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2010年6月9日(水) 21:48

ちょいと焦る

 DPSS本体をネジ込んでセット完了。

 ところが、試しに通電するとビームが弱い。肌を照射しても熱くない。気が付いた。レーザーポインター用の当たりモジュールではなく、コイルガン戦車搭載用の外れモジュールの方をくっつけちまった!

 ここで慌てず騒がず、DPSS本体だけを交換。
 ところが、通電するとビームが出て来ない。ぼんやりと緑の光が漏れてるだけだ。ペアになっていた光学部分にネジ込み直すと、正常にビームが出る。どうやらパーツは汎用だが調整は個別に行われていて、相棒にネジ込まないと正常にコリメートされないらしい。

 幸いにしてオートウエルドが硬化する前に試したので、ヒートシンクから引き抜くことが出来た。打ち込むのが大変だったので抜く方も大変だと思ったら、結構あっさりと抜けた。
 穴が緩い漏斗状になっているようだ。

 モジュールの前玉の更に前に赤外線フィルターがくっついているので、何等かの手段で保護せねばならない。鞄やボケットに放り込む訳に行かない。

 しかし今回の工作では、ヒートシンクがガード役としても働く。

 交換後に当然確認しているが、オートウエルド硬化後に改めて通電試験。

 ちゃんとコリメートされたビームが発射された。明るさも熱さも問題無し。
 大きなヒートシンクを付けているため、何十秒か連続照射しても安定している。

 このヒートシンクはネジ穴も用意されているため、バッテリーやトリガーを取り付けた本体と合体させる場合にも便利。

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2010年6月8日(火) 20:59

ポインター作るか

 コイルガン戦車の改修作業で絶縁に使用するプラスチック板をハンズへ買いに行くついでに、12ミリのドリルを調達した。これでグリーンレーザーモジュールの組み上げ開始。

 ヒートシンクは鈴商で手に入れた。ど真ん中にフィンをカットして12ミリ程度の空間が最初から確保されている。床の穴は3ミリだが、これを12ミリに拡張した。

 アルミとは言え、12ミリもの穴を開けるのは困難極まった。
 家の電動工具にそんなパワーはない。そんな強力な工具を動かすのは論外な閑静な住宅地なので、最初から買っていない。隣家で過激派が武器を作ってるみたいだとか通報されかねない(汗)

 12ミリのドリルビットをT字型の手回し工具にセットし、少しずつ削る気の遠くなるような作業。写真1枚の裏に、1日分の作業がたっぷりと詰まっています。

 グリーンレーザーモジュールから光学系部分を外す。

 このモジュールは中国製で、値段は新共立なみなのに出力は当たりの黒共立に匹敵する。このように簡単にバラせるし出力調整トリマーもライブ。逆にプッシュボタンは出荷元が改造して殺してある。
 ただし赤外線カットフィルターが付いていないので、自前で追加せねばならない。まっとうな組み込み用途ならフィルター無しなどあり得ない訳で、ターゲットユーザーが丸分かり。さすが中華。

 ちょっとキツいが密着度を増すには都合が良い。
 先に光学系部分だけをヒートシンクの穴に叩き込む。オートウエルドで接着。元々金属粉入りなので、通常のエポキシよりは若干熱伝導が良いはずだ。

 当たり前だが、繊細なレーザー部分をくっつけたままでは打ち込めない。

 各社のグリーンレーザーモジュールを使ってお手軽に極悪ポインターを作るのが流行っているが、大抵は小型化を優先して放熱がいい加減である。そういうのはすぐに出力が低下するし寿命も短くなる。
 レーザーシステムは、まず放熱ありき。他の部分はその後からデザインする。

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2010年4月29日(木) 21:18

さあゴールデンウイーク

 さて、いよいよゴールデンウイーク。
 いつものことで、休みに入ると実験は休止状態になります。旅行したりして家に居ないからです。とはいえ今年のGWは周知の日程で、今日は日曜と変わらない。それでも実験は休み。

 まあ、ちょっと休みたい気分なので。

 ここでGWに入るというのは、気分転換には良いタイミングだと感じます。
 レーザー実験装置一式を別の机に移動させたい。それには結構な掃除が必要で、それが面倒。でも掃除のキッカケにしないといつまでも部屋が片づかない。

 ファイバーレーザーは光軸調整が不用な一方で、ファイバーの太さや断面構造の問題があります。バルクの光共振器なら所定の位置にパーツを置きさえすればいろいろな物理サイズのパーツが使えます。1インチと半インチのミラーを組み合わせてもいい。ところが光ファイバー同士というのは、接続可能な組み合わせが決まっている。ファイバーレーザーを構成するパーツを収集する場合、相互に接続可能な光ファイバーでなくてはなりません。
 ただでさえファイバーレーザーはパーツの入手元が限定される上に、この接続性まで考慮しなきゃいけない。うっかり選択を誤ると、後々まで祟ってしまう。だから、相当に広範囲にパーツの情報を集めねばならない。

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2010年4月28日(水) 22:47

撤退準備

 実験装置はまだ暫く組んだままにしておく。
 正式な出力ミラーで念のために共振を試したりする予定だからだ。今更感はあるものの、大して手間が掛からない実験ならやっても構わない。
 リアミラー調整済みの場合、後から出力ミラーを動かしても元に戻せることが判明している。つまり、出力ミラーだけを交換して共振実験するのはそう手間ではない。

 本当なら出力ミラーと増幅器の間合いを変化させて試すことも可能だが、それにはミラーマウントを動かせるようにせねばならない。こうなると最初からオートウエルドで接着したのは結果的に失敗だったと言わざるを得ない。単純なネジ止めであればネジを外してL字アングル沿いに動かすことで、容易に間合いを変化させて実験出来た。
 今となっては間合いを変化させての実験を行うのは手間が掛かり過ぎる。

 共振器が安定条件を満たしまくっているのに共振しないのはなぜか?
 内部に定常波が出来るためには、ミラーの位置が定常波の節の部分に一致せねばならない。通常はレーザー結晶が発する蛍光の波長は少しバラ付いているため、共振器長の整数倍にたまたま一致した波長が定常波となる。しかし熱レンズの影響が大きくてしかもいびつな屈折状態になっている場合、適合する波長が存在しないという場合もあるのかもしれない。
 だとしても、それを解決する方法がないので情報としては役に立たない。共振器長を変えると偶然に解が発生する可能性はあるが、仮定に仮定を積み重ねた話に過ぎず試行はペイしない。

 光軸調整用レーザーは合わせ鏡の中を何往復もしてから出てくる。つまり内部では波長が干渉し合っている訳で、共振器の長さがコンマ数ミクロン変動しただけで出力光の強さが大きく変動するはずだ。ビデオカメラで観察した回折格子がランダムな明るさ変動している理由はおそらく微振動だろう。
 どんなにガッチリと組んであって振動も与えていなくても、長さ7〜8センチの共振器が0.1ミクロンの変化を示すのは不思議じゃない。だけどそれはまた、定常波が不安定になるのに十分だという意味でもある。

 問題は、実験室に据え付けて振動厳禁扱いできる装置を作ろうとしているのではないって点。レーザー銃だから手持ちで振り回す。たまたま共振しても、ちょっと振動与えたら不安定になりましたでは使い物にならない。あれこれ考えると結局ファイバーレーザーしかないとの結論に至る。

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2010年4月27日(火) 21:03

計画は終了しました

 光軸調整出来たところで、増幅器に通電。1064nm 選択透過フィルターを通して観察する。

 三日月は出力ミラーの端で、中央の光点が Nd:KGW 棒本体である。蛍光が捉えられているが、ただそれだけ。別に共振してはいない。
 ロッドの輝きは上下に分かれそうな気配で、励起が欽一ではなさそうだ。しかし改善する工作は無理。

 ミラーマウントは向きの調整だけならネジ2本で出来る。しかし自分が使っているのはネジ3本のタイプなので、前後に2ミリ程度は間合いを変えられる。
 共振器は長さが少し変わると共振することもあるので、変化させてみる。変化させた後は VECTOR 1064 のパターンで向きを調整出来る。昨日よりも多くの回折格子が見えることもあったが、共振しないことに変わりはない。

 Nd:KGW の励起が不均一っぽいので、リアミラーを限界ギリギリの ROC=75mm までキツくして試すのは有力案だ。しかしミラーは高価な一方、それで共振してくれる可能性はそう高くない。
 このタイプの遺物に更なる時間とカネを投入するよりも、予定通りファイバーレーザーに移行すべきと判断。

ここに、旧計画の終了を宣言します。

 レーザー開発計画は完全に失敗しました。今後は、ファイバーレーザーしか扱いません。カネも時間もファイバーレーザーに集中させます。共振しないという問題を、根本的に解決しちゃいます。
 パーツを調達するための調査がかなり大変であること、入手可能パーツだけから最適設計を考えねばならないこと、そして何よりも軍資金を稼がねばならないこと。それらの理由により、このまま即座にファイバーレーザーを進めるのは無理です。

 できれば今年中にはスタートさせたいと考えてはいるものの、いったんコイルガンに戻ります。

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