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2010年02月06日の記事

2010年2月6日(土) 17:06

今後の開発計画

 マルチパス増幅やろうとすると、予定の増幅器は使えない。入り口も出口も1方向しかなく、側面は励起用LDで埋まってるから光の出し入れは出来ない。どうしてもこれでマルチパスやろうとすると、レーザーを偏光させる装置を設置して偏光板やミラーを駆使することになる。そうなると、どう考えても普通に光共振器を組み立てた方がマシだ。
 また、増幅器内部で結晶を一様に励起するのは難しく、どうしても加熱ムラが出る。これは屈折率のバラつきによって透過するレーザーを乱す。マルチパス増幅やれば乱れも複数回積み上がってビーム品質が急激に悪くなる。

 ビーム品質が悪くなると集光しても綺麗なスポットにまとまらず、グリーン変換の効率が低下する。

 光共振器なら最初から飽和増幅出来るし、タネ火レーザー不要などパーツの数も少ない。問題は、光軸調整が絶望的に難しいこと。
 ここで1つの可能性に思い至った。確かに考えつくあらゆる手段で光軸調整しようとして駄目だったが、いま手元には新しい手段が1つある!
 それは、YAGレーザーだ。VECTOR 1064 だ。

 左図は、グリーンレーザー開発を一度諦める直前。最終盤に試した光軸調整法である。ここでは、右端の薄ディスク結晶を出力平面ミラーに置き換えて見て欲しい。

 ビームスプリッターを共振器内部に設置し、調整用のグリーンレーザーを照射。合わせ鏡の像を観察して調整するというものだ。
 この方式が失敗したのは、共振器ミラーの反射率が原因である。1064nmを全反射する誘電多層膜は、532nmグリーンの反射率が1割程度しかない。このため、調整用レーザーが一往復しただけで強度が激減し、やってみると合わせ鏡としての像を観察するのが不可能だったのである。
 このとき、1064nmの光源が欲しいと思った。それが今は手元にある。

 VECTOR 1064 ならば、共振器ミラーで全反射される。ビームスプリッターを透過するたびに強度が半減するとしても、合わせ鏡の像を観察できる可能性はかなり高い。もちろん肉眼では観察出来ないが、安全面の問題があるためそれは可視光レーザーでも同様だ。
 自作共振器が実現するとタネ火レーザーは不要となるが、光軸調整手段という極めて重要な役割を得ることとなる。調整出来てしまえば、ビームスプリッターの代わりに結晶オーブンを設置してキャビティー内SHGやれば良い。

 という訳で、今後の開発計画を以下のように決めた。成否は、発生したグリーンレーザーの光出力によって判定する。

 

1)増幅器無しでのグリーン変換

 何はともあれグリーン変換の効率が低ければ話にならない。切り札のLBO非臨界位相整合の効力を確認する。ここでまっとうな変換効率が出ないようでは、先に進むのは論外。何とかなりそうだったら、2)以下の目標グリーン出力を具体的に設定する。実は目標値はとっくの昔に決まっているのだが、1)で余りにショボいことになったら公開したことを後悔するハメになる。だから、1)が成功するまでは秘密にしている、というのが正しい。

2)増幅器にNd:YVO4を搭載し増幅試験

 これを行うには、光出力180ワットのCWレーザーダイオード用電源を開発せねばならない。
 ここで満足の行くグリーン出力が得られれば当初計画の通りであり、各ユニットの完成度を高める仕上げ行程に進める。
 出力不足の場合は3)〜5)を行うが、どれを先に試すかは2)の結果を見ながら変わる可能性アリ。

3)増幅器の両側にミラーを設置して光共振器に再挑戦

 タネ火レーザーを光軸調整用に利用することで、共振に再度挑戦する。Nd:YVO4は2本つなげて使うため、増幅器はともかく共振器としてはうまく働かない可能性がある。しかし無事に共振すれば開発は終了し仕上げ行程へ進めるだろう。

4)増幅器に Nd:KGWを搭載し光共振器に再挑戦

 駄目だったらレーザー結晶を Nd:KGWに戻して共振させてみる。グリーン化にはBiBOだけでなくLBOも使用可能。基本波は1064nmではなく1067nm
となるが、LBO非臨界位相整合では僅かに温度を下げることで対応可能。

5)励起用LDをQCWに交換してみる。

 これを行うには、光出力900ワットのQCWレーザーダイオード用電源を開発せねばならない。

written by higashino [パルス] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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