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2013年8月13日(火) 17:53

宇宙戦艦

 ヤマトがリメイクして放映されているが、2199 に限らず宇宙モノSFで戦艦が登場するのは定番である。
 1週間程度で完了する月旅行までならまだしも、火星有人飛行から先になると放射線被曝が問題視されているのは周知の通り。宇宙狭しと飛び回るSFでも、遮蔽は重大問題だ。
 宇宙船が大きくても小さくても遮蔽に必要な厚さは変わらないから、体積重量比的に大きな宇宙船ほど有利なのは明白である。だから、巨砲になるかどうかは分からないにしても大艦が幅を利かせるのは自然な成り行きである。
 一方で推進を考えると、質量に占める燃料の比率という点では大差ない。だが、過剰に巨大化すると加速力では不利になる。加速力に劣る巨大艦が、良いマトなのは言うまでもない。
 かくして宇宙の戦闘艦が、戦艦と呼ぶにふさわしい大きさに設定されていても不自然さはない。もちろん特殊な用途であれば、サイズも変わるだろう。

 その上で、推進機関がどうだとかあれこれ考え始めるのも良いが、そもそも自分がこんなことを考えるようになったのはレールガンがキッカケである。
 宇宙戦艦の武装として、レールガンはかなりポピュラーである。ヤマトには搭載されていないが、フィクションの海上艦船にも良く搭載される。更には、リアルでアメリカ海軍が搭載をプッシュしている。
 未来兵器のイメージがある上に、実現性も充分。そんなレールガンだが、実は宇宙戦艦の武装としては疑問符が付き始めている。

 レールガンの初速は、この30年間まるで速くなっていない。
 構想は古いが本格的に研究が始まったのは 1980 年頃であり、たちまち秒速8キロぐらいまで出せるようになった。アメリカはすぐ調子に乗って、SDI構想に取り入れた。ところが、その後どんなに頑張っても、それ以上の速度が出ない。自称ではなく広く認められた成果として、秒速10キロに達したレールガンは無い。
 秒速4〜5キロになると効率が低下し始め、秒速7〜8キロからはどうしても速くならない。アメリカ海軍も、「火薬砲より初速が上」「効率が低下しない」という秒速3キロ近辺の最もおいしい速度域での実用化狙いである。
 海上艦ならそれでもいいが、宇宙戦闘では遅過ぎて話しにならない。デブリ迎撃という平和目的でさえ、どこまで実用になるか怪しい。

 レールガンの説明で「原理上は光速近くまで加速可能」と称しているものもあるし、そう信じたからこそ研究も行われた。ところが実際やってみると、磁場は光速どころかその1万分の1の速度で移動することもできなかった。プロジェクタイルが速くなると、磁場が後方に取り残され、加速されなくなる。また、レール素材が蒸発し、寄生質量となり効率を低下させる。強引に大電流を与えても、蒸発が激しくなるだけで速度は上がらない。

written by higashino [科学コラム] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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