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2008年2月29日(金) 17:19
僅かに座標の異なる信号を出力したとき、D/Aが本当に微妙な電位の差を出力し分けているかどうか?それは気になるポイントだ。DAC-AH
はオーディオ用であり、TDA1543 も音楽用途。となれば、電位がキチンと出ていないとは考えられない。しかし、確認だけはしておこう。
座標 (0,0) を延々と10秒間出力し続けるWAVファイルを生成。続いて、座標
(32,32) を10秒、(64,64) (96,96) (128,128) の都合5本のWAVファイルを生成。これを再生してみた。ところが、テスターで出力電位を測定するまでもなかったのである。
WAVファイルを切り替えるごとに、レーザーの到達点が綺麗に移動したのだ。それも明らかに一定の間隔をもって。
正方形を描かせると一辺32や64は全くレーザービームが動かず、一点に照射されたままとなる。それが、32ごとに同じ距離をあけて到達点が移動している。D/A出力とガルボドライバーの両方が正常に動作しているようだ。まてよ?今回のWAVファイルではX座標とY座標が同じだ。もしかしてD/Aステレオ出力にクロストークがあるのでは?X=Yならリニアリティーが確保されるがX≠Yだったら?
一瞬そう考えて焦ったが、すぐに勘違いに気付く。論理座標はX=Yであっても、WAVファイルに記録される値は左右全く異なる。具体的には、
右音声 = 24576 - X * 16
左音声 = Y * 16 - 8192
という変換で音声レベルを決めている。16の倍数なので下位4ビットは0だ。レーザーONの時は1小さな値を書き込むことにより、下位4ビットが1になるようにしている。だから、クロストークが原因とは考え難い。
それでも一応確認だ。今度は座標 (0,0) (32,0) (64,0) (96,0) (128,0) でWAVファイルを5本生成し、試験。さっきは斜めに一定のステップでビームが移動したが、今度は水平に一定のステップで移動した。正方形では全く分解出来ていない論理座標32が完璧に分解出来ている。
D/A出力の追随性が悪いのではないか?
出力電圧が変化しても、0.1秒ぐらい遅延しているのでは?
それではオーディオ機器として使えない気がするが・・・正方形を描く際に頂点の移動速度を毎秒50回程度まで落としても駄目だった。しかし今日の試験ではWAVファイルの切り替えは手動であり、速くても毎秒5回程度のスローなものだ。正方形の描画速度を頂点移動毎秒10回以下まで落としてみてはどうか?
正方形を超スローで描画するWAVファイルを生成し、投影してみる。
一辺32の正方形は描かれない。いや、余りに描画が遅くて残像が発生しないため、どっちみち図形には見えない。しかしビームは明白に同じ場所に留まり続けている。5本のWAVファイルを次々に再生した場合には論理座標32の違いははっきり分かった。それが、見た目分からないほどしか動いていない。いや、停止している。
おかしい。違和感を感じる。そうか!
試験用WAVファイルは10秒間であり、それをループ再生している。ループして先頭に戻ると、2回ほどはビームが頂点移動しその後はピタリと動かなくなっている。錯覚ではない。最初だけビームが移動している。
先のWAVファイル5本は別ファイルであり、再生されない瞬間が挟まる。1本だけをループ再生した場合も、毎回再生されない瞬間が生じる。R-09
は連続再生でもループ再生でも再生が途切れる。バッファリングしていない。WAVが一度途切れると、その直後だけは正確な位置にビームが飛んでいるのではないか?
written by higashino [ガルバノメーター] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年2月28日(木) 17:18
正方形を描かせた場合、一辺128すなわち角度が約1度の投影であれば綺麗に描かれる。しかし、64にするとガルボミラーがまるで動かなくなる。
そこで、長さ32の線分を4つ並べて一辺128の正方形を定義し、投影してみた。
角度が小さいため、壁の鏡で反射させほぼ部屋を一往復させ投影距離を稼いでいる。ありふれた家庭用鏡は質が悪く、反射したビームが劣化する。赤のビームは酷いことになっているが、緑のビームは相当に良質をキープ。DPSSの当たり品ならではのビーム品質を示している。
結果を見ると、最初の32の移動はほぼ点状のまま。続く32の移動はかなりマトモ。最後の32の移動もまたほぼ点状になってしまっている。まるでガルボミラーに大きな機械的アソビが存在するかのような挙動である。
DAC-AH 上の TDA1543 にパソコンを強化。8つそれぞれに 6.3V 100μFの巨大積層セラミックコンデンサーを取り付けてみる。最近急激に普及している巨大容量の積層セラコンは実効容量が極端に減るなど相当に劣悪な質だが、パスコンとしては全く問題がない。
と言うかそもそも電解の代わりに使うためのものであり、電解の質が劣悪過ぎるだけに相対的にはすぐれている。
これでレーザー投影してみるが、症状は全く改善されない。
ガルボドライバーの英文マニュアルをもう一度慎重に読み直してみる。必ずGNDを取れ、さもないと投影が歪むと書いてある。
しかし、オリジナルでは家庭用交流が電源であり、そのGND端子を放置するな!ってことのようだ。だが、このドライバーはバッテリー駆動に改造してあるため、家庭用のPE端子なんて無い。そこで、本来PEであった場所とラジコンバッテリーのGNDを接続してみる。
ただしこのGNDはFETスイッチのドレインである。FETがONになれば本当のGNDに落ちているとみなせるが。
これでレーザー投影してみるが、やはり症状はまるで変わらない。
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2008年2月27日(水) 17:22
基本的機能であり解決方法もはっきりしている主電源スイッチを先に仕上げる。
FETはグリーンブーストスイッチで既に実績あるK2936を4パラで使うことにした。
いつも通り、ゲートとソースの間にブルダウン抵抗をハンダ付け。10KΩを使う。
黄色はゲートに接続しており、これを7.2Vに接続するとFETが通電する。
ソースはラジコンバッテリーのGNDに接続。ソース電位が曖昧になることはない。
電源スイッチのコンバーター接続はすべて切断。FDKコンバーターはリモート端子をNCにするだけで普通に動く。
これで電源のON/OFFが普通に出来るだけでなく、接続したまま数時間放置してもバッテリー電圧は変わらなかった。FETスイッチなら待機電流はマイクロアンペア単位のはずだ。
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2008年2月26日(火) 17:56
各振れ角においける追従限界を調べ、WAVファイルを合成する際に最適な速度で座標を変化させる。WAVファイルの合成はパソコン上で行うため、レ−ザースキャナー本体のハード製作とは無関係。つまり、後は天板を仕上げてしまえば完成。
そう思ったのだが、突然問題が連続で浮上し延長戦が必至となった。
まず、振れ角ごとの追従タイム。
2048の最大では20サンプリングだった。WAVは48KHzなので、48サンプリングで1ミリ秒となる。ところが、1024でも512でも256でも、18サンプリングを要したのである。128まで縮めてさえ16サンプリングは必要。ガルボミラーのスペックでは振れ角が8度以下になれば250μ秒で追従可能となっている。つまり、12サンプリングでOKなはずなのだ。
だが、振れがかなり小さくなっても追従速度が向上しない。
そればかりではない。更に半減させて一辺64の正方形を描かせようとしたところ、どんなに速度を落としても図形が描かれなくなったのである。レーザーはほぼ一点に留まったままだ。
D/A変換が適切に行われているか、じっくり調べ直さねばなるまい。そして、現実としてある程度小さい図形が全く描けないとなれば、原因と解決策を発見せねばならない。
続いて、主電源スイッチだ。
スイッチを切ったままラジコンバッテリーを一晩接続しておいたら、完全に空になってしまった。7.2Vのバッテリー電圧が4.4Vまで低下の過放電状態。どうやら、コンバーターのリモート端子で出力をOFFにしても、馬鹿にならない待機電流が流れるようだ。実は、その可能性を当然危惧していたので、試しにバッテリーを接続したまま放置したのだ。
これは、面倒がらずにFETスイッチング方式に変更すべきだろう。
いずれにしろ、作業のためには側面板を一度取り外さねばならない。
そこでついでに、左側面の空冷ファンにガードを取り付ける。やはり操作していてここに指を突っ込むケースはかなり多いのだ。ガード無しだと想像以上に使い勝手が悪い。
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2008年2月25日(月) 17:27
バッテリーを青天井から放り込むとか、レーザー上部の空冷ファンが無いとか、天板が出来ていないことによる問題は残っている。しかし今は冬であり、実験には差し支え無い。そこで、懸案だったガルボミラーの追従性能チェックに取りかかる。
ダイクロイックの特に本来は青が鎮座する方向に漏れレーザーが多い。もし側面板が無ければ漏れレーザーは野放しに放射されるため非常に危険である。実験時ならまだしも、実用とする際には筐体が不可欠だ。
性能試験には、単純な正方形を使用。4頂点の座標をループさせる。ガルボミラーが追い付かなければ正方形として描かれない。一方で十分に速く追い付いていれば、頂点でレーザーが留まるため頂点が明るく輝く。
これは、頂点の切り替えサンプリング数を1から5まで変化させたところ。WAVは48KHzなので、左上から右に向かって・・・48K
24K 16K 12K の速度となる。下は 9.6K だ。いずれも全く追従出来ていない。正方形は内部処理単位で一辺が2048という最大振れ角のものだ。つまり、最も描画に時間が掛かる。
更に、切り替えサンプリング数を5、6、7そして下段の8へと変化させる。
5が共通しているのは、描かれる図形のスケールが違うので比較を可能とするためだ。
壁に投影しているが、段差があったり丸い鏡が設置してあったりするためにレーザーの輝きは一定ではない。
しかしいずれにしろ、サンプル8ごとの 6K まで落としても論外だと分かる。
左がサンプル9ごと。右の11ごとまで落としてようやく四角が描かれるようになった。
ガルボミラーが所定の頂点に移動する前に次の座標が送られているため、角が丸くなっている。辺ごとにレーザーの色を変えているため、分かり易い。
20サンプリングごとの切り替えで、ようやくほぼ完全な正方形が描けている。切り替えは毎秒2400回となり、正方形を描くのに600分の1秒を要していることになる。
スペック上は光学振れ角が40度の場合で1ミリ秒、8度以下なら250μ秒未満となっている。最大振れ角は20度程度に調整してある(ただし測定せず目視)。これに400μ秒程度を要していることになるが、ほぼスペックに見合っていると言えそうだ。
続いて、描く正方形を小さくして行き、追従限界を調べる。
written by higashino [ガルバノメーター] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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