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2019年1月29日(火) 21:59

ゲートドライブ

 コイルガン戦車のレストアが成功するかどうかは、放電回路次第である。すなわち、RJP5001APP が使い物になるかどうか。
 仮に駄目でも、ストロボ用じゃないIGBTという手段もある。自分の設計するコイルガンでは最終段以外のパスル最大電流600A、最終段は1200Aを想定している。そうなると、ストロボ用でなければ非現実的に思える。しかし半導体はいちおう進歩していて、調べるとストロボ用ではない一般用途のIGBTも採用可能なのだ。

 ポイントは、ストロボ用IGBTは極端に入手困難なのに対し、一般のIGBTは簡単に買えること。だから、最新技術のものが手に入る。
 2SK3132と同サイズのパッケージで、パルス600A流せる一般用IGBTというのは存在するのだ。
 ただし高価だし、ゲート入力容量もでかくなる。回生型コイルガンにおいてはターンオフをギリギリの最高速で行うことが重要であり、ゲート入力容量がでかいと駆動回路が大変になる。RJP5001APP までなら、TLP250が使用可能だ。

 RJP5001APP を試して見て、それが駄目だったら一般用途IGBTを試すということで良いだろう。
 しかしまあいつの間にか、化け物みたいなスペックのIGBTが買えるようになっているものだ。

 IGBTの厄介な特性として、最大電流を流せるゲート電位が限定されているというものがある。ゲート電位を特定の狭い範囲内にキッチリとキープしないと、性能を引き出せない。RJP5001APP の場合、12〜17Vである。
 電源として用意し易いのは12Vと15Vだが、12Vだと下限ギリギリ。リップル次第で容易に下限を割ってしまう。よって、データーシートでも14V以上推奨となっている。ここは普通に考えると、15V駆動すべきである。
 ところが一方で、この手のゲートドライブで圧倒的に便利なTLP250Hのスペックに問題がある。

 動作電圧範囲が、10〜30Vなのだ。
 ターンオフを高速に行いたい場合、必然的に負電源を用意する。つまり、ゲートを15Vでドライブする場合、用意する電源は±15Vとなる。これは、電源電圧としては30V扱いであり、スペックのギリギリになってしまう。
 ±14Vという電源があればベストだが、無い。可変電源を組み合わせて作るのでは、サイズもコストも増大してしまう。

 状況の過酷さはIGBTが断然上なので、まだ±15Vで動かす方がマシなんだろうな。

 さて、この手の回路では常に、ハイサイドのゲートドライブが課題となる。ニーズありまくりなのだから、当然のようにドライバーICが存在する。だが、ちょっと調べても全てチャージポンプ型なのだ。すなわち、旧放電回路で自分がディスクリートで組んだ回路と同じ。ハイサイドがプルダウンされている(ローサイドがONになっている)期間にコンデンサーにチャージし、ハイサイドのゲートドライブ電源にそのコンデンサーを使用する。
 よってチャージポンプ型は、

・ハイサイドを長時間ONにできない。
・ローサイドをONにする時間を確保せねばならない。

という制約が発生し、それを考慮したハードおよびソフトの設計を要求される。不適切な設計を行うと、ハイサイドのゲートドライブに失敗する。
 はっきり言って、超ウザい。

 自分が組んだ回路がそうだっただけに、チャージポンプ方式の使い勝手の悪さは身に染みている。面倒なことは、良きに計らえよ!
 専用ICの価値って、良きに計らってくれる所にあるんじゃねぇか!
 良きに計らってくれない専用ICなんて、使ってられねぇ!

 順送り回生型だと、ハイサイドは常に2箇所しかない。だったらこの際、ゲートドライブ電源をコンデンサーではなく、絶縁型DC-DCコンバーターにすれば良いんじゃね?
 確かに高コストだが、2箇所だけだ。それぐらいなら、圧倒的な使い勝手の良さで許容できる。TLP250H自体が絶縁型ゲートドライバーなので、その電源を絶縁型DC-DCコンバーターで供給すれば、ローサイドと全く同じ扱いになる。

 複数の電源を組み合わせて±14Vを作るとか、+15Vだがマイナス側は12Vだとか、そういう電源を用意したくない最大の理由である。
 ハイサイドにも2箇所設置しなきゃいけないのに、やってられない。

 コイルガン戦車の電源を6Nから8Nに変える数少ないデメリットが、ここにある。
 6Nならば入力4.5〜9Vの DC-DCコンバーターが使えるが、8Nだと使えない。それで、少しコストアップする。とは言え、全体的なメリットを考えれば小さな問題だ。

written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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