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2024年6月10日(月) 19:53

プロジェクトの今後

 戦車で16分の1スケールに相当するサイズのラジコン(全長50〜60センチ)は、徒歩で持ち運ぶ実用限界である。
 そのクラスに搭載する場合、エアガンなら通常の18禁パワーが使える。そうなると、合法(想定)パワーのコイルガンを積むアドバンテージは殆どない。

 ハンドガンタイプであれば楽しそうだが、楽しむならスリングショットが勝る気がする。
 クロスボウの所持が禁止されてもアーチェリーの弓は禁止されていないのと同じで、コイルガン規制になってもスリングショットは規制されない可能性が高い。そうすると、パワーもスリングショットが優位である。より大きなパワーを、人間の技量によって命中させる。これはもう、面白さ楽しさで勝負にならないだろう。コイルガンの信頼性は不安があるので、消耗品のゴムだけ交換して安心して使えるスリングショップでいい。

 やはり、機動戦闘車にはエアガンを積むのが良さそうだ。
 Sタンク搭載のエアガンが、事実上使い物にならなくなっている。照準装置が追い付いていないし、装填不良も完全には解消していない。室内では狭苦しく、屋外では足回りのトラブルが多発。これを、機動戦闘車に積み替えて、Sタンクは単なるラジコン戦車として扱う。Sタンクは重量過大が悩ましく、エアガンを下ろせばそれが緩和されラジコンとしても使い易くなる。そして実射の楽しみは、機動戦闘車で実現させる。

 コイルガンは、ストームタイガーのレストア前提で考える。
 戦車で24分の1スケールに相当するサイズのラジコンになると、電動ガンBOYSクラスのエアガンしか搭載できない。それこそ東京マルイのバトルタンクだ。ならば、威力でコイルガンの優位は圧倒的となる。命中精度も悪く、コイルガン・ストームタイガーといい勝負である。バトルタンクを扱ったことがあると実感できるだろうが、照準装置がないことも手伝って射程1〜2メートルでなければ狙い撃てない。そういう至近距離なら、コイルガン・ストームタイガーの命中精度でも何とかなる。
 一方コイルガンで山なり弾道の遠距離射撃を楽しむなら、30度とか40度など大きな仰角が必要である。そんな仰角が可能な戦車は、ストームタイガーぐらいである。

 よって、まずはストームタイガーのコンデンサー充電器を復活させてみたい。
 コイルガン・ストームタイガーはエネループ6本という小さなパワーソースで動く。だからコンデンサー充電器のワット数も小さく抑えられているが、合法(想定)パワーのコイルガン用としてなら十分である。
 今では放電回路を小さくできないという問題も、当時のダイオードを流用すれば良い。

 本日をもって、「コイルガン機動戦闘車」カテゴリーは終了。
 将来的に「エアガン機動戦闘車」カテゴリーを新設し、エアガン搭載版として製作続行予定。
 明日からは「コイルガン戦車 1/24」カテゴリーを再開。

written by higashino [コイルガン機動戦闘車] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2024年6月9日(日) 20:14

コイルガンの弾道計算

 引き続きカラス海岸というサイトで、今度はコイルガンの弾道計算をしてみる。ホップ回転に0は指定できないので、1にしておく。無回転の通常コイルガンで10メートル先を狙う想定だ。

 適度な山なり弾道が、それなりに面白そうではある。

 同様の条件で、今度は最大にホップアップを掛けてみる。全長で押しゴムを効かせても、パチンコ玉の全周と初速から毎秒860回転ぐらいが上限となる。ここから分かるのは、エアガンで言うところの「適正ホップ」を掛けるのは無理ということ。しかしもともとホップは弱めの予定だったから、問題ないとも言える。
 弾道の盛り上がりが約14セントから約6センチに減少し、恐らくは命中精度も上がる。仮に実現できれば、撃ってて楽しそうだ。

 とは言え射程10メートルだとエアガンでも5センチ以下に集弾するし、弾道は殆ど直進である。狙って撃つという通常の使い方では、合法(想定)コイルガンのアドバンテージをどこに見出すかは難しい。大きな反動を感じられることと、重量弾の山なり弾道にどこまで特別感を持てるかどうかだろう。

 では、最大射程はどうか?
 無回転コイルガンで大きな仰角を掛けると、70メートル以上飛ぶ。

 最大回転を掛けると、90メートル以上まで飛ばせる。

 とは言え0.25グラム弾のエアガンでも、届くだけなら80メートル以上まで届く。そういう距離での残存エネルギーは圧倒的にコイルガンの重量弾が有利とはいえ、最大射程という面でもコイルガンの優位性は殆どない。
 しかし滞空時間の長さと、パチンコ玉の遠距離視認性の良さがあるので、実際に遠射して飛行を見て楽しむということなら、エアガンより遥かに楽しめると思われる。

written by higashino [コイルガン機動戦闘車] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2024年6月8日(土) 20:19

伝説のコンデンサー充電器

 コンデンサー充電器が諸悪の根源になっているが、過去につくったコイルガンでは問題にならなかった。そんな過去の充電器が、実はまだ手元に残っている。
 左が他ならぬコイルガン・ストームタイガーに搭載していたもので、MC34063 を使ったアナログ仕様である。チョッパー周波数も外付けコンデンサー容量で調整している。充電完了電圧も、半固定抵抗で調整する。一番の旧式だが、動作実績は最も豊富。実際にギッシリとラジコン戦車に詰めて動かして、全くサージ問題を起こしたことがない。

 右は5年前にコイルガン・ストームタイガーをレストアしようとして新規製作したものだが、サージのせいで充電完了電圧を認識できず開発失敗した。すっかりそれを忘れていて、同様のマイコン制御式をコイルガン機動戦闘車用に作ってしまった。
 どうやら認識の間違いだったようだ。ラジコン戦車にコンデンサー充電器を積むなら、アナログ式にすべきだったのだ。昇圧チョッパー用ICを使うと電流制御のため抵抗ロスは生じるが、ハードウェアで電流制限やってくれるので設定以内でフルに性能を発揮するし出力短絡にも強い。

 だからと言ってアナログ式で作り直してまでコイルガン機動戦闘車の完成を目指すべきかどうかは、冷静に検討してみたい。

 いっそのこと、コイルガン・ストームタイガーのレストアに再挑戦しようか?とも思い始めている。

 充電ワット数では劣るが、この伝説のコンデンサー充電器を復活させて機動戦闘車に使うこともできない訳じゃない。コイルガン・ストームタイガーを復活させる場合も、どっちにしろ充電器は復活させねばならない。まずはこの充電器を再稼働させるのが初手だろう。

 何らかの形でコイルガンをまだ作るのであれば、念のためエアガンのパワー規制に使われた計算を流用判断するのがベターだろう。直径11ミリのパチンコ玉の場合、上限は2.638ジュールである。秒速31メートルは違法で秒速30メートルなら合法という計算になる。キリもいいので、初速30メートルとして考えるべきだろう。確かコイルガン・ストームタイガーは秒速34メートルぐらい出ていたので、少しデグレードさせねばならない。だが、元が壊れるギリギリだったのでパワーダウンは渡りに船でもある。
 今後を考える上で、パチンコ玉を秒速30メートルで発射するとどうなるのか、イメージを掴んでおく必要があると思う。

 ここで、エアガンの弾道計算やってくれるカラス海岸というサイトがある。同サイトで、Sタンクの主砲エアガンを弾道計算してみたのがこれ。

 25メートル以内なら殆ど直進弾道で、30メートルでは一気に落ちるという実射を見事に再現できている。エアガンを搭載する場合、精密射撃の有効射程は25メートルと考えるのが適切だ。では、合法(想定)コイルガンではどうか?

written by higashino [コイルガン機動戦闘車] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2024年6月7日(金) 20:30

どうやら終戦

 どうしても確認しておかねばならないのは、試験用の射撃管制基板。コンデンサー充電中にサージでゲートに半端電位を加えることがないよう、射撃直前までゲート充電電源を空にしておくよう作られている。
 だが実は、本当に空になっているのか確認していない。

 逆に、射撃直前でゲート充電電源をチャージし忘れるというミスがあり、それによってゲートドライブできない現象は起きていた。だから、サージ対策は機能しているようなのだが、考えてみればチャージし忘れでもゲートに半端電位を与えていた。当時はチャージ開始が遅れたせいだと解釈していたが、時間スケール的に説明できないかもしれない。
 いずれにしろ、確認だ。
 仮にサージ対策が正常に機能していると確認できた場合、コイルガン機動戦闘車は製作中止する。対策が機能しなかったという意味なので、結論は重大なのだ。パーツ点数の多い回生型コイルガンで、ときどきサージで悪影響が出るようでは信頼性が低くて、やってられない。法規制も掛かる状況において、そこを何とかして完成に持ち込むほどの士気は出ない。

 いっぽうサージ対策が機能していなかったと判明した場合は、サージ対策を修正し機能させた上で、再度試射してみる。その結果を受けて、今後を考える。

 まず、3番ローサイドのゲートドライブ電位を確認。綺麗な波形が出ている。

 そこで今度は問題の、ゲート充電電源を確認。トリガーボタンを押すまではゼロに張り付いていて、トリガーでチャージ開始。こっちも想定通りに推移している。本来であればゲート充電電源ゼロなので、サージごときでゲート電位も上がらないはず。だが、現実に暴発している。

 こうなると完全にお手上げである。コンデンサー充電器のサージを完封できておらず、そんな中で16段式など無謀でしかない。

 よって、このコイルガン機動戦闘車は中止。終了とします。
 エアガン搭載に切り替えてラジコン機動戦闘車は完成させるものの、明らかに名称は不適切なので新規に別カテゴリー立ててそこで行う予定です。

written by higashino [コイルガン機動戦闘車] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2024年6月6日(木) 21:31

取り敢えず撃ってみよう

 主電源基板やコンデンサー充電器と接続し、試射の準備を整える。

 コイルガンの法的扱いが先行き不透明なので、何が何でも完成させようという士気は低い。だから、試射が失敗したらしたで別に構わないと思っている。開発がうまく行けば合法のうちに実験結果を集めておくし、行き詰まれば早めに諦めて転進を考える。

 ちなみにこれが、コイルガン・ストームタイガー開発当時の試射状態である。

 よくもまあこの空間に詰め込んだものだと自分でも呆れる。さすがに無理があって、そのうち壊れてしまったが。
 主砲コイルへの配線接続は、この写真を参考にしている。通電の向きを間違えるとコイル磁場が打ち消し合ってしまう。

 ともあれ撃ってみて、またIGBTが破損するようなら開発断念も考える。だから、普段と違って緊張しない。駄目なら駄目で良いのだ。

 送信機の電源を入れ、主電源を入れる。
 送信機のトグルスイッチを上げて、コンデンサー充電開始。直後、ポン!と小さな音が出て送信機に BREAK の文字が。え?撃つ前に壊れた?

 セットしたパチンコ玉は、少しだけ前進した状態で止まっている。充電完了前にIGBTユニットが壊れてコイルに通電したようだ。

 撃ったら壊れました、は想定していた。
 だが、撃つ前に壊れるとは思わなかった。

 症状としては前例たっぷりだ、サージのせいでIGBTゲートに半端電位が加わった可能性が高い。だが、それは対策済みである。

 コンデンサーからコネクターを抜いて系統ごとにテスターで確認すると、1と3は無事で2だけ短絡している。回路図からすれば、そういう症状は第3段のローサイドIGBTが破損したことを示唆している。第3段のローサイドIGBTだけ取り出してテスターを当てると、短絡していた。

written by higashino [コイルガン機動戦闘車] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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