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2006年8月30日(水) 17:10

コッククロフト・ウォルトン回路

 高電圧を発生される上で非常に役立つコッククロフトだが、素朴な疑問を抱いた。どうしてちゃんと動くんだ?
 実際、ちゃんと動かないことがあった。秋月インバーターで0.1μFのコンデンサーを使ったコッククロフトで544ジュール電解を充電した時は超絶異様に時間が掛かった。
 逆に、秋葉王インバーターでは出力電力レギュレーターとして使ったら計算外の大電力が出て行ってインバーターが壊れた。
 何か見落としがあるようだ。コッククロフトはほぼ必須なので、理解出来ない動作をされては困る。実害がでかいのだ。

 これは試験用の4段コッククロフト。
 耐電圧が結構高くコンデンサーの極性も無いため、想定外の事態でも壊れる可能性が低い。

 コッククロフトだけはな・・・これに接続した機器は壊れる (;_;)

 左側の赤い2本の配線に交流が入力される。4倍昇圧された出力は写真下側から取り出される。
 これを眺めると、ある疑問を抱く。

 コッククロフトでは、すべてのコンデンサーは写真右側が+で写真左側が−となるように充電される。実際の回路にテスターを当てても、確かにそうなっている。
 C1だけが出力電圧の最大振幅で充電され、それ以外はその2倍の電圧で充電される。

 ここでコンデンサーに全く電荷が蓄積されていない初期状態において、交流で上側が+、下側が−になった時を考えてみる。
 コンデンサーC1とC2に注目して欲しい。
 お・か・し・く・ないか?

 2つのコンデンサーと電源の関係が、左の回路図のようになっているとしか自分には思えないのだが?

 これだとC2は良いとして、C1は想定と逆の極性で充電されないか?
 それとも、自分の理解が間違っているのか?

 さっそく実験してみる。交流ではなくラジコンバッテリーを接続してコッククロフトに直流を与えてみた。もちろん上の写真のような極性にして。
 結果は素朴な疑問の通りとなった。C1とC2はほぼ同じ電圧で充電されており、C1は極性が逆だった!
 これは大変な事態である。電解の場合はC1の寿命を著しく縮めたり破裂の恐れがある。ヤバ過ぎる!
 実験回路のように極性のないコンデンサーを使っている場合は、交流周期の半分においてC1が逆極性に充電されるため、なかなか電荷が溜まらないということになる。なぜ544ジュール電解を80Vにチャージするまで12〜13分も掛かったのか?その謎が解けた。

 従って、逆極性充電を防止するためのダイオードをC1に取り付けねばならなかったのだ。もちろん、交流と称しつつ極性が反転しない場合は問題無い。

 コッククロフトは極めてポピュラーであり、取り上げているサイトは多い。だが、C1にダイオードを付けていないサイトもまた多い。危ないよ!
 C1以外のコンデンサーはダイオード2本ずつが同じ役割を担ってくれるため、逆極性に充電される心配は無い。後は、余分なダイオードが接続されたことで問題が生じなければ・・・

 ダイオードの追加により、電源電流ではC2だけが充電されることになる。
 それ以外のコンデンサーはすべてダイオードを通じて電源電流がパスして行くので、電源電流では充電されることがない。これは、ラジコンバッテリーで直流を送り、実際に確認した。

 しかし、C2の電荷は最終出力端子を介してショート状態となるため、大容量コンデンサーを充電する場合は電源の出力が短絡されたのと同様の負荷となる。
 コッククロフトは電力レギュレーターとしては使えなかったのだ!
 最終出力端子に放電器を接続し、バッテリー入力には電流計を取り付けた。放電すると消費電流が増大することを実際に確認した。

 今度は交流の極性が逆になった場合。
 言うまでもなく、電源電流ではC1だけが充電されることになる。この場合C1にダイオードは不用であり、極性の反転しない交流・・・脈流で使う場合はダイオード無しでも問題無い。ただしこの場合コッククロフトに接続極性が発生するので注意すること。

 最終出力端子は勝手に閉路を形成し、C1と関わらないため大容量コンデンサーの充電時であってもC1が一気に放電されることはなく、電力レギュレータとして働く。これも、ラジコンバッテリーで直流を送り、実際に確認した。
 ただしこの場合でも、下側ではなく上側のコンデンサーから最終出力を取り出すと短絡してしまう。

 コッククロフト・ウォルトン回路は、交流と言っても単極か両極かによって性質と扱いが変わる。ところが、この点をちゃんと区別して説明してあるサイトは殆ど無い。そこで、ここで整理しておこう。

両極交流(極性が反転する)の場合
 1)接続極性無し。
 2)根元コンデンサーにもダイオードが必須。
 3)電力レギュレーターとしては使えない。
 4)根元コンデンサーは出力電圧V、それ以外は2Vで充電される。

単極交流(極性が同じ)の場合
 1)接続極性がある。
 2)根元コンデンサーのダイオードは不要(サージ対策等で入れると安心感)。
 3)電力レギュレーターとして使える(コンデンサーが偶数個の場合のみ)。
 4)根元コンデンサーは出力電圧V、それ以外もVで充電される。

 コッククロフトを有効活用するには両極交流が必須と思い込んでいた。ところが実際には極性が変わらない単なる脈流でも相当使い物になりそうだと気付く。多段の場合は2V充電の出来る両極交流を用意したいが、それほど多段が必要ないケースでは単極で充分に利用価値がある。
 コンデンサー充電目的の場合、ピーク電圧さえ管理できれば出力電圧を平滑化する必要は必ずしも無く、パルス電流のままコッククロフトに直結するのがアリだ。

 自作チョッパーは330Vを達成出来なかったが、160〜170Vは余裕を持って出せる。単極コッククロフトで倍電圧にすればいい!
 2倍にするだけならコンデンサー3個でいいが敢えて4個使い、電力レギュレーター機能を持たせるべきだろう。引き替えに得られるものが大きい。これが無い場合、出力が短絡すると出力電圧が落ちて平衡する。スイッチングFETのデューティーが小さくなり、平均電流が小さくなる。すなわち、出力ワット数も落ちてしまう。
 だが、コッククロフトによる電力レギュレーションが効けば、高負荷時でも高電圧を出せる。すると、出力ワット数も大きくなる。電力制限を行うことで逆に、コンデンサー充電時間は短くなるはずだ。

written by higashino [パルス] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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