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2010年02月13日の記事

2010年2月13日(土) 15:53

どんな魔法使ってるんだ

 タネ火YAGをまずはCW発振させてみる。しかし、全くグリーンレーザーが発生しない。
 今度はQCW発振に切り替える。すると、ちゃんとグリーンレーザーが出た。しかし、余りにも暗い。計測するまでもなく1ミリワットぐらいだと分かる。

 タネ火YAGの励起用LDのスイッチを入れると、一瞬綺麗な緑の三日月が現れてすぐ3つに分かれる。パワーが弱いだけでなくTEM02になっちまってる。

 三日月なのは明らかに光軸がズレているから。
 試しに出力側でパワーメーターを使うと、レーザーの3分の2ぐらいしか透過して来ていない。
 しかし逆に言えば、3分の2は透過しているのにこんな弱いグリーンしか発生していないってことだ。これでは光軸を合わせても余り期待出来ないが、三日月で結果をうんぬんする訳にも行かない。

 光軸合わせは、発生したグリーンのパターンを確認しつつビームエキスパンダーの調整で行った。

 結晶オーブンの温度は、もちろん変化させてチェックしている。許容温度幅は2〜3℃あるため、最適温度を外れているから変換効率が3桁も低い・・・などという罠はない。

 そこそこまっとうに光軸を合わせた状態。

 一瞬綺麗なTEM00の強いビームが現れるが、するに変形してTEM01になる。その後いったん暗くなり、再度少し明るくなって安定する。
  だが、少し明るくはなっても当初に比べるとかなり暗い。

 明るさの変化はタネ火YAGの励起用LDの出力変化である程度の説明は出来るが、TEM00でなくなる理由は分からない。タネ火YAGはメーカー製ヘッドであり、いきなり発振モードが不安定になるとは考え難い。

 ただ、いずれにしろ照射直後の明るい状態でさえ、光出力は数ミリワットでしかない。計測などするまでもなく、改造した共立モジュールより遙かに暗いのは明白だ。YAG基本波で3ワットも叩き込んでいるのに!

 試しにビームエキスパンダーを外すと、QCW発振でも全くグリーンが出なくなった。入射ビームが細くなったことでレンズで絞り切れず、焦点のエネルギー密度が1桁低下したせいだろう。つまり、グリーンレーザーが発生する下限ギリギリなので変換効率が異様に低いのだと思われる。
 実際、LBOの破壊限界は太陽光線の1兆倍ぐらいだ。1億倍ではショボい緑しか発生せず、1000億倍ぐらいまでエネルギーを集中させてようやく数十%の変換効率になるということだろう。

 だが、ここから更にエネルギー密度を3桁上げる方法など、思い付かない。
 蛍光寿命の関係から、QCWのピークエネルギーを更に上げるのは難しい。周波数を落として2〜3倍には出来るかもしれないが変換効率と引き替えに平均出力は低下する。
 YAG基本波を20倍ぐらいに出来るかも知れない。だがQCWでなければ意味がないので、自前共振器ではなく1パスの増幅器がそれだけの働きをしてくれるという相当に虫の良い皮算用が前提だ。
 それらを組み合わせ、細かな改良をすることでエネルギー密度を100倍に出来る可能性はある。だが、あくまで運が向きまくった場合の話。

 集光スポットに関しては、これ以上小さくしようとするとビーム円錐の角度が大きくなり、許容角をはみ出してしまう。周辺のビームが波長変換されなくなる。ビームウエスト近辺では平行光線に近くなるが、それは非常に短い部分なのでLBOの長さが全くの無意味と化す。
 実行するとしても結晶オーブンの断熱材の厚みなどもあり、焦点距離25ミリのレンズが限界だろう。ただし、ビームウエスト近辺でのエネルギー密度は1桁近く上げられる。

 ネット上のグリーンレーザーを見ていると、そこまで苦労しなくてもあっさりと1割以上の変換効率を得ているように見える。一体どんな魔法を使っているんだ?
 針の穴に糸を通すような効率アップの可能性が見えるものの、余りに分の悪い賭である。

written by higashino [パルス] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(3)] [TB(0)]

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