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2007年9月29日(土) 16:57

これからどうするか

 オレンジ色の閃光は主砲チャンバー内に輝いた。また、破裂音は至近で落雷したようなもので、先日の絶縁不良時のような小さなものではなかった。つまり考えるまでもなく、すべてを終わらせてくれたのはメインコイルの絶縁破れだろう。
 メインコイルが短絡すれば、おしまいだ。インダクタンスが減少し設計を遙かに上回る電流が流れる。現実的なサイズの回路で、それを保護する手段は無い。ヒューズなど反応速度が遅くて論外だ。しかし、この主砲コイルは1000発以上も正常に発射出来た実績があり絶縁は大丈夫なはずだ。それがなぜ突然壊れたのか?

 放電回路も確認すると、2段目のハイサイドと1段目のローサイドでIGBTが破壊されていた。特に2段目は完全動作を確認したばかりであり、5.8V電源分離作業したとは言えあそこまで慎重に慎重を重ねたものがそうそうトラブル起こさないだろう。これもまたメインコイル原因説を補強する。
 メインコイルは正常だったが、今回破壊されるまでの間にかなりいじくり回した。砲耳リングを強引に外してまた取り付けた。その作業でエナメル線の一部に無理な力が加わり、どこかの絶縁性が低下した可能性は十分に考えられる。しかし、LCメーターでインダクタンスを測定すると、特に低下していない。つまり、あからさまに最初からショートしているのではなく、330Vには耐えられない程度に絶縁が弱っているということだ。厄介!

 そもそも、エナメル線の被服は薄く絶縁性能は低い。330Vはハナっから厳しいのだ。しかし、コイルの隣接エナメル線の間の電位差は330Vにもならない。実際には遙かに小さい。しかし、巻き方次第では電位差の大きな部分が出来る可能性もある。
 被服の厚い導線を使えばコイルの信頼性はアップするが、巻き線密度が低下してコイルの性能は落ちる。限定された空間に収まるコイルという条件で、いかに高性能なコイルを巻くか?それを追求すれば絶縁マージンは低くなる。

 なんだか、純国産ロケットH2のメインエンジン開発でもやってる気分である。
 H2のメインエンジンは小型高性能を欲張ったために大変な技術的挑戦となり、信頼性を確保しコストダウンし具体的な製造を行うのがすべてシビアになりまくりという話である。そして打ち上げ失敗が相次いだ。このストームタイガーの主砲も同じだ。35分の1のラジコン戦車に、24分の1なマルイのバトルタンク搭載エアガンの10倍のパワーを持つ主砲を搭載しようってんだから。
 放電回路を車体に搭載せずに発射していた時は、ここまでトラブルが長引かなかった。狭い空間に押し込めようと無理しなければ、製造はずっと容易になる。

 今回メインコイルまで破壊されたことで、主砲までも作り直さねばならなくなった。
 主砲は試作を重ねて最高威力のものを選定したのであり、製作に費やした手間は途轍もないものだ。作り直すとなればまた途轍もない手間が掛かる。とても1ヶ月では現状復活出来ないだろう。
 しかし、このストームタイガーは、仕事ではない。失敗しても誰にも迷惑は掛からない。ブログの読者が失望するかもしれないがそれは知ったことではない。H2とは違い、遅れようが失敗しようが誰にも非難される筋合いのものではない。

 あくまで、趣味だ。

 その上で、善後策を考えてみよう。
 まず問題なのは、主砲メインコイルの試験を行わず本番回路を接続し発射したことである。試験していれば絶縁不良が発見出来ただろう。その場合でも主砲の作り直しという途轍もない手間は必要だが、同じく途轍もない手間が掛かった放電回路は壊れずに済んだ。試験しなかったのは、試験装置が無かったから。確かにコイルピストルは試験装置に使えるが手軽ではない。また、試験対象が不良だとサイリスターが壊れてしまう。定格以上の負荷も加えられない。
 実際の1.5〜2倍の負荷を加えられるような手軽な装置であって対象コイルが短絡しても壊れないようなものを作るべきだ。
 かくして、コイルガンの今後は以下のように考えている。

1)コイル絶縁試験装置を製作する。

2)その装置で今回壊れた主砲コイルを試験し、本当に壊れているのを確認。同時に試験装置の動作も確認。

3)コイルガン10を再開し、第一段階のコイルガン3製造に注力する。

4)コイルガン3および10のために巻いたコイルを、1)で試験する。

5)気力が回復したら、ストームタイガーの修復に取り掛かる。

 ストームタイガーは壊れまくったが、代償としてノウハウも溜まりまくった。コイルガン10プロジェクトでそれを活かすつもりだ。

written by higashino [コイルガン戦車1/35] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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