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2008年6月30日(月) 17:33
全く同一の装置を使い、1日違いの稼働。それなのに一方は共振し他方は共振しない。気温や湿度の影響があるかもしれない。共振は繊細な現象である。
だが、もっとありそうな可能性として、共振していても分からないというのがある。
共振しても理論上は脇からそれを知ることは出来ない。しかし、それまでは拡散していた蛍光が共振した瞬間に定常波に閉じこめられるため、OCに衝突するエネルギー密度が一気に上がる。傷のある光ファイバーの傷が輝くように、ガラス製品であるOCも一部が輝く。傷など無くても、エッジ部分が輝く。それを脇から観察することで、共振していると分かる。
ピンホールの手前を覆う洋白板に、その輝きが反射してビデカメラに捉えられた訳だ。
だが、明るい状態で改めて見ると、洋白板はかなり鏡っぽい。つまり、入射した輝きは特定の角度に反射され、そこから少しでもズレると観察出来ないのでは?
角張ったデザインを持つステルス戦闘機と同じで、特定の角度から観察した場合しか見えない。かと言って拡散反射させれば強度が弱くなって観察出来ない。ピンホール周辺は拡散反射目的で白紙を貼ってある訳だが、共振時のビデオを見てもその部分は変化が確認出来ない。
そこで、新たな洋白板を切り出し、ピンホールの左側に設置。これは遮光用ではなく、鏡としてOCを下から観察するためのものだ。これで共振によるエッジの輝きを捉えられるのではないか?
しかし実際に試してみると、これまた共振しているかどうか判定出来ない。
新しい洋白板はOC反射光を捉えてはいる気配はある。だが、エッジの輝きではなくOCそのものの反射している蛍光が写っているように思える。いずれにしろ共振時の鋭い輝きではない。OCのエッジは基本的にミラーマウントに覆われているため、エッジの輝きは本当に偶然に恵まれないと捉えられないのかもしれない。
厄介ではあるが、数日前までとは全然違う。既に、現在の設計でも共振させることは可能だと分かっている。問題は共振するかどうかではなく、どうやって共振を検出するかである。
OCは全反射とは言え0.1%ぐらいは透過するはず。定常波さえ出来ていれば0.1%でも十分観察可能なはずで、OCの真上にカメラを設置して真下を観察すれば、共振の瞬間に一気に強烈な輝きを捉えられると思われる。
問題は励起LDの808nmが猛烈なノイズ要因となることで、1064nmだけを通すフィルターが必要だ。手持ちは1枚しかなく、それはOC調整用の観察に現在使っている。あれこれ実験していて、YAG基本波フィルターがどうしても2枚欲しくなることが多い。調達するか?
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年6月29日(日) 17:40
永久に共振しないんじゃないかと思っていたが、どうやら共振出来ている。これで未来が拓けそうだ。しかし安心するのはまだ早い。目の前のキャビティーは共振していない。
OCを調整している最中に共振したことは間違いない。だが、調整が終わった段階では共振していない。調整している最中に共振したと分からなければ、そこで調整を止められない。後からビデオを確認したのでは遅いのだ。
とは言え、昨日の動画を見る限り共振に許される誤差は想像より大きいようだ。OC反射光だけを頼りに調整しているだけで、何度も何度も共振している。
昨日と違って、見るべきモノが分かっている。だから何とかなると思ったのだが実機の液晶モニターは動画よりも遙かにノイジーなのだ。どうしても共振光を視認出来ない。洋白板で反射する部分の明るさの変化は、ノイズに埋もれてやっぱり分からない。
調整作業中に共振したことが分からないのであれば、共振させられない。
念のため動画を作ってみる。昨日と全く同じ手順で、8倍速の毎秒30フレーム化して再生。
何と、やっぱり共振していない。昨日の動画と比較すれば違いは明白だ。
これは、どういうことだ?
レーザー装置は全く手を付けていない。共振が確認された時のままであり、それに再度電源を入れてOCを調整し直しただけだ。パーツの位置関係は全く同一。
それなのに、今日は共振しない。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年6月28日(土) 19:15
これは昨日の中出力励起。
ビデオ映像をチェックしていて、何だか違和感を覚えた。
これも同じく中出力励起だが、OCの角度を変えたことに伴って反射光が少し動いている。
それはいいのだが、↑と比較するとピンホールの手前が僅かに明るくなっているように感じられる。
ビデオの液晶モニター画面を見ながらOCを動かしている時は、明るさの変化に気づかなかった。だが、画像として切り出して2枚を比較すると、明るさが変化しているようだ。
変化している部分は、遮光用の洋白板をかぶせてある部分。表面はピカピカであり反射率は高そうだ。もしかして共振光ではないか?
共振するとOCの角などから僅かに蛍光が漏洩する。それを捉えられるかどうかは分からないが、洋白板で反射してビデオに入っているのかもしれない。
スーパーナイトショットは露光時間が長いためモニターが紙芝居となり、リアルタイムでは変化を認識し難いのだ。通常のビデオは毎秒60フィールドだが、スーパーナイトショットでは毎秒3.75フレームになる。
8倍速の毎秒30フレームである。今度ははっきり分かった。間違いなく、共振してます!
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年6月27日(金) 17:28
低出力励起だと、ピンホールの輝きが僅かに見えているだけで、かなり遮光がマトモなことが分かる。
観察用のビデオカメラはスーパーナイトショットモード。スローシャッターによりS/N比を向上させるが、手持ちでは操作性が大きく落ちる。しかし、三脚を適切に設置するのが困難なので取りあえず手持ちにしてみる。
中出力励起にすると、遮蔽の隙間から漏洩する輝きが明確に見える。
ピンホール周辺も、かなり明るい。
手持ちでも、何とか状況を確認できる。
OCのマウントを六角レンチで傾斜させると、ピンホール周辺の輝きが移動した!
移動方向はOCの角度に対応している。間違いない、遂にOC反射光の直接観測に成功!
ここまでS/N比が向上していると、手持ちでもスーパーナイトショットが使い物になることも分かった。だが、肝心の共振は確認出来ない。光点をピンホールと重ねるようにしてOCを微調整してみるが、共振している気配が無い。
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2008年6月26日(木) 17:29
どうせ厳密に工作しようとしても無理があるし時間ばかり掛かる。ならば思い切り拙速に進めてやろうじゃないか!
洋白板を見た目の感覚だけに頼ってフリーハンドで切り出し、適当に折り曲げてセロテープで貼り付ける。まずは下部ピンホールを押さえ付けるような感じで遮光。
続いて、凸レンズマウントのピンホールを押さえ付けるように遮光。
何枚もの薄板を積み重ねても、板の反射率がかなり高いため板と板の隙間を反射し蛍光が漏れると思われる。それでも無いよりマシなはず。
十分な効果があるかどうかは、かなり疑問だ。しかし、やらないよりは効果がある。だったらとにかくやってみて、試してみてから先のことを考えようじゃないか。
凸レンズマウントのピンホール奥側に小さめの板で遮光。
励起用LDの側面には、大きな板を切り出して折り曲げ、貼り付ける。
さて、これでどの程度までS/N比が上がる?
written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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