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2006年2月28日(火) 22:07
反射率90%のOCを使ってみる。
ビデオカメラをレンズの斜めにセットし、反射光の一部がガラス端から漏れるのをモニターする。レンズの平面調整がうまく行って共振が成立すると、急に漏洩光が強くなる。
しばらくして意外な事実が判明。共振長を数ミリ伸ばせば共振する。短いままでは共振しない。
共振を成立させるためにはミラーの向きが正しくなければならないが、それだけでは駄目。共振長にも適正値がありパーツによっては短ければ短いほど良いというものでもない。
これは新発見だった。ネット上のDPSSの記事でこの点に触れられていないのは恐らく、素性の知れたパーツ使ってきちんと設計しているからだろう。
最も効率的に共振が起きるようにパーツ配置を設計して臨めば、共振させるために共振長を試行錯誤する必要はない。計算で答えは分かってるだろうから。
しかし個人ハンドメイドでスペック不明のパーツ使ってると、答えは分からない。ネットの記事は大学や研究所が書いてるから、このノウハウに触れていないのだろう。
遂にCWでのYAGレーザー発振に成功!
日本でもYAGレーザーを自作している個人は居るが大抵パルスYAGであり、CWでの製作例は珍しいのではなかろうか。
しかも、15W励起にすると一気に光が強烈になる。先日のグリーンYAGみたいにショボくなったりしない。これは・・・今度こそやったか!?
ところが何かおかしい。YAGレーザーに触っても熱くないのだ。光出力を測定する。
まずは1W未満の低出力励起。レーザーが暗いためビデオモニターを見ながらパワーメーターの受光部にヒットさせるのに苦労する。うまくヒットせず半端な値を出しつつ、結局150ミリワット以上出ていると判明。
まずまずの効率である。ただ、レーザー光の断面が点ではなく左右に長いので、余り熱くないのだろう。励起LD光が左右に細長いため、励起結果もそうなっているようだ。
次に励起光を15Wに上げる。ビデオモニターは非常に明るくなり、容易にレーザーをパワーメーターに入射可能。ところが、YAGレーザーは70ミリワットしか出ていない!?
熱くないわけだ。だが、明るいことは明るい。明るいのにパワーが無い?
デジカメを通して見た、可視光&808nmの状態である。上が低出力励起、下が15W励起。LDの発する光は桁違いに強くなっている。しかし、OCから漏れている励起光もまた派手である。
15W励起は明らかにレーザーが強くなっているように映像では見えるが、測定結果は逆。それに、実際に15W励起でレーザーが強く出ているとしても、熱さを感じないのも事実だ。これじゃグリーンYAGの場合と変わらない。
残念ながら共振器を短くしても解決しない。この共振器では諦めるしかないようだ。
YAGレーザー銃ユニットとしても使えそうにないから、そのうち励起LDを直接利用する熱線銃ユニット仕立てるか。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(2)] [TB(0)]
2006年2月28日(火) 00:17
自前で苦労してレーザーを組む経験は絶対必要だと思う。完成品を仕上げる上で難しいのは何で、面倒なのは何で、落とし穴はどこにあるか。それらを把握していないと、中古品やパーツの価値を見積もれないのである。
完成品をポンと購入するなら不要だが、一般人が買える完成品は非常に限定されている。それらでは満足できない場合は自作するしかないが、頼りは中古品。
それも、殆どは海外である。ちゃんと目効き出来ないと手は出し難い。そもそも中古レーザーはどこか壊れているとか、無事なパーツだけ取り出しているパターンが多い。
無事なパーツはどの程度の価値がありそれによって自作の手間はどの程度省かれるのか?欠落パーツを調達あるいは製作する難易度はどの程度か?
自分で苦労し経験を積まねば判断出来ない。ネット上には情報が数多くあるものの、微妙なノウハウは案外転がっていない。転がっていても未経験者は読み流したりする。たまにメールで質問が来るが、答えはうちのサイトに書いてあるだろ!なんてことも。
手持ちのパーツで試せることは、まだある。
旧共振器だが、共振長を切り詰めてグリーンではないYAGレーザー発振させられないか試す。もしこれで、大パワー励起時でも1064nmが強力に発振してくれれば、「YAGレーザー銃」用の先端パーツとして使える。
LBOを共振器内部に置いた場合に比べるとSHGの効率は落ちるかもしれないが、後からのグリーン化も狙える。
ミラーマウント取り付け用にナットをエポキシで接着。
ジグザグスラブ実験用に用意したミラーマウントを取り急ぎ流用。
ジグザグスラブは実装に苦労しそうである。据え置きレーザー装置としてなら別に構わないが、レーザー銃としての体裁を整える苦労を考えると可能なら避けたい。旧共振器を流用した単純な構造物でYAGレーザーが飛び出せば、それに越したことはない。
しかしこの共振器も当初の形から加工に加工を重ねて随分変わったなぁ・・・手間を掛けたパーツにはそれだけ愛着が湧く。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2006年2月26日(日) 20:36
新しい共振器の設計をする前に、共振条件を探るために試作品を造ってあれこれ試したい。
ジグザグスラブ型は2つのミラーと結晶が一直線に並ばないために、コリメートレンズと干渉しないよう設置するのが難しい。もちろん、共振長を思い切り取って良いなら簡単だが、それでは不安定だし何より「銃」としての見た目に問題を生じる。
部品配置の自由度を高めるには部品は小さい方が良い。そこで、ミラーマウントを造り直す。
写真左は出力側ではないミラー用で、レーザーが外に出ないためレンズ位置に穴が無い。右はOC用。ギリギリまで小さくした。
全反射ミラーはパルスYAG用の小さなものを使用する予定。OCは割れた奴を取りあえず最初はそのまま流用してやってみる。
大雑把にアルミ材から切り出したばかりで、バリ取りも済んでいない。サイズは左ので2センチ角。これ以上小さくするのはネジによる調整機構などを作り込み難くなる。
切り出しが綺麗に行かずミラーマウントが台形になったりしているが、必要な機能に問題は無いはず。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2006年2月24日(金) 21:47
ジグザグスラブは調整が難しいので使用に踏み切るには決断がいる。
本当に共振構成出来るだろうか?

赤のレーザーポインターを使って共振のシミュレーションやってみる。こいつはごく穏当な<5mWの品で、実出力は2〜3ミリワットである。
スラブの長軸と平行に入射させると、ほとんどそのまま貫通してしまった。端面に斜め入射しているから屈折するはずだが、恐らくこの状態ではブリュースター角に近いのだろう。
理屈上はどうあれ、ジグザグに光が走ってくれないのは確か。

僅かに入射角を変えると、スラブ内部をピンボール暴走みたいに光が跳ね回った。これでは共振器を構成出来そうにない。

この角度だと光がスラブ内部を4回反射して反対側から出ている。
かなりいい線だが、無駄な反射があちこちに見られる。
入射光が少しでも左右に平行移動すればスラブの角に光がぶつかりそうだ。
これでは共振しても安定性に欠けるかもしれない。

↑から僅かに角度を変えたところ。射出時に光がスラブの角にヒットし、あさっての方向に暴発している。
ジグザグスラブのミラー位置や角度は恐ろしく調整がシビアだと想像される。
ここでやってるようなシミュレーションを試したのは初めてではない。やる度に余りの調整の微妙さにやる気が失せてしまっていたのだ。共振器を完成させる自信がない。

スラブ内部を6回反射するこの入射角がベストっぽい。もしかすると4回反射の方がいい可能性もある。実際にやってみなくては分からない。
やってみるには、ある程度ミラー位置などを自由に変えられる実験用共振器を考えねばなるまい。
コリメートレンズと干渉せずこのような光路を持った共振器をどう造れば良いのか、結構悩ましい。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(3)] [TB(0)]
2006年2月23日(木) 00:01
共振器の固定を緩めて、15W励起で位置を変えてみた。しかし、15Wにすると共振が極端に弱くなる現象に変わりはない。
1W以下の励起では、1064nmの撮影でYAGレーザーが放出されているのが良く分かる。3ミリ位のスポット状の光りが伸びている。肌の弱い部分にほのかに熱を感じる。
この状態でLBOを差し込んでもグリーンは出ないが、角度を調整すると弱いグリーンが放出された。どうやら15W励起でなくてもグリーンレーザーは発振させられるようだ。その状態で15W励起にすると一瞬ピカっと光って弱くなってしまう。症状は変わらない。
ふと思い付いた。スプレー式のブロワーを逆さにして生ガスを噴出させると、冷却効果がある。少々荒っぽいが、15W励起にしてあちこち冷やしてみた。結果は予想外だった。さすがにミラーにはガス噴射していないが。
Nd:YVO4結晶周囲のヒートシンク、共振器、コリメートレンズ、それにLDアレイ本体・・・どこを冷やしても共振光の状態に全く変化が見られない。1W以下の励起ではどこを冷やしても安定して力強く共振しているし、15W励起ではどこを冷やしても駄目。その冷えた状態で1W励起に落とすと、強加熱時間に応じたタイムラグの後で共振が復活する。
自分としては結晶周囲を冷やせば15W励起で共振するのでは?と期待していたのだ。
だが、良く考えると結晶を冷やして結晶中心部の温度が下がっても、結晶内部の温度勾配は変わらないんじゃないか?だとすれば熱レンズ効果は殆ど解消されないのでは?
いよいよ共振ユニット新造に追い込まれつつある。
現状より共振長を伸ばすのは避けたい。となるとパーツを最大限流用するにはLBOを共振器内部に置くのを諦めねばならない。
ところが、今回はLBOを共振器内部で手持ちのまま向きを微調整しただけで1W励起でグリーン発振に成功した。だが、LBOを外に出してYAGレーザーに晒してもグリーンは出なかった。共振器内部の方がYAGレーザーの強度が上だし、ビームも絞られているはず。SHGには遙かに条件が良い訳で、LBOを共振器の外に出したくない。
となれば今のパーツでは手詰まりだ。
ちなみに、LBOの向きを反対にしてもグリーン発振した。
今の共振器はこのまま取っておいて、ジグザグスラブを試してみるか。それはそれで難問が多そうだが・・・
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MySketch 2.7.4 written by 夕雨