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2006年11月30日(木) 18:05
C2655または同類のトランジスターが復活しそうであるが、問題は充分なドライブ能力があるかどうか?
ブースター段にFETを使う前提で、以前候補として選択した2SK1334と2SJ186を実際に用意。そのゲートに出力を接続した。まずはFETゲートの電位変化を測定する。
FETを接続しないで計測した昨日のパターンとほぼ全く同じである。Q1とQ2は2つ合わせてゲート容量が150pF程度。それをドライブするには充分過ぎる能力があるようだ。つまり、トランジスターOFF時に数十μ秒を要しているのはFETゲート容量が主因ではなく、トランジスターそのものに遅い理由があるのだろう。
となると、ゲート容量6pFしかない2SK1827のゲート電荷を抜くのに理論値の数百倍の時間を要した理由が分からない・・・
今度は、FETブースターの出力側を測定する。K1827ほどではないがJ186とK1334も小さなチップ型なので、扱い易いようにピンヘッドに取り付けてある。
綺麗なパターンが現れた。さすがFETである。出力がデジタル的であり、トランジスターで劣化した矩形パターンを綺麗に復活させましたの図。しかも、完全に0Vから5Vまで振れている。
データシートからでは5Vで完全動作するかどうか確信を持てず、実運用時はVccを6Vにせねばならないのでは?と思っていた。だが、5Vで問題無さそうだ。これは大きい。Vccが5Vで良いならIGBTゲートの定格はストライクど真ん中だし、C2655も大丈夫。
更に、IGBTのゲートを接続して同じ場所を測定した。波形は全くナマってません。150Aに耐えられる大容量のIGBTを4パラなので、ゲート容量は15000pFを越える。その容量を全く問題にせず強烈にドライブしている★
ブースター段はFETを使うのが正解だったし、選定したFETも完璧にビンゴだった。これまでが余りに誤算だらけだったのだから、最後くらいは恐ろしい位に計算通りでもバチ当たらないでしょ?
光ゲートドライバーの開発は難航したが、苦労を重ねた甲斐はあって素晴らしいものが出来そうである。
C2655よりもOFF時の反応速度が速いかもしれないトランジスターを何種類か集めて実測し、最終的なパーツを確定させれば組み立て出来る。
IGBTゲートの駆動波形はPICがLEDを光らせたオリジナル波形と比較すると50μ秒近く幅が広がってしまっている。しかし、IGBTに与えるパルスの幅は最小でも150μ秒以上はあるので、LEDに与えるパルスの幅を最初から狭くしておけば良い。また、コイルガンを構成する複数のコイルに与える電流は、相互の相対的なタイミングだけが問題である。だから、信号が遅延してもタイミングが毎回一定になるなら問題ではない。
見た目恐ろしくシンプルなこの回路は、大変な試行錯誤と苦労の末に出来上がったものである。もし完成回路図だけがホームページで公開されていれば、裏に隠されたものは誰も想像出来ないだろう。
用途によっては全く使い物にならないが、シンクロトロン型コイルガンには完全に使用可能だ。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2006年11月29日(水) 17:09
実使用時にベース電荷みたいな概念が存在するのでは、トランジスター使うメリット無いじゃん
(;_;)
フォトトランジスターの増幅にFETを使うことにする。無駄に耐電流やON抵抗が大きくその代償としてゲート電荷の大きなものは不可である。ギリギリまで耐電流が小さくON抵抗が大きい代わりに、ゲート電荷の小さなものでなくてはならない。選定したのは2SK1827である。ON抵抗何と20Ωもあるのだが、601Aの増幅に使うなら全く問題ではない。
ゲート電荷は6pFしかない。微小なチップ品なので、扱い易いようピンヘッドにハンダ付けする。
6pFであればR2に100KΩを使用しても1μ秒程度でゲート電荷を5Vから1Vまで放出可能だ。200KΩにして感度を倍増させても2μ秒。抵抗が1本余計に必要となるが、パーツが小さいので抵抗もついでにチップ型を使い基板を起こせば、レーザーポインターの制御基板みたいなコンパクトな品が作れるだろう。
ところが、最初にR1とQ3の接続部分・・・すなわち出力電圧を測定したらONになったまま戻らない。そこで、上図のようにQ3のゲート電位から測定してみた。すると、余りに予想外の波形が現れた。
601Aに光が当たらなくなり電流が途絶えると、Q3のゲート電荷はR2を通じてGNDに逃げる。R2として100KΩを入れた場合のQ3ゲート電位だが、異様に落ちるのが遅い。想定の数百倍の時間を要している?!
試しにR2に1KΩとすると、それなりにマトモな時間でゲート電荷が抜けた。だが、1KΩでは光検出感度が全くアップせず、増幅Q3を入れる意味が皆無である。
これはどういうことだ?
ゲート電荷6pFを抜くのに、どうしてこれほど異様に長時間を要するのだ?
いずれにしろ、FET増幅は失敗だ。
2SA1972
トランジスターによる601Aの増幅では最も性能の良かったA1972を再度引っ張り出してみた。
光が当たった場合に電位が下がる構成に組み直す。
出力電圧の変化を測定する。
何と、以前の測定の面影が全く無い悲惨なパターンが現れた。どいつもこいつも何やってんだ!
しかし実は、A1972が悲惨じゃないかという予感はあったのだ。このパターンを目にしてほぼ確信に変わった。確かにトランジスターの機種による個体差はあるが、それより遙かに決定的な条件がありそうだ。
601Aの増幅にトランジスターを使用し、光OFF時の反応が比較的良かった場合と論外に悪い場合。それを分ける条件がある。
601Aに入射していた光が途絶えた瞬間に、トランジスターのエミッターとベースの電位差が大きければコレクター電流は高速に停止する。電位差が小さければ、なかなか停止しない。
・・・のではないか?さっそく仮説の検証だ。
2SC2655
主犯またまた登場である。仮説が正しければ、601AのアノードをVccに直結することでC2655のゲート電位を高くしてやればOFF時の反応が高速化されるだろう。
601Aのアノード・カソード間電圧は0.25Vである。最大0.4V。C2655のベース電位はVccよりそれだけ低くなり、5V安定化電源では4.6〜4.75Vとなる。エミッターは接地してるので、両者の電位差も5V近くなる。
C2655のエミッター・ベース間電位差は5Vまでしか許されないため、ギリギリだ。更に大きな電位差が許される機種に交換せねば、Vccを6Vまで上げることは出来ない。
FETに比べるとトランジスターでは許容されるエミッター・ベース間電位差は小さいものが多く、大半が5Vまでである。電位差を大きくするのは良くないとのイメージがあったので、601AのアノードをVccに直結する回路は以前ボツにした。
だが、試してみるとビンゴだった。戦犯C2655が良い子A1972より遙かに良好なOFF反応を見せたのである。
601Aの増幅にトランジスターを使うのはアリかもしれない。
トランジスターの電流が瞬時に停止しないのはウザ過ぎるものの、回路設計次第である程度対処可能だ。C2655ではVccを5Vまでしか上げられなくなるので、他のNPNトランジスターも試してみよう。FETがそうであるように、トランジスターもスペック的には貧弱なものの方が反応良いかもしれない。
601Aの増幅には、ずっと耐電流の小さなトランジスターでも使える。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2006年11月28日(火) 18:09
FETにしろIGBTにしろ、ゲートドライブにおいては電荷の充填より引き抜きが問題とされることが多いようだ。
バイアス抵抗を使用して電流を電圧に変換する場合は特に大問題となることに、遅れ馳せながら気付いた。
これは1ヶ月前に載せた原理図である。601Aに光が当たらなくなって電流も流れまくなると、IGBTのゲート電荷はQ2により赤矢印のごとく急激に吸い出される。だが、重大な見落としをしていた。
赤電流のモトとなる緑矢印のベース電流に注目。ここに大きな電流が流れるほど赤い引き抜き電流も増大する。ところが、緑電流が流れればR1に電位差が発生し、R1の+側電位も高くなってしまう。
大電流で引き抜こうとすれば、R1の+側電位が高くなりIGBTゲート電位との差が小さくなり、流れる電流が減ってしまう。結果として、引き抜き速度が大幅に低下してしまうのだ。
ゲート電荷を充填する場合は、R1の+側電位が充分に上昇した後はQ1のベース電流が増えれば増えただけ存分に大電流がIGBTのゲートに供給される。しかし、引き抜く場合はQ2のベース電流が増えるとブレーキが掛かってしまう。この原理的問題を解決しないことには、ゲート電荷の引き抜き速度は向上しない。
しかし、パーツ点数にこだわると解決するのは難しい。フォトトランジスターは光が当たった場合に電流が流れるが、当たらない場合は流れない。その違いがあるため、ONに比べてOFFはどうしても受動的となり性能が落ちる。OFFで能動的な電荷の移動を行いたければ、どうしてもパーツを増やさざるを得ない。
定石としては、R1の−側をGNDよりも低電位に接続することで、R1を流れる電流により減ってしまう電位差を補う。当然パーツは増える。
電流ではなく電圧でスイッチングするFETをブースターとして使用することで、立ち上がり立ち下がりを鋭く出来ると期待される。この場合、ブースターFETのゲート電位を下げるとハイサイドがONとなりIGBTゲートはプルアップ。FETゲート電位を上げるとローサイドがONとなりIGBTゲートはプルダウンとなる。
つまり、+−が逆となる。
だから、R1の+側をVccよりも高電位に接続するような回路となる。
2電源化は回路の大型化を招くため、D1を挿入してブースターFET側の電位を下げるのが普通だろう。性能的にはもっと大幅な電位差を発生させたいが、そこは回路規模とのバランスとなる。
ダイオードが増えるがFET方式ではIGBTゲートに接続する抵抗を省略出来そうなので、結果として全体のパーツは増やさずに済む。
D1は回復時間など特に高速品で無くて良い。通常なら敬遠される大きな電位差を発生させてしまう品こそ好ましい。
Q1やQ2もON抵抗が大きなものをわざわざ探した訳で、高性能を実現すべく低性能品を探すってのが面白い。動作確認は1N4007でいいだろう。
基本チェック
FETドライブでは従来とバイアス抵抗R1の位置が変わるため、異なるパーツ構成で波形チェックをやり直さねばならない。さっさと先に進むとロクなことにならないのが身に染みたので、石橋を叩きながら一歩ずる前進しよう。
完成したPICブレッドボードの表側。
赤色LEDを電流制限抵抗1本でPIC直接駆動。それをTPS601Aで受ける。受光系は6V前後で動作させたいが取りあえずPIC電源の安定化5Vをそのまま使っている。
最初は601Aにトランジスターを入れず、R1で直接プルアップする。
そして、アノードの電位をオシロで測定する。光が当たらず601Aに電流が流れない場合は5Vである。
光が当たって電流が流れると、R1にも電流が流れ両端に電位差が生じる。そして601Aのアノード電位が下がる。
写真の黒いプローブがGND、白いプローブは外部トリガーである。
PICはまず外部トリガー信号を発生させ、10μ秒待ってから幅100μ秒のLED点灯パルスを発生させるようにした。
これは、PICのLED点灯パルス。
10μ秒経過してから100μ秒幅である。基本波形だ。
そしてこれが、R1で直接プルアップされた601Aのアノード電位。完全な上下逆になっていれば理想だが、そううまく行かない。どの程度理想から崩れているか良く分かる。この程度なら実用的には問題無い。しかし、短い距離で直射しているからこその波形でもある。光ファイバーを通すと、増幅無しでは使い物にならない。その増幅が現在問題となっている。
増幅してみる
今度はC2655を使って増幅し、同じ場所を測定する。
完成したと思った光ゲートドライバーを崩壊させた主犯たるC2655の登場だ。エミッターが設地しているが、それでもいい加減な波形を発生させるのだろうか?
それとも、発光側にLEDではなくレーザーモジュールを使った時の増幅仕事をしっかり果たしてくれた時のように、まっとうな矩形パターンを描き出してくれるのだろうか?
とんでもない波形が描き出された!
まさに犯行シーンの再現である。601A通電時の電位低下はしっかりしているのに、光が消滅した後も延々と電位が戻らない。言うまでもなく全く使い物にならない。なぜだ!?
C2655以外でも症状は改善しない。どうやらC2655だけでなくトランジスター一般の問題っぽい。
犯行の動機を推理してみよう。
以前は、エミッターが変動するのがマズいのでは?と思った。だが、今回は設地している。同じようにエミッターが設地しているにも関わらず、レーザーモジュールを駆動するためにPICに接続した時は綺麗な矩形パターンを描いていた。それが今回601Aに接続した時は、OFFが遅い。ONは遅くない。
まさかと思うが、トランジスターにもFETやIGBT同様に、ゲート電荷ならぬベース電荷みたいな概念があるのか?そのベース電荷を抜かないとOFFしないのか?そんな馬鹿なことある訳が・・・トランジスターがそれじゃ役立たずだよ。
パターン発生に使う555や、インバーター制御のMC34063、あるいはPIC16F84・・・それらロジックICには吸い込み能力がある。1を出力すれば電荷の供給能力があるのは誰でもイメージ可能だろう。
一方、0を出力すると出力ピンがある程度の抵抗値を介してGNDに接続されたような動作をする。つまり、電荷の消費能力がある。ゲートに接続して0を出力すれば、ゲート電荷を吸い出せるのである。
これに対し、フォトトランジスターには電荷の消費能力が無い。
光が当たったいわば1のときは同じである。電流が流れるので電荷の供給能力がある。しかし、光が当たらない場合は単に電流が流れないだけであり、電荷を消費することは出来ない。ゲート容量とかベース容量という概念が仮に存在すれば、ロジックICではOFF時に問題無くてもフォトトランジスターでは電荷が抜けずOFFが著しく遅くなるわけだ。
仮説の検証
R2を追加した。この手の作業はブレッドボードの威力が発揮される。
もしもトランジスターにベース電荷なるものが存在すれば、R2によって電荷を抜くことが可能となりOFFが高速化されるはずである。
一方、コレクター電流はベース電流に比例するという基本動作だけが事実なら、R2の有無はOFF速度に殆ど影響を与えないはずである。
ベース電流を供給する601Aは最初に波形をチェックした通り、かなり高速で電流がOFFされる。
自分的には衝撃だった。R2の抵抗値を小さくするほどQ3のOFFが高速化されたのである!
このパターンはR2に1KΩを使用した場合のものである。100KΩだと比較により高速化されたと分かる程度の差しかない。実用上はっきり使い物になるOFF速度は1KΩ位食わせないと実現しない。
トランジスターには、無視出来ない大きさのベース電荷が存在した。ふ・ざ・け・る・な!
ベース電流が無くなればコレクター電流も即座に(数μ秒なら許す)止まりやがれ!
FETやIGBTで頭を悩ませるゲート電荷の問題が無いことがトランジスターの取り柄だと思っていたのに・・・トランジスターよ、お前もか!
R2を大きくすると601Aによるプルダウンが阻害される。早い話が、感度が低下する。せっかく感度アップのためにQ3を追加したのに、スポイルされてしまう。R2に1KΩではQ3の付加が無意味になりそうなほど感度低下する。
感度を上げればOFFが使い物にならない遅さ。OFFを速くすれば感度が使い物にならない悪さ。さあどうする?
繰り返すが、この問題はロジックICでは顕在化しない。フォトトランジスターだからこそ大問題となっている。
光ゲートドライバーの開発は、当初考えたほど甘いものではなかった。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2006年11月27日(月) 17:16
やはりPIC用ブレッドボードを製作することにした。
弾速測定器はそのために製作を始めたため、PICの抜き差しが困難である他の問題を抱えている。そもそも弾速測定器として稼働を始めたら、いちいち試験用基板として使うのは煩雑となる。
PIC基板を仕立てる回数はこれまでかなり多く、製作が面倒だから仕立てなかった潜在的需要も考えると非常にニーズが高い。
また、試験時に2カ所でPICを使いたくなることもあり、汎用試験基板が1つ作ってあると作業がはかどる。
ゼロプレッシャーソケットのクロック端子に最短で引き込めるよう、水晶発振器を直接接続する。これで何とかPIC本体まで2センチ以内の引き回しになる。
リセット端子にはプルアップ抵抗を接続。
ブレッドボードパーツの裏側にソケットをハンダ付け。
周辺回路への給電も考えて、DC−DCコンバーターはコーセルの0.6A品を使用。
電源周りもすべてハンダ付けし、PICの動作を安定させると同時に比較的電流食いの周辺パーツを安心して使えるようにする。
メインスイッチは弾速測定器同様にDC−DC側面へエポキシ接着。
これにより、ゼロプレッシャー、水晶発振器、安定化電源と三拍子揃った実験装置となる★
コーセルは入力電圧4.5〜9Vと広いため、ニッケル水素電池からオキシライドまでほとんどあらゆる単三電池4本が使用可能。
ソケットの下に隠れているが、電源ピンには10μFのチップ積層セラコンがハンダ付けしてある。ただ、周波数特性を見ると20MHzでは0.1μFの方がインピーダンス低そうである。ブレッドボードの表面側に差し込めば充分だろう。
秋月レーザーモジュールを2基、並列にしてある。レーザーの反応速度は問題とならないため、安定性を重視してダイレクトドライブせずオリジナルのドライバー基板をそのまま使っている。
バッテリー入力を三端子レギュレーターで3V安定化して供給。
80ミリアンペア程度なのでレギュレーターの発熱は0.2〜0.3ワット。小さなアルミ片を接着する程度で充分に処理可能だろう。
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2006年11月26日(日) 13:14
水晶発振器を装備した高精度パルス発生可能なPICとして、製作途中の弾速測定器を使って実験してみた。
幅100μ秒のパルスを発生させ、1万分の1秒間だけLEDを光らせる。それをTPS601Aで受光し、A1972で増幅。1KΩバイアス抵抗の電圧をオシロで調べる。
根本的な問題として、LEDは1万分の1秒単発パルス発光など出来るのか?
肉眼では弱々しく一瞬輝くのが確認出来るが、余りに発光時間が短いために暗いのか、それとも1万分の1秒ではフル発光に達する遙か前に電流が切れるので実際に暗いのか・・・測定せねば、それが分からない。
計画中のコイルガンでは、通電時間が100μ秒以下になることはまず考えられない。実際は200μ秒から1ミリ秒程度の間はコイルに通電させる。つまり、100μ秒のパルスを処理出来る性能があれば問題は生じない。
↑などという文章が書けるのも、具体的な数値を使って設計・シミュレーションを済ませてあればこそである。
まずは、素のパルスである。立ち上がりはそれこそ一瞬で9割方の電位に達し、立ち下がりもシャープ。
これが、LEDとフォトトランジスターと増幅トランジスターを経由すると、どうなるか?
計測を16回行い、すべての結果を合成した。波形そのものもさることながら、一番知りたいのはタイミングの安定性である。少々波形が壊れていても、毎回同じタイミングで信号が上下していれば何とかなるのがシンクロトロン型コイルガンだ。
結論から言って、最低でも数μ秒程度の安定性を持っていて欲しい、という設計上最大の要請は満たされているようだ。しかし、立ち下がり自体には数十μ秒を要する。どんなに高性能なブースター段を取り付けても、ブースターとしてトランジスターを使用する限りはこれ以上の速さでIGBTのゲート電位を下げることは出来ない。
IGBTのOFFがトロくなると、コイル電流のブレーキングもトロくなる。コイルガンにおいては、コイル電流をいかに高速に止めるかが最重要である。
どうやら、ゲートドライブにFETを検討せねばならないようだ。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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