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2012年3月31日(土) 19:26
ところで、ファイバー融着のためには、被覆を除去せねばならない。
コアに光を閉じ込める普通の光ファイバーの場合、クラッドの表面に傷が付いても機械的強度が低下するだけである。光を閉じ込める能力には影響がない。だが、クラッドに励起光を閉じ込めるダブルクラッドファイバーだと、クラッド表面に傷があると光が漏洩してしまう。
だから、被覆を除去する場合も、できるだけクラッド表面を傷付けないようにせねばならない。プロならともかく、個人のDIYでは困難である。業務としてやる者に比べれば圧倒的に処理数が少ないから、幾ら頑張っても経験不足になる。
被覆を剥くだけなら、安価な工具が一杯ある。だが、ここはせめてホットストリッパーぐらいは用意したい。とはいえ光ファイバー関係の道具は、例によって見た目の印象とは桁違いに高価である。そこでフジクラの中古を手に入れたまでは良いが、本体以外に何1つ付属していない。
まずは電源だ。
ACアダプターの穴に合うプラグだけ、秋葉原で調達。電源は12Vの1.5Aだから、パソコンの電源ユニットで充分。
ホームページでACアダプターの型番を調べ、カタログから極性を確認。
光ファイバーは、先日発掘した残骸を流用して実験。中央のカバーで光ファイバーをサンドイッチするように閉じると、左のLEDが赤く光る。3秒ほどして加熱が完了すると、緑に変わる。右のLEDは電源が入っているときに常時緑に光っている。
加熱が済んだら、光ファイバーを引き抜く。すると、柔らかくなった被覆を刃がいい具合に剥き取る・・・はずがうまく剥けない。
本来は、一番左のカバーに光ファイバー固定アダプターを取り付けて使用するのだ。
被覆の外径に合ったアダプターでしっかり固定しておけば、ホットストリッパーの左端は左にスライドするので自然に引き剥ける。
ところが、固定アダプターが無いので、光ファイバーを固定できず手で引き抜くハメに。髪の毛みたいな光ファイバーを素手で扱うのは無謀だ。固定アダプターも調達せねば、どうにもならない。
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2012年3月30日(金) 21:39
薄いヒートシンクと厚いヒートシンクを単一筐体へと合体させている六角ネジ。
どうしても外れない2箇所を掘削開始。
2つの筐体で、外れないネジはそれぞれ2箇所と4箇所。
数の少ない方から始める。
そう簡単に緩められない。六角穴が劣化しまくっている。
周辺にドリルを使い、とにかく力ずくで頑張る。
今回は理想のレーザー銃を実現するため、筐体にかなりの加工をすることになりそう。分離できないと、作業が著しく不自由になるし将来のメンテナンス性も悪化する。踏ん張り所なのだ。
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2012年3月29日(木) 20:57
増幅ユニットからも DC-DC コンバーターや制御回路をごっそり除去。
励起LDの配線を短絡させておく。
レーザー発振器本体を運搬するための、背負子。
皮肉なことに、光ファイバーが炎上してレーザー銃が破壊された翌日に到着したものだ。
レーザー銃の製作成功を確信した時点で注文したのだが・・・
今回は、成功の確信はない。そうではなく、成功するまでやる。
メーカー製とは異なり、パーツ単体での取り外し作業が可能であるよう配慮して組み立てるつもりだ。どこかのパーツが壊れても、壊れたパーツだけ交換しての自力修理可能。満足に発振しなかったら、パーツ構成を変更して再挑戦可能。
そんなシステムにして、成功するまでトライし続けられるようにする。共振しない、という悪夢だけは心配しなくていいのがファイバーレーザーだ。
だから、成功後に必要となる作業を最初から行なう。
発振器を背負子にどうやって固定するか?これ本題には無関係なようでいて、案外な難問なのだ。
背負子の横棒が盛り上がっているため、安定しない。また、下部には空冷ファンが取り付けられるから、一番下まで下ろさずに少し浮かさねばならない。たとえ浮かさずに済んだとしても、背負子の底面は水平ではないからどっちみち一筋縄では固定できない。
また、側面の1つにはコントロールBOXとバッテリーを配置する。
背負子の背が高過ぎるようだが、意味はある。レーザー発振器の上部には光ファイバーを渡す空間が必要なので、それを保護できる。
すべての光ファイバーを筐体内部に通そうとすれば、充分な曲げ半径を確保できない。
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2012年3月28日(水) 20:59
種火ユニットの励起LD面から、DC-DCコンバーターとコンデンサー等を取り外した。
励起LDの電源線は、いつも通り短絡させておく。静電気対策。
跡地には、ビームコンバイナーを設置する予定。
取り外した DC-DC コンバーターは、まとめて共振器面の跡地に引っ越し予定。
元は種火と増幅の2面に分かれていた共振器を、自作版では1つだけにする。余った1面を、励起LDドライバー用地にする。
容量350ワットの DC-DC コンバーターは高価で入手の面倒なパーツであり、確実に再利用したい。
窮屈過ぎる増幅ユニットの励起LD面からも、DC-DC コンバーター他を取り外しに掛かる。
ある程度の配線は切断せざるをえないが、ひとまずは丸ごと移設も可能な状態をキープ。
3つの DC-DC コンバーターを同一用地に集合させることで、配線効率も良くなるだろう。
炎上さえしなければレーザー銃は一応機能していたが、幾つかの不満点が残っていた。作り直しに際しては当然タダで起きるつもりはないのであって、心残りな点はすべて潰して自己最高の仕上がりを目指す。
だから、流用可能なパーツが置換される場合もあり得る。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2012年3月27日(火) 21:26
増幅側のアクティブファイバーも念のため確認しようと発掘を続けると、種火側と異なったものが現れた。
楕円形の溝に茶色の充填剤は同じだが、6箇所に丸い金具がある。
金具は、単にハメ込まれていただけ。どうやら、光ファイバーをより確実に床側に押し付けるためのものらしい。
だがアクティブファイバー自体は種火側と同様、整然と巻かれずに適当に放り込まれてとぐろ巻いているだけだった。
ファイバーの切れ端は直径0.1ミリそこそこのガラス片だから、指先に刺さり易く相当な危険物。これは、ファイバー切断などでも必ず注意書きされている。
アクティブファイバーより外側は、種火ではFBGミラーらしきものがあった。同じ位置に、ガラス管がある。種火側は銀色の恐らくは特別に熱伝導の良いグリスが使われていたが、こっちは何も無し。
やはり、増幅部だろうとの判断は間違ってなかったようだ。
掘り出して、数十本に割れたアクティブファイバー。
1本ずつ長さを計測し合計すると、932センチになった。誤差と多数の破片を考慮すると、全長9メートル半か。もしかすると10メートルかもしれないが、8メートルという可能性はまずない。
明らかに、増幅ファイバーは種火ファイバーより長い。
単一共振器で200ワット狙うなら、やはり長さ10メートルで良さそう。
ところで、掘り出したアクティブファイバーは被覆が全く燃えていなかった。ファイバーヒューズが発生していたかどうかは、直径9ミクロンのコアが目視不可能で不明。仮にアクティブファイバーが健在なら、掘り出さずに丸ごと流用できたのでは?
そう思えるが、現実には掘り出す前にファイバーの端たる2箇所を確認不可能。
発掘の絶望さは、経験しないと分からないと思う。流用は無理。アクティブファイバーの隣接ファイバーは各所で燃えており、掘らずに使うこともできない。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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