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2010年5月31日(月) 20:59
足を横に折り曲げ、必要な長さに切る。
再びマスキングテープで仮固定し、バイスに挟む。これで足をハンダ付けして合体させる。
右に置いてあるのは見本ユニットで、足の向きが逆になっている。そのままマネしてはいけない。
トランジスターのマーキング面を上にし、IGBTのゲート4つと左足をハンダ付け。
ツェナを省いたことにより、抵抗の設置空間を楽に確保できるようになった。
トランジスターの最後に残った右足は、PICからの信号を受け取る。それを通す向きに、右足と左足にハンダ付け。
これが前回製造直後の写真(左側)。
ここまでの製造手順を頭に入れてから眺めると、構造がすぐに理解出来る。
ツェナがあると抵抗の設置が不自由。同じ働きをするツェナはIGBTに内蔵されているし、これまでIGBTが破壊されたのは電流・電圧・I2t
などに引っ掛かったものばかり。ゲートの電位オーバーは、ほぼ原因になっていないと判定されている。
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2010年5月30日(日) 21:51
最後に組み立てた当時であればサクサクと進められたのだが、今となっては細部を完全に忘れているため、当時の写真や残存物体を参考に復元せねばならない。
その調査にやたら時間を食われる。
耐圧400Vのダイオードだが、足を折り曲げて配線に流用する。
折り曲げ方にも最適なやり方があり、何度も組み立てた経験から少しずつ改良を加え、現在の方式に落ち着いている。カソード側は長目に残し、アノード側は短く。
IGBT側は中央の足を短くカット。ツェナは最終的に不用と判定し、最新バージョンでは取り付けない。
IGBTを2個1組にしてマスキングテープで仮止め。ここでダイオードも抱え込ませておく。放熱板の突出部には折り曲げ足の長い方を突っ込む。すなわちカソード側。
バイスに固定して作業性を確保し、同時にIGBTの放熱とする。これでハンダ付けを実行。
ツェナを省いたことで、ツェナの足を使えなくなった。それを補うためにダイオードの足をうまく使う。
背後に2つ並ぶユニットは、左がコイルガン戦車から取り外した現物。もちろん壊れている。エポキシに固められて細部が分からないが、これと全く同じように新品を組み立てる目標だ。右は組み立てサンプルとして保管してあったものだが、足の向きなど細部までマネるとマズい気がする。あくまで参考用。
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2010年5月29日(土) 22:52
パーツ構成を知るために過去記事を漁ったが、そういう観点からするとかなり利用し難いことに気付いた。実際に一度は製作したことがある本人でさえも、必要な情報を揃えられずに苦労した。そこで、資料として使い易い記事を残すことに。
2段目のIGBTユニットを製作するのに必要な全パーツを写真に収めてみた。
この中で、51Ωの抵抗がどうしても行方不明で、仕方なく買い出しに出掛けた。IGBTの4並列あたり51Ωというのが標準だが、この抵抗値はIGBTとの相性で決まる。最適な抵抗値は現実の放電においてオシロで確認せねば決められない。
つまり、IGBTが変われば、抵抗値も変わる。
回生型コイルガンを製作するには、オシロは絶対に必要となる。
もしコンデンサーからコイルからIGBTから自分と同じものを使るなら、51Ωと分かってるのでオシロ無しでも作れる。だが、現実には不可能だ。このIGBT自体が今でももう本人でさえ入手出来なくなっている。手にはいるのはもっと新しいタイプで、これがコイルライフルの製作を決断出来ない大きな理由ともなっている。
民生用IGBTを軍用に流用する場合、I2t がネックだと書いた。一般に I2t は物理的に大型なIGBTほど大きくなる。ところが、最近のIGBTは耐電流などのスペックは向上もしくはキープされているが、I2t
は逆に落ちている可能性がある。民生用途でI2t がボトルネックになることがないため、IGBTのデータシートにはI2t
の絶対定格がそもそも記述されていない!
一般的には、物理的に大きいIGBTほどI2t も大きくなる。ところが、最近のIGBTは小型化が進んでいる。それでも耐電流などは低下していないため、民生機器は小型化の恩恵を受けられる。だがそれでは、裏ではI2t
の減少が隠れている可能性が高い。新しいIGBTしか手に入らないというのは嫌な事態だし、試しに手に入れて試験しようにも、購入ロットが多い。
この手のパルス大電流対応IGBTは、秋葉原などにはまず出回らない。
まあそんな訳で、手持ち在庫はコイルガン戦車のメンテ用に在庫しておくと決断した次第。
コイルライフルを作る時間があったら、例のエアトレックに向けてインホイールモーターの自作を考えると思う。
パーツ種類 | 型番 | メーカー | 個数 | 用途 |
IGBT | GT8G121 | 東芝 | 4 | スイッチング |
ダイオード | DLM10E | サンヨー | 2 | 逆電位保護D4 |
トランジスター | 2SA854S-R | ローム | 1 | IGBTゲート電荷抜き |
ショットキーバリアダイオード | ERA82-004 | 富士電機 | 1 | IGBTゲート電荷充填D6 |
抵抗 | 51Ω | 1/6ワット | 1 | 電荷抜き速度調整R3 |
製作対象となるIGBTユニットは、回路図の赤で囲った部分に相当する。この回路図はハイサイドが存在する場合の全体像であり、第2段および第3段のようにローサイドしかない場合はもっと単純である。ローサイド部分もR1の5.1KΩは不用。
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2010年5月28日(金) 21:08
やはり30分硬化エポキシはすぐれた素材である。実用上は十分な強度がある一方で、どうしても剥がさねばならない場合は力ずくで剥離させることも出来る。
ただし剥離はパーツが壊れてどうしても必要という場合に限られる。想定外で仕方なく、だ。メンテナンスで定期的に外したいようなパーツには使えない。
忙しくて作業が進まないパターン。更に、何ヶ月も経っていて記憶が殆ど残っていないため余計な時間を要する。自作の装置なのに調査に時間を食われるのだ。途中に挿入すべき抵抗の値など、全く記憶から消えている。
IGBTユニットの最適組み立て手順も、当時の記事を探し出して確認せねばならない。ここまで高密度に詰め込む場合、さりげない端子1つどの向きに出すかで実装の容易さがまるで異なってしまう。
壊れてる側は取り外し作業で壊してしまっても構わないので、話が簡単だ。問題は健在な側で、取り外す際にどこか壊したら作り直さねばならない。
これは予想外に幸運で、どこも壊さず丸ごと剥離に成功。
これからパーツ交換だが、一段ずつ順番に復活させつつ動作確認し同時に最適タイミングの試行錯誤を済ませるといいかもしれない。
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2010年5月27日(木) 22:49
放電回路はエポキシで固めてあるため、破損パーツの回路は非常に厄介である。それでもユニット形式になっていてこの部分だけを単独で扱えるから、何とか作業可能。
たった4段でも順送り回生型回路は非常に複雑なので、全体写真を撮っておくのは重要。手術したはいいが元に戻らない可能性もある。
6カ所のIGBTユニットを確認。
1Hと1Lと4Hは無事で、2Lと3Lと4Lが破壊されている。
4Hと4Lは同一サイズで、4Hが縦置きなのに対し4Lは横置きなのでこの写真では小さく見える。
破壊取り外しを行ったユニット。右から2L、3L、4Lとなっている。それぞれIGBTが4個、6個、8個使用されている。交換用ユニットを製作するにはIGBTが18個必要となる。
コイルガンという「軍用」装置に民生用パーツを流用する場合、各種絶対定格のうち一番問題になるのが電流二乗時間積である。ここをクリアするため、一見すると過剰なまでの並列接続を要する。
この問題は、電流を任意のタイミングでOFFにすることが可能な回路でのみ発生する。コンデンサーを放電したら電荷が無くなるまで放電しっ放しという設計のコイルガンでは、考慮しなくていい。
実は破壊取り出しせねばならないのは、これだけではない。射撃PICからの信号を受け取る3列ピンヘッド×2も、取り付け直しとなる。PIC側のピンヘッドの位置が変わったためだ。
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