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2008年8月25日(月) 17:15

リニアモーター

 伝統的な宇宙エレベーターの設計では、エレベーターの上下移動にはリニアモーターを使用する話が多い。というのも、エネルギー効率が最高に良くなるからである。
 非接触だから摩擦ロスがない。これは同時に、ケーブルが摩耗することもないってことだ。
 宇宙は極低温だから、超伝導電線を使って動作エネルギーを送れる。これまたロスがない。
 更に、リニアモーターはモーターの一種であり、もちろん回生が可能。下りのリニアが回生ブレーキを使い、回収した電力をそのまま上りのリニアで使う。これにより、ただでさえロケットの何十倍も良好な燃費が、更に桁外れに良くなる。
 宇宙に出た後はスピード制限も無い。リニア自体いくらでも速度を出せるので、空気抵抗がなくなれば短時間で静止軌道まで突っ走れる。
 とまあいいことずくめ理想ずくめであり、確かに固定費は300年後とかの人類でなければ支払えないだろうが変動費が馬鹿みたいに安くなる。これで100年200年無事に運用が行われれば、それこそ新幹線に乗るような気軽さで宇宙旅行出来るだろう。だが、恐らくそれが実現するのは500年ぐらい先だろうな。

 こんな理想の宇宙エレベーターは建設コストが大き過ぎて、今の人類には建てられない。だからこそ遙か未来の話題でしかなかったのだ。
 なぜリニアモーター方式はコストが掛かるのか?それは、重量が大きいからである。超伝導電線にしろリニアモーターのコイルにしろ、重量があり過ぎる。宇宙エレベーターは引っ張り強度との戦いであり、強度に貢献しないバラストはCNTワイヤーに比べて十分に少量でなければならない。重量物を必要とするリニア方式では、とんでもなく大量すなわち太いCNTワイヤーを用意せねばならなくなり、建設コストが何桁もアップしてしまう。
 燃費の良い宇宙エレベーターは、初期投資が膨らんでしまうのだ。そこで、現案では初期投資を減らすために性能を妥協している。CNTケーブルをワイヤーではなくリボンのように製造し、ローラーで挟む。そのローラーを回してペイロードが上昇加工するわけだ。これなら寄生重量が無いため、CNTリボンの必要量を最小化出来る。しかし代償として摩擦ロスが発生するし、CNTリボンも摩耗する。
 また、ローラーの駆動に必要なエネルギーも地上から非接触で送る。電線もまた寄生重量だし、高温超伝導ワイヤーは未だに実用化されていない。もちろん燃料電池などを搭載してローラーを動かすのは論外だ。酸素まで持って行かねばならないし燃料を運び上げるために燃料を使うという、ロケットの燃費の悪さを踏襲してしまう。何のための宇宙エレベーターなのか分からなくなる。

 ここに至ってまた大問題が浮上する。非接触でエネルギーを送るってどうやるんだ?

written by higashino [科学コラム] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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