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2010年02月の記事

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2010年2月28日(日) 19:37

難題に見えない難題

 予想外の難問となったのが、ヒートシンクの調達。

 8センチ×16センチに空冷ファン2基が希望だが、適切サイズのヒートシンクが売っていないのだ。鈴商や千石は定番だが、サイズが全然合わない。
 パソコン系のショップでは、最近の小面積のコアに巨大なヒートシンクというタイプでこれも流用出来ない。

 大型ヒートシンクを切断して使おうと思ったが、十分な大きさのものがない。あったらあったで、分厚過ぎて重くなり過ぎる。
 そこで、小型ヒートシンクを接着するという逆方向で攻める。

 古めAMD用のやつを2つ買って来た。いかにも安っぽいファンだが、これで1580円×2はまあ妥当。大きさ妥当。重さも許容範囲。

 ファンは当分の間外しておく。LDドライバーとして完成した最終段階で取り付けることになるだろう。

 3ミリの銅丸棒2本で強化の上、オートウェルドで接着する。

 実は、DC-DCコンバーターの取り付け穴を開けるのが大変だった。これ位置合わせが容易じゃない。1個あたり4カ所の穴で、2カ所は現物合わせ出来るが残る2カ所は巨大なチョークコイルがドリルに干渉して合わせられない。
 現物合わせ可能な2カ所も、DC-DCコンバーターの3ミリ穴にはネジが切ってある。そこで、ネジ山を潰さないようまず2ミリのドリルで穴開け。それを3ミリドリルで拡張。最後は誤差を吸収するため4カ所とも4ミリドリルで広げて・・・

 面倒臭過ぎる。モノ作りでは、この手の土方作業とも縁を切れない。

 オートウェルドの強力な接着力は、今回も有効。

 仕上がりを手に取ると、苦労が報われた気分になる。
 ここからの基板取り付けもまた大変だが、実際に取り付けながらでないとパーツ相互間の配線を煮詰められない。例によって配線を極限まで短くするので
(^_^;)
 だからこそ、現時点でヒートシンクを用意したかった。

 公称0.374℃/W となっている。穴開けでフィンが一部潰れるなどのロスでワットあたり0.4℃になったとしても、2個で0.2℃だ。DC-DCコンバーターは放熱面の温度100℃まで保証されている。つまり、100ワット程度の発熱には楽に耐えられるはず。そうなると後はDC-DCコンパーターの容量。
 こっちは合計600ワットであり、LDなら12直列まではギリギリでドライブ可能なスペックである。それを出力電圧落として、今回は9直列のLDをドライブする(光出力20ワット×9=180ワット)。

 将来的にトリム抵抗の交換だけで、若干のパワーアップにも対応可能な余力あり。

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2010年2月27日(土) 17:31

珍しく予定通り

 左下が1.024Vの基準電圧ICである。Vcc入力は足を外して、改めて上から引き込み直した。実測では試験に使った個体と同様に1.023Vを示した。
 落ち着いたら、エポキシで固める必要がある。

 赤い線はDC-DCコンバーターからの盗電用 (^_^;)
 全体で0.1Aと消費しないはずなので、誤差の範囲内。

 LEDは必須ではないが、無いとデバッグに不便。一方で、デバッグに便利と言っても液晶まで接続可能にするのは無駄な配線が増え過ぎる。
 PWM出力の1.5KΩは、1KΩを3本使って作成。基板面積的には相当に冗長だが、定数を変えたくなった場合に作業が容易。半固定抵抗は安定性信頼性が劣るので、どうしてもという場合にしか使いたくない。

 ピンヘッダーはオプションの信号出力。第2のDC-DCコンバーターのCNT端子を操作するために使う予定。

 パーツ点数は少なくても、基板の裏側はかなり窮屈。使うピンも少ないってのに。

 予定では、このPICが接続される第1のDC-DCコンバーターのCNT端子を、レーザー銃のトリガー連動の機械スイッチでON/OFFする。
 ONされるとPICに電源供給される。
 PICは初期設定を行ったあと、第2のDC-DCコンバーターのCNT端子を操作してONにする。
 最後に、電流制御処理に入る。

 トリガー → 第1電源 → PIC → 第2電源というシーケンスで立ち上がり、励起用LDを2つの電源直列出力でドライブする次第。
 当然ながらトリガー後に遅延が発生するが、1秒以下なら遅延した方が良い。要するに安全対策で、一瞬トリガーに触れただけで強力なレーザーが発射してしまうのは逆にマズい。

 立ち上がりシーケンスのどの部分でも、障害が発生すればLDに十分な電流が流れないフェイルセーフ設計となっている。 仮配線して、出力電圧をチェック。

PWM トリム 出力
0 0.242V 7.18V
96 0.641V 9.134V
128 0.759V 9.715V
160 0.871V 10.26V

 PWMの設定値を変更すると、1あたり出力電圧が17〜18ミリボルト変化した。
 制御対象LDは、電流0→25Aで順方向電圧が約1.8Vアップする。シャント抵抗の0.25Vが加わるので、約2Vの変動だ。つまり、1アンペアあたり約80ミリボルト。

 中古なのでLDの正確なスペックは不明だが、製品の素性ははっきりしているため相当な確率で推定可能。絶対定格は32アンペアの可能性が大。最悪だと28アンペアの可能性もある。
 更に、市販品のLDドライバーを見ると、出力変動5%は許容範囲のようだ。
 結論として、プラスマイナス1アンペア程度の変動は妥当。出力電圧の分解能は4分の1アンペア以下に相当するので、PICのプログラム次第で十分に許容範囲の制御が可能と思われる。

 すなわち今のところ問題はなく、予定通りにコトを進める。

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2010年2月26日(金) 20:55

とっとと進める

 500Ω40μFの部分を作るため、1KΩの抵抗に10V10μFを2個ずつハンダ付け。これを更に2並列することで、目的のユニットを得る。

 シャント抵抗は高精度で温度安定性も高い特別製。
 高精度を要求されるシステムは通常、温度安定化を行う。しかし、レーザー銃ではSHGユニット以外では消費電力の制約により温度を安定化出来ない。そうなると、温度による定数変化の小さいパーツに頼りたい。

 高精度品の証でもある、4端子タイプ。
 温度の影響さえ小さければ、定数の絶対値は少々不正確でも構わない。しかしシャント抵抗が高精度だと、高精度のデジタルパネルメーターとのコンビで電流の絶対値を正確に知ることが可能だ。
 25アンペアぎりぎりに調整する際に、役立つ。

 出来上がったユニットを、トリム端子とGNDの間にハンダ付け。

 この状態で出力電圧をチェック。7.182Vと想定内。
 PICが働いていない場合、2つのDC-DCコンバーターの直列出力は14.4V弱となる。これはドライブ対象LDの順方向電圧にほぼ等しいため、電流が殆ど流れない。

 トリム端子に電荷を与えてコンデンサーが充電されると、出力電圧も上がって行く。そして、LDに流れる電流も大きくなって行く。
 こっち側のDC-DCコンバーター出力を変動させるだけで、LD電流を上下させる手筈。もしも出力電圧の変動範囲がLDの順方向電圧とマッチしない場合は、もう一方のDC-DCコンバーター(出力電圧固定)のトリム端子抵抗を交換して電圧を調整する。

 シャント抵抗とほぼ同じ幅に切り取った基板の上に、PICの王国を作る。ソケット内にパスコンを押し込めるのは、いつもの手口だ。

 1.024Vの基準電圧ICは、コイルガンの光ゲートドライバーを組むときにやったように足を取り付けて扱い易くする。

 プログラムは結晶オーブン用を少し改変するだけでOKだろう。結晶オーブンの方は1週間以上ぶっ通しで正常動作し、LBOを110℃前後にキープしている。信頼性は高いが、簡単に出来る対策は何でもやるに越したことはない。
 だからWDTを使う。ところが、PIC16F88 で番犬使ってるサンプルがネット上にはまるで無い。PIC16F88
自体が多くの安全対策を内蔵しているため、わざわざ番犬まで飼う気になれないのだろう。

 PIC16F84 とはWDT周辺仕様も変わっているので、そのまま流用は出来ない。

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2010年2月25日(木) 20:54

電圧制御方針

 DC-DCコンバーターの出力を変化させるには、トリム端子の電位を0.2〜1Vあたりで変化させれば良いと分かった。

 やり方はいろいろ考えられるが、最もシンプルな方式を採ってみる。これで多分うまく行くが、駄目なら他の方式を考える。調整はPICのPWM出力で行えれば簡便だ。
 PICが動作していない場合は、単純に500Ωでプルダウンされた状態となり出力が最低の7.2Vに落ちる。PWM出力が行われると、それに応じてトリム端子の電位は上昇する(しなかったら失敗だ)。

 PICが動作不良の場合にフェイルセーフとして出力を最低にする。その要請からR2は500Ωに決まる。
 一方でどの程度までトリム電位を高めるかという見地からR1が決まる。0.8Vあたりまで上昇出来れば十分なのだが、上限電位近辺ではなかなか電位が上がらなくなる。0.7〜0.8Vとなるはずの常用領域での扱い易さを考えて1.5KΩを選択。

 一番の問題がC1の容量である。
 これが小さいと、PWMのON/OFFに伴うリップルが大きくなる。しかし大きいと反応が悪くなる。電流出力は出来れば0.3秒以内でせいぜい0.5秒で安定させたい。そうすると、反応がそこそこ速くてリップルもそう大きくないという妥協点を探ることになる。シミュレーションやりつつ40μFに決めた。

2つのDC-DCコンバーターは、横並びではなく向かい合わせが勝りそうだ。問題はシャント抵抗の実装位置。定格は1.5ワットで、ヒートシンクを取り付けた場合のみ10ワットまで可能。今回は6.25ワットの発熱なのでヒートシンク前提となる。

 シャント抵抗のためにヒートシンクの床面積を確保した上で、各配線も出来るだけ短くしたい。そう考えるとこの配置がベスト。

 更に、PICの位置もパズルに参加して来る。
 PIC基板に使える面積は非常に狭いものの、リップルを減らすためPWM周期は短くしたい。だから内部8MHzは諦め、外部クロック20MHzで動かしたい。しかしクロックの正確性は大して問題にならないので、水晶発振器ではなくセラロックでいいだろう。

 ヒートシンクは8センチ×16センチ程度で、8センチのファンを2基装備する方向。

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2010年2月24日(水) 21:00

素性判明

 ようやく所定のコンデンサーを取り付け終了したので、ヒューズはすっ飛ばして電源を接続。別に大電流を流すのではなく最初は出力電圧を確認するだけだ。

 実は30Aのヒューズが手元に無いってだけ(汗)

 いきなりどこかが煙を吐くこともなく、11.974Vが出力された。トリム端子の電圧は、1.221Vとなっている。トリム端子とV−およびV+との間は50KΩと125KΩになっているため、単純に内部で分圧抵抗が形成されているのではないと分かる。

 小さくてもこのDC-DCコンバーターは300ワットであり、こんな小型高性能の品は結構入手に苦労する。先日も60ワット品の納期が5月末だったし。
 日本国内で買えるという点では楽かもしれないが、通販頼りという時点で外国との差は大して無い。

 コンデンサーの足は曲げて、ちゃんと短絡回避してます。出力端子から50ミリ以内に取り付けるよう指定があるけど、そもそも2本の出力端子同士が何センチか離れてる。
 実装はギリギリ。

 トリム端子を定格一杯の500Ωでプルダウン。
 出力は7.192Vと想定通り40%ダウン。こっちはこのままの出力固定で使用する。
 このとき、トリム端子の電圧は0.2418Vへ激減。

 消費電力が極めて小さいはずなのに、コネクター接続で相当な火花が出る。どうやら、巨大コンデンサーのせいで無視できないほどの突入電流が生じているようだ。

 もう1個のDC-DCコンバーターを試験。
 CNT端子に機械スイッチを取り付け、電源ONによるコネクター火花を避ける。

 PICを取り付けてPICからもう一方のDC-DCコンバーターCNT端子を操作したい関係から、入出力のGNDを短絡させた。そのせいか分からないが、出力は12.001Vと極めて正確。トリム端子の電圧は、1.224Vだった。

 トリム端子を3KΩで仮にプルダウンすると、出力はデータシート通りに20%ダウン。9.575Vとなった。これでトリム端子の電圧は、0.7296Vだ。

 このDC-DCコンバーターは、トリム端子の電位を一定にキープするタイプではなく、トリム端子の電位変化に連動して出力電圧が変化するタイプのようだ。

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