貼りしていたら、大トラップにハマって何時間も無駄にしてしまった。

 収束が近付くと、フィードバックの変化量を減少させるようにしている。
 最小値は1だが、計算上0になる場合がありその際は1に設定してる。ところが流用した古いコードではその処理が抜けていて、フィードバックの変化量が0になってしまうのだ。そうなるとフィードバックが無くなってしまう。
 同類処理の新しいPICプログラムでは、ちゃっかり2行追加されていて対策済み。

 こういう些細なミスを容易に発見できず、些細なミスも致命傷、というのがソフト方式の欠点である。
 苦労を乗り越えて信頼性をある程度確信できるようになると、一気に天国が広がる。制御方式をカスタマイズするのが容易で、状況に応じたベストを追求できる。毎回同一の結果が得られる。 

 MAX186周りは幸いにして最初から正常に動作しているようだ。ADコンバーターも過去に幾つか試して、これが扱い易かった。スペックは高くてもなぜかエラー多発するとか、ノイズの影響を受け易いとか、取得値がおかしいとか・・・いろいろ面倒が起きる機種が多い。
 制御の細部を煮詰めるのは、本番用のコンデンサーバンクが確定してからでも遅くない。実験中は現状に少し調整を施せば充分だろう。

 という訳で、安心して主砲開発に移れる。

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2013年3月28日(木) 21:17

主砲の開発

 PICのプログラムを煮詰めるのは長時間を要するが、昇圧チョッパーに関してはここまで来て製作失敗はないと思われる。
 となると、次の段階が問題となる。いよいよ主砲の開発だ。確定情報に基づいて製作すれば良いのではなく、問題点を解決したうえでの製作だから大変。具体的な課題は数多い。

1)命中精度
 スナイパーコイルガンとして、充分なものが欲しい。目標としては、最低でも50メートル離れた空き缶を狙い撃ちできること。
 コイルガンの命中精度に関しては研究前例がほぼゼロ。自前の理屈とそれに基づいた腹案はあるが、本当にうまく行くのか実験を要する。うまく行かなかった場合は、かなり厄介だ。コイルガン戦車の製作中止となるかもしれない。
 しばしば触れているが、当たらない銃ほどつまらないものはない。威力があっても当たらない主砲を積んだコイルガン戦車は、完成させても遊ぶ気にならず置物で終わるだろう。

2)電流二乗時間積
 回生型コイルガンでは、大インダクタンス大電流の直流回路をターンオフするという、凄まじい技術的挑戦を行なわねばならない。極めて短時間とはいえ、扱うワット数は電気自動車に匹敵する。電流垂れ流し型に比べると、製作の難易度は次元が5つぐらい違う。そのため、未だに回生型コイルガンの製作例は極めて少ない。
 これまでの研究で、ボトルネックが I2t だと判明している。
・繰り返しパルス大電流に耐えるスイッチング素子は、大型になり過ぎる。
・ストロボ用のIGBTが現状では最適だが、インダクタンスの大きな回路は想定されていない。
・そのため、コイルガンでは I2t が想定外に大きくなってしまい、ストロボ用は破損する。
・I2t を減らすためにターンオフを高速に行なうと、今度は dV/dt に引っ掛かって破損する。
 この問題を解決しないと、故障しまくる。

3)メンテナンス性
 多段式はパーツ点数が増えるため、故障時に故障箇所の特定に手間取る。更に、パーツ交換も面倒。
 パーツをうまくユニット化したうえで容易に交換可能にしておかないと、やってられない。
 2)に対策を行なって故障頻度を減らしたうえでメンテナンス自体も楽に行なえるようにする。さもないと多段式回生型コイルガンは運用できない。
 回生型はスイッチングのタイミングが変化すると素子への負担も変化する。初期の2段式コイルガンなど1000発以上も射撃実績あったのに、パラメーターを変えたとたん壊れた。

 これらを解決するには、いきなり本番用コイルガンを建造するのではなく試験用コイルガンを試作する必要があるのは明白だ。
 更に、パワーソースとなるコンデンサーも頭痛の種。というのも、ストロボ用コンデンサーが入手難。以前は鈴商で安価に買えたのだが、そのうち値上げし現在では販売自体が中止されている。他に小売している手頃なショップもない。手に入れようとすれば手に入るし、レーザー銃のパーツに比べれば簡単。しかし完全に同一のスペックとなると難しい。
 散々実験したものと仕様の異なるコンデンサーを使わねばならなくなる可能性が高く、最適パラメーターの決定もやり直しだ。

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2013年3月27日(水) 21:35

PWM周期

 計算上ピーク電流が18Aになるように、バッテリー電圧計測値を元に通電時間を調整するようにPICプログラムを作る。
 PWM周期が200μ秒では、電流が増大し切っていない。縦軸は1目盛りが4Aに相当する。ピーク10Aぐらいで、計算値の半分ちょっとに過ぎない。
 ターンオフの瞬間にサージが発生しているのが良く分かる。

 PWMの周期を2倍にすると、ピーク20Aとなり平均電流も7Aになった。実測60μHのメインコイルだが、電流増大具合は100μH近くあるような挙動である。
 メインコイルの定格は15Aだし、FETのON抵抗値からしても20Aではロスが少し気になる。要するに、少しだが無理してるという状態。しかし定格オーバーの時間は短いし、ON時間を短くする制御は簡単。最大出力は「ちょっとだけ無理してます」ところまで可能にしておき、状況に応じて出力を落として運用するということでいいだろう。
 バッテリー電圧に余裕があるためON時間が短くなっており、PWM周期も短縮すれば更に出力を上げられる。しかしバッテリー電圧低下時にON時間を増やしても出力が変わらないという仕様で、PWM周期は一定だ。

 バッテリー消費電力は50ワットを少し上回り、充電能力は25ワットを少し上回っている。ピーク20A近辺ではロスが増えるため効率は50%しかないが、実用可能範囲内。FETも放熱板無しで危険を感じない程度にしか温まっていない。
 DC-DC コンバーターも暖かいが、こっちも危険は感じない。メインコイルその他は特に温度上昇していない。
 最大出力の設定として、このあたりが妥当と思われる。

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