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2017年7月13日(木) 21:32

トレードオフ

 ポートタウン2というコースには2つの天王山がある。1つは、3連続コーナーの最後。もう1つは、ショートカットファールである。ジャップ台を使ってコースをショートカットするが、余りに派手にショートカットし過ぎるとファールとなり、オフィシャルカーに引き戻されてしまう。
 ポートタウンはゲーム内で唯一、ファールで引き戻されても普通に走るより速いショートカットが可能なコースである。

 ショートカットで引き戻される座標は一定であり、ショートカット先よりも左側になる。そのため、ジャンプ着地が接近すると左ハンドルを切り、自機を左に向けて走らせることにより、オフシャルカーに強制移動させられるフレーム数を減らすことが可能である。これは、発売当初に発見された古典テクニックに属する。
 問題は、引き戻された直後には速度がゼロになる上に、すぐ右コーナーだという点にある。

 リセットされるのは座標と速度だけで、自機の向きや慣性モーメントは引き戻される前の状態を引きずる。だから、左ハンドルを切っていると、引き戻された直後にも自機が左旋回する回転モーメントが残り、すぐには右旋回できない。速度ゼロなので当然 S-JET を噴射するが、曲がり切れない。あるいは、曲がりきれてもインに付けず、大きなタイムロスとなる。
 だから、オフィシャルカーに吊り上げられる直前に、右ハンドルを切っておかねばならない。かと言って、あまりに早く右ハンドルを切ると、引き戻される座標までが遠くなり、捕まったまま多くのフレーム数を浪費することになる。

 スクリプトにおいては、オフィシャルに運ばれて速度ゼロになったフレーム数という最重要結果と共に、別の重要結果を併記するようになっている。それは、再スタート直後からずっと右ハンドルを切り続けた場合に、右のガードビームに突っ込むまでのフレーム数である。これが小さいほど早く右旋回できているという意味になる。
 ここ数日の計算の裏では別のスクリプトも走らせていて、この右旋回判定が実走でも速さに相関していることが確認できた。すなわち、速度ゼロに戻されるフレームが同一の場合、右ガードビームに早く突っ込むことが可能な解を採用すべき、ということだ。更に重要な調査として、速度ゼロに戻されるフレームは遅いが、右ガードビームに突っ込むのは早い、という解の扱いである。これは、逆転が普通は起きないだろうという見当が付いた。
 だからまずは何よりも、速度ゼロに戻されるフレームが早いことが重視される。その中で、早く右ガードに突っ込める解を採用すれば良い。

 このような法則に見当を付けるためには、スクリプトを何度も走らせねばなならず、膨大な計算が必要となる。法則を探して最速を追求するには計算計算ひたすら計算であり、計算リソースが足りない場合は不十分な計算から結論を急いだり、勘に頼ることを強いられる。それは当然ながらTASの品質に悪影響がある。
 計算リソースは、どんなに多くあっても多過ぎるということはない。
 TASの製作はパズルあるいはボードゲームを解くことそのものである。理論上はすべての場合を試してみれば、完全な最速解が得られる。しかしそれは事実上不可能なので、僅かな場合だけを調べて最速に迫るわけだ。

written by higashino [ゲーム] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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