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2019年9月24日(火) 21:53

ハイサイドゲート

 FETゲートドライブ電源は、喉に刺さった小骨のように欝っとうしい問題である。小さい問題なのだが、スマートな解決ができず悩ましい。
 ゲートドライブ自体は TLP250 という素晴らしいICがあるおかげで、特に悩まずに済む。基本的に TLP250 に丸投げすれば問題は生じない。だが、TLP250 にも電源が必要だ。最低10Vを要するので、5V系やラジコンバッテリーそのままでは使えない。
 仮に5V動作できる TLP250 が存在しても、いずれにしろハイサイドのゲートドライブでは何の解決にもならない。

 ハイサイドのゲートドライブ電源としては、チャージポンプが良く使われる。しかし、チャージポンプは設計が面倒だ。すべてにおいて楽ができるのは絶縁型 DC-DC コンバーターだが、高価というだけでなく燃費が悪い。ワット数の極めて小さな絶縁型 DC-DC コンバーターが存在しないのだ。散々探したが、0.25ワットが最小である。しかも1ワット以下では、入力電圧範囲4.5〜5.5Vのタイプしかない。だから、ラジコンバッテリーから一度レギュレーターを挟まねばならず、効率が落ちる。
 加えて、小電力 DC-DC コンバーターは低効率。負荷ゼロでさえ 20〜30mA を消費する。三端子かますから、これはラジコン7.2Vバッテリーで20mA以上を固定税金として取られることを意味する。実に、0.144ワットも無駄に捨てられる。一見小さく聞こえるが、ハイサイドFETの数だけ DC-DC コンバーターが必要であり、そのたびに同じだけ税金が掛かるのだ。
 Sタンク全体に搭載するハイサイドFETの数からして、実運用時は「何もしなくても」1ワット以上が無駄に消える。

 だが遂に、スマートな解法を探し出した。安くて、設計が簡単で、電力の無駄も抑えられる。効率は悪いのだが、ゲートドライブに必要な最小限の電流だけで済むため、ワット数としての無駄は小さい。
 必要なパーツは、すべて秋月で入手可能。

 DC-DC コンバーターは、MAU108 を選定。これは入力 4.5〜5.5V だが、負荷ゼロ時 30mA なので、三端子レギュレーターを介しても、入力 4.5〜9V の MCW03 の負荷ゼロ 70mA より省電力になる。実は非絶縁型で良いのだが、それで安く調達できる訳でもない。手頃なものが入手できるなら、別に非絶縁型でいい。
 出力は、±12V であること。これを 12/24V 電源として使う。12V はローサイドのゲートドライブに使い、24V をハイサイドのゲートドライブに使う。そう、発想は単純だ。ハイサイドのゲートドライブ電源として、24V を三端子レギュレーターに通したものを使うのだ。

 ハーフブリッジ部分だけを、回路図にしてみた。これは走行用モーター対応の豪華版で、ローサイドにも TLP250 を使用している。しかしローパワーモーターの場合は、5Vゲートドライブ可能なFETを使用し、ローサイドはPIC直結で操作することも可能だ。5Vでは操作できない高性能FETは TLP250 の出番だが、2出力コンバーターならまとめて賄える。

 ポイントは、ハイサイド電源の三端子レギュレーター。例えば LM78L12 は、秋月価格20円。入力 14.5〜27V の範囲で、出力12Vを作り出す。ラジコンバッテリーの電圧が9.5V以下なら、ハイサイド電位が変動してもハイサイド TLP250 に12V を供給できる。
 ドライブするFETの数が増えても、オオモトの 12/24V は1個のコンバーターで済むため、税金も1つしか取られない。

 システム全体のメインスイッチとなるFETも、簡単にハイサイド側に設置可能だ。↑の12Vと24Vを供給するのも、↓の MAU108 である。

 このSタンクは金属シャーシであることを活用し、シャーシ全体をGNDとして使用したい。そのためには、GNDを共有できる回路にする必要がある。

written by higashino [Sタンク 1/16] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(4)] [TB(0)]

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Comments

『ハイサイド』

モータ電圧に対してFETのVgs定格 (±20V) が広いし, フローティング電源にしないで15Vくらいでドライブした方が簡単じゃないですか?

あと, システム電源のメインスイッチとかはPチャンネルFETにすればトランジスタ1個でドライブ出来て楽だと思います.
(スイッチングがあまり早くないならモータドライブのハイサイドもPチャンネルで良いような気も……)

written by 名無し

『ちょっと微妙』

 ラジコンバッテリーは初期電圧が8.4Vていどあるので、15Vでドライブするとゲート電位差を6.6Vしか確保できないなんてことがありえるわけです。使用するFETはゲート電位10Vが標準。
ならば18V固定ドライブというのは、ゲートが20Vまでしか対応しないのでマージンが小さくて怖い。
 いっぽうP型FETは今や、N型との性能差が無茶苦茶大きくなっていて、高性能を目指すと採用はありえないです。理由は、ハイサイドのゲートドライブ技術が進歩し、N型で押しまくるのがベターという風潮かと。
 小型ラジコン戦車ならパーツ点数を減らすためP型使うのが効果的だし、ゲートドライブを楽にする5V操作可能なFETを使うのが効果的です。しかし540系モーターを使用して車体重量10キロの金属戦車を走らせようとすれば、性能優先したいです。

written by IDK

『タイトルなし』

この方式だと、DCDCでの損失に加えてレギュレータでの損失もあり、結局のところ電力の無駄がある気がします。ついでに「78L」だと許容電力に不安があります。
単純にブートストラップ方式ではいけませんかね、マイコンなら簡単に制御できますし

written by 774

『無駄は出ます』

どう頑張っても無駄は出るんですよ。それを少しでも減らすように頑張ってみたわけで、ワット数の大きなラジコンだからこそ。
無駄の影響が大きな1/24スケールクラスでは、やったりしないです。
あとブートストラップは個人的に大嫌いで、絶対にやりたくない。何しろこれは純粋な趣味の工作なので、個人的趣味はすべてに優先します。

written by IDK

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