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2011年06月の記事

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2011年6月30日(木) 21:06

電流計

 レーザー実験で現在使っている電流計は、中古屋で拾ったものだ。超大容量半導体レーザーダイオードアレイを駆動する電流領域に、ジャストフィットしている。だが、見ての通り交流用である。クラスも2.5でしかない。
 新品中古を問わず、秋葉原でクラス2.5以外の電流計にお目に掛かったことはない。

 中古レーザー電源が壊れる前に設定電流値とこの電流計の指示を比較し、直流でも正確な値を示すことを確認してある。それでも出来れば直流用の電流計が欲しいし、精度も高いのが欲しい。大雑把に電流が想定通りかどうかの確認には使えるが、指示値をそのまま使って機器を調整するには不安の精度である。

 だが、お手軽な高精度電流計(最低でも30アンペアまで計測できるもの)がどこにも売っていない。デジタルパネルメーターで、3桁4桁の精度を持つ電圧計は簡単に手に入るが、3桁4桁の精度を持つ電流計がない。
 何だか電源も同じで、高精度定電圧電源に比べて高精度定電流電源は桁違いに難しい。

 有効数字2桁が精一杯のアナログメーターしか見つからない。

 シャント抵抗外付けタイプの高精度(アナログメーターとしては)電流計を買ってみた。だが、トリセツなどなく最初に思い切り騙されてしまった。この派手な巨大金メッキ端子を見れば、そこに配線したくなる。だが、実際にはシャント抵抗の小さなネジに配線すべきだったのだ。
 通電したとたん、シャント抵抗との間の細いパターンが焼き切れた。

 メーター筐体を覗くと、中身はスカスカで細い配線が入っているだけ。
 どうやらこのメーターは僅かな電位差で針を動かすだけであり、測定の主役はあくまでシャント抵抗らしい。これではクラス1.5が精一杯なのも当たり前だ。
 精度0.1%で数十アンペアを流せるシャント抵抗は、数万円する。電流測定をシャント電位差の計測に頼っていたのでは、測定器まるごとが数十万円にもなろう。

 写真のシャント抵抗は精度1.5%で2000円弱。浅草ギ研の電流検出基板は精度1%のシャント抵抗を採用し、基板まるごとの市販価格が4000円ぐらいだった。

 焼けたパターンを補修して電流計を動かすと、14A弱を示した。

 クラス2.5の交流電流計と、このクラス1.5の直流電流計が、お互い矛盾のない値を示している。どうやら電流値は正しく、シャント抵抗値の方が想定から大幅に外れているようだ。電流計の組み立て方も分かったので、近日中に本命の100Aを建造する。このメーターでは、ゴキブリレーザーの55Aを直接測定できない。

 電流が定格の半分では、LDは3分の1から4分の1の出力しか出ない。つまり、レーザー戦車の励起用18ワットLDは、全くもって正常だったのだ。だが、LDが正常でも光ファイバーの損失が大きいため、ファイバー加工に挑戦するまでレーザー戦車は想定性能を出せない。
 これに対しゴキブリレーザーは、電源を製作することで性能を発揮出来る。だから、このまま乗り掛かった船を先に進める。

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2011年6月29日(水) 21:36

論理的疑惑

 バッテリーコネクターはハンダ付け前提のパーツなので結局はハンダ付けするが、それにしても剥き出しの配線より遙かに作業は容易。

 本番用レーザー電源は市販のスイッチング電源箱同様に、穴開き端子を相手にする出力端子にした方が良さそうだ。

 レーザー戦車用のシャント抵抗も、バッテリーコネクターに合わせて変換。

 最後に切断した1系統も手早く復活させ、0.1Ωの4並列体制に。25Aぐらい流れても、ゴキブリレーザーは低出力で発振するだけだ。

 通電準備。レーザー戦車用の電源との間に、馴染みの電流計を挿入。
 ところが、通電すると13Aしか流れない。シャント電位差は0.623Vある。だが、レーザーダイオードの順方向電圧は1.65Vしかなく、発振光も僅かだ。現象面は、定格電流の4分の1しか流れていない方を支持している。
 この電流計は交流用だが、実績が十分にあって測定値は信用できる。

 シャント抵抗が0.1Ωの4並列で合成0.025Ωという前提でこれまで考えていた。だが、シャント抵抗の合成値が0.05Ω近辺で電流が思い込みの半分しか流れていなかったと考えた方が、過去の現象を簡単に説明出来る。
 レーザー戦車の励起LDが壊れていたのではなく、電流が半分だったのでは?
 レーザー戦車では電流計を挿入せず、(電圧)÷(抵抗値)で電流値を判断していた。

 0.1Ω未満の抵抗値を正確に測定出来るテスターがない。そもそも抵抗値は(電圧)÷(電流)で計算可能なのであり、今や電圧と電流は直接測定されている。だとすれば抵抗値は約0.05Ωと判断するのが当然だ。
 そう判断し辛いのは、シャント抵抗が誤差1%の高精度タイプであること。それを太い配線で4並列しているのだから、0.05Ωより0.025Ωに近いと思いたい。

 電位差はテスターとオシロの2系統で測定して来ており、0.6〜0.7Vなのは間違いない。だとすれば今必要なのは、高精度な電流計だ。高精度な抵抗値測定器でもいいが、0.025Ωあたりをそれなりの有効数字で計測できる機器は数十万円する。

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2011年6月28日(火) 21:12

圧着端子

 最後のステンレスを除去するのには、大変な苦労をした。300ワットのハンダゴテでは絶望的に能力が足りない。端を少し溶かしたらノコギリを隙間に入れて切り、梃子で強引に端を曲げ上げる。そして更にハンダゴテで加熱。何度も繰り返して少しずつ剥がす。最後は力ずくで分離させる。

 除去作業で合計何時間も水冷装置を稼働させたが、どこぞの原発とは違って全く水漏れ無し。たっぷりと実績あるパーツを流用して組んでいるだけのことはある。

 最近調達した水色被覆の配線は、かなり使い易い。ラジコンやオーディオのようにマニアが多い分野の製品は、高性能なものを手に入れられる。芯線の太さは同じで、薄く柔軟な耐熱被覆。以前の透明オーディオケーブルと異なり、そのまま圧着プラグに差し込める。

 途中にダイオードを仕込むが、2本合体させてのハンダ付けは至難なので金メッキ銅線で巻いてから作業する。

 抵抗値を減らすため圧着端子を使うという話が以前出ていたが、理屈の上ではそれほど差が出る訳がない。むしろハンダ付けした方が性能を高められるはず。だが、実際に作業すればなぜ圧着端子が良いかが分かる。
 簡単なのだ。

 太い配線を確実にハンダ付けするのは、大変な作業となる。配線全体の断面にハンダを確実に染み込ませ、相手の端子とも大きな接触面積で確実にハンダを乗せる。そうすれば圧着よりも抵抗を減らせるだろう。だが、それには神経を磨り減らす数分以上の作業を強いられる。
 1カ所を処理するだけで、だ。

 また、作業者の技量による仕上がりの差も大きい。
 これに対して圧着端子を使うと、秒単位で作業が完了し仕上がりも安定する。数多くの配線端を処理せねばならないとなると、自分のようなハンダ付け派であってもやってられなくなる。経年変化という点でも安定しているかもしれない。

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2011年6月27日(月) 22:11

配管

 配管を行う。太くて不透明に白いのは、高価で柔軟で耐久性にすぐれたシリコンチューブ。圧力が加わると簡単に膨らむので、場所によっては強化しないと水漏れする。透明で細めなのは、硬くて頑丈なポリウレタンチューブ。ぶつけても変形して詰まったりしない。

 レーザーダイオードの水路は内径6ミリ(たぶん4分の1インチ)という、水冷では最も細い部類に属する配管に対応している。細いほど抵抗が大きく、流量を低下させる。だから、内径6ミリ配管は可能な限り短くしたい。このあたり、電気配線と同様のノリになる。
 レーザーダイオードのギリギリまで、6ミリ変換せずに水を引っ張るように配慮してある。ただ最初から最短配線で実装してしまうと、作業性が悪い。だから当面は、長めに6ミリ配管を引き回す。

 紐付き実験中は、冷却系を12V電源で動かす。中古のATX電源は、16Aまで供給可能だ。また、12Vならばコンバーター抜きで直結出来る。つまりは冷却系だけなら12V電源の方が効率が高い。しかし、2V以下の低電圧で動作する半導体レーザーを駆動するには低めの電圧が効率的になる。

 冗長な黄色い内径6ミリチューブは非常に柔軟かつ破れ易い。取り扱い注意だが、普通に引き回す分にはそう問題ではない。だから冷却系とレーザーダイオードが分離していた元祖ゴキブリレーザーには最適だった。

 12Vファンは2機を直列して使用。電圧半減だが、予想通り全く問題なく回転。定格電流の小さな静音ファンだと苦しいが、大電流高速ファンだと電流半減しても十分に回転力が生まれる。
 夜間運転も気にならないような動作音になった。実験中はこれでいいだろう。

 レーザーに通電せず水冷システムだけ動作させ、板金用ハンダゴテでステンレスフレームを取り除いて行く。かなりの難作業。
 最後に残った1枚が、3カ所でガッチリとくっついていてどうにもならない。

 金ノコで3分割し、1カ所ずつ溶かすことにした。

 さんざん300ワットのハンダゴテを当てて加熱し作業を続けても、水温は最大2度しか上昇しない。しかもファンが静音運転で、ラジエーターの能力は半減しているのだ。

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2011年6月26日(日) 20:05

本番用アングルに交換

 冶具で長さが正確に決まっているうちに、ハンダ付けで固定。
 ネジ止めに比べると長さ調整できなくなるだけでなく、外すことも出来なくなる。しかし長さが狂ったり折れ曲がるデメリットを考えると、固めた方が良いと判断。

 大雑把に言って、風量は回転数に比例し消費電力は2乗に比例する。だから、風量を少し妥協することで消費電力を大きく下げられる。
 レーザーの電力がレーザー砲の5分の1しかないゴキブリレーザーでは、相対的に冷却系の消費電力が大きくなる。そこで、レーザー砲用の0.9Aという大食らいファンを換装。0.6Aにした。これでも現行の市販品では、最も風量の多い部類に属する。

 冶具を本番用アルミアングル2本に交換。レーザー砲ではレーザーの光軸を固定していたので剛性を確保せねばならず、太いアングルを使用した。しかしゴキブリレーザーでは無関係なので、構造強度だけ考えて軽量なものを採用。

 これ元の素材は1メートルで売られており、先に30センチ切り出して使った。もう1本も切り揃えて、全長70センチになっている。長過ぎるが、現時点ではどれだけ切り詰めれば良いかはっきりしない。暫く70センチをくっつけたまま、実験を続ける。

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