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2022年3月21日(月) 22:43

突然の別れ

 情報が増えれば増えるほど絶望が増しているのだが、それでも実際に何が起きているのかを最終的に確定させる必要がある。どんどん可能性が高まっているファイバーヒューズであれば絶望だが、そうでない場合は修理できる可能性がある。
 仮にファイバーヒューズだった場合は、ファイバーレーザーから足を洗うことになる。

 というのも現在のレーザー銃2号機は、ファイバーヒューズで全損した1号機の痛恨な教訓を元に改良したものだからだ。
 同じ轍を踏まないよう徹底的に対策を行い、慎重に製作を進め、成功させた。1年以上も、快調に動作してくれた。仮にそれが1号機と同じようにファイバーヒューズで死んだのであれば、もうそれを防ぐためのノウハウはない。鉄板を切れるようなハイパワーレーザーを、バッテリー動作させようってのが無理だったのだと諦めるしかなくなる。
 修理に使える中古パーツが入手できたとしても、またファイバーヒューズで壊してしまう可能性が否定できなくなる。

 まず重要なのは、照準用赤色レーザーが故障しているか否か。故障していない場合は、完全に終わりである。ファイバー破損が確定する。照準光は、ファイバーが破損していないことの簡単な確認手段でもある。
 ただし、照準用赤色レーザーには故障した前科がある。汎用の赤色LDをレーザー加工機に使う場合、戻り光でフッ飛ぶ可能性が高いのだ。これを予防するには偏光を利用した特殊な光学装置が必要で、それなら壊れる前提で安物LDを使おうって次第。
 確認には筐体を開ける面倒な作業が必要だが、もっと簡易に確認できることに気付いた。それは、レーザー発振確認に使っている古いソニーのビデオカメラである。

 ナイトモードにすることで赤外線レーザーを直接確認できる。
 仮に電源が死んでいれば、励起用LDも光らない。一方で励起用LDが光れば、筐体の隙間から十分な漏洩光が観察できるはずだ。さっそく試すと、疑問の余地無く励起用LDが光っていた。
 これで、最悪の全損が確定した。

 励起用LDが光っているのに、レーザー発振は皆無。それこそナイトモードで観察しても、全く光っていない。症状から判断して、光ファイバーの破損以外はありえない。
 こうして、それなりに楽しませて貰ったレーザー銃と、突然お別れの時が来てしまった。修理は可能だが、前述の通り意味がない。修理しても、またいつファイバーヒューズが起きるか分からないのだ。今回は完全なる原因不明であり、よって再発も防止できない。修理は、カネの無駄だ。

 まあ世間的には、実行していないとは言え徒歩でどこにでも持ち運んで撃てるレーザー銃なんて、存在しない方が安心だろ・・・今度は、輝きを愛でるレベルのレーザーポインターぐらいに留めておくつもりだ。

 レーザー銃が死ぬと、自動的にレーザー加工機も使えなくなる。いざ使えなくなってみると、存在の大きさを実感してしまう。Sタンクの製作にも、巨大な影響がある。
 だがしかし、Sタンクを自作し始めたときはレーザー銃もレーザー加工機も無かったのである。つまり、それらに頼らずに完成させるつもりだったのだ。初心に戻れば何とかなるだろう。利用できる範囲で「きりいた」など外注を活用し、適当な所で3Dプリンターを導入して作れるパーツは作る。

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2022年3月20日(日) 22:32

突然の故障

 レーザー銃をレーザーカッターとして使用中、エラーブザーが鳴って照射が停止した。

 ローバッテリーの場合は、段階を追ってブザーの鳴るパターンが変わる。それが、いきなり連続ブザーというのは異常。
 そもそも、バッテリーはフル充電直後である。実際には、センサーエラーの方だった。

 励起LDの通電がある程度増大しているのに、光出力モニターの取得値が低過ぎる!という次第。
 このエラー内容をそのまま信じれば、通電したのにレーザーが出ていないぞ、となる。

 エラーはレーザー発振が正常に行われてステンレス板を問題なく切断できている途中で、突然発生している。

 つまり、エラー内容をそのまま信じれば、発振していたレーザーが突然停止したということになる。励起LDは多数存在するため、1つや2つが故障してもいきなりレーザー出力が消えたりしない。
 つまり、電源が故障したか、光出力センサーが故障したか、ファイバーヒューズでも発生したか、である。

 どれであっても深刻だが、実は他にも可能性がある。それは、ノイズなどで異常値が検出されたというもの。
 設定した電流に対して、測定された光出力が明らかにおかしい。それをエラーとして検出する部分は、もともと多くのパターンをエラーとして検出するようにしていた。
 ところが誤動作が余りにも多くてレーザー銃の使用に支障がありまくるため、1つを除いてすべてのエラー検出を廃止したという経緯がある。

 原因究明のためレーザー制御プログラムを書き換えようと、発振器筐体を開ける。だが、dsPIC のプログラムピンには延長ケーブルが接続済みだった。手元の写真が古かったせいで、延長済みであることを忘れていた
 プログラムのため筐体をわざわざ開ける面倒を避けるため、ちゃんとプログラム用端子を外部に取り出していたんだった。

 そして調査の結果、最悪の可能性が最も高いと判明。すなわち、ファイバーヒューズで全損。
 エラー検出しない場合、電源電流はMAXに張り付いて光出力はゼロのまま。エラーを無視したら、当然にそうなる。しかし、レーザーは発射されておらず、実際にも光出力はゼロ。それだけならまだしも、絶望的なことに照準用赤色レーザーも出て来なくなっている。

 照準用赤色レーザーまで故障しているならまだマシで、故障していない場合は途中の光ファイバーが破損している証拠になってしまう。

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2021年7月18日(日) 22:39

修理完了

 新しいLDを収納し、光ファイバーの要所をマスキングテープで固定。

 手で千切った、などという仕上がりではないものの、メーカー製のファイバーレーザーも似たようなものだ。基本的に光ファイバーは、取り外し易さに配慮して実装される。

 ともあれ今度は、このように背面カバーだけ外せば交換できるようになった。

 新しい両面テープでくっつけ直し、元通りに組み立てる。

 レーザー銃が発射できること、発射後でも照準用赤色レーザーが発光すること、を確認。これにて、修理完了だ。

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2021年7月17日(土) 23:03

故障したLDの交換

 久しぶりの融着接続機だが、トラブルなく動作してくれた。

 だが実は、融着開始ボタンを押すまでが途轍もなく大変だった。

 融着するには、光ファイバーの被覆を剥かねばならない。だが、ファイバー結合LDは、光ファイバーを保護チューブが覆っている。まずは保護チューブを除去しないと、作業できない。ところが、前回それほど苦労した記憶がない保護チューブ除去に、今回は梃子摺りまくった。
 結局、ホットナイフを使うことで簡単に剥くことができた。

 LDを交換し易くするため設置位置を替えたことで光ファイバーを余分に引き回すことになり、長さに余裕が無くなったこともプレッシャーを増大させた。
 1回でも失敗すれば、致命的とまでは言わないが極めて作業し難くなる。

 何とか1発で、推定損失0.04dBに仕上がった。

 融着直後の、発光試験。

 光ファイバーからの漏洩光は、LD直後がとにかく多い。
 シングルモード光ファイバーにLD出力を結合するのは大変で、大幅な出力低下を伴う。このLDは公称3ミリワットだが、LD自体は公称8ミリワットである。

 融着部分の強化スリーブを通し、ここも多くの漏洩光が出ている。

 無事に、レーザー銃の先端から照準用レーザーが出て来た。

 光出力は、実測0.1ミリワット弱とかなり低下してしまった。しかし、これまでは手元照射で確認するには明る過ぎると感じていたので、むしろ良い塩梅である。
 加工用途ではない射程数メートル以上とか屋外使用の場合は、同軸の精度は必要ないので外付けレーザーポインターを付ければ良いのだ。

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2021年7月16日(金) 22:35

故障したLDの除去

 背負子を床に寝かせ、レーザー発振器を2つ割に開く。

 右側に、照準用レーザーが設置されている。つまりは、これを交換しようとすれば毎回ここまで分解作業が必要になる。

 電源を接続してみるが、照準用レーザーは発光しない。

 照準用レーザーの電源をチェックすると、ちゃんと5Vが来ている。

 これで、照準用LDの故障であることが確認できた。

 試しに新規調達した赤色LDを接続したら、問題なく発光した。

 元の照準用LDの光ファイバーを切断し、筐体端の穴から反対側へ引っ張り出す。

 元の照準用LDは取り除き、電源線を継ぎ足してこれも筐体端の穴から反対側へ引っ張り出す。

 これで次回以降の交換では、分解せず背面フタを開けるだけで良くなる。

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