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2013年6月30日(日) 21:53
巻いている最中に、ボビンが緩んで間隔が1センチより大きくなってしまい、焦った。
何とか元の間合いに戻せたが、場合によってはアウトのこともあり得る。
巻き続けると、広げようとする大きな力が発生するので、準備は油断できない。
将来に備え、6メートルが何回巻きに相当するかをカウント。111回だった。
相変わらず製作は煩雑過ぎるため、精神力の限界から1日に2コイルが限界だ。休日なら3コイル作れるかも、と思ったが、やってられない。
これが、放電回路の最終的な回路図。ローサイドとハイサイドの両方を記入した、回生型である。ローサイドもFETペアになっていることと、両サイドとも400μFの大容量コンデンサーを装備している。自分はハード製作をできるだけ手抜きしたい人なので、これでもこの回路は極限まで単純化してある。不要なパーツはいっさい存在しない。すべてが必然、無ければ安定動作は望めないものばかりである。それでも、ここまで複雑になってしまう。コイルガンの回路は地獄だ。
でもってこの回路を実際に組むのがまだ面倒過ぎる。ユニット幾つか作って慣れても、何ヶ月何年と経過すれば自分でも忘れてしまう。そこで、組み立て手順を詳細に残すことにした。表サイトでは昔の放電回路について手順を載せているが、あれって運良く動いていただけの欠陥回路なんだよな(汗)
で、いずれ最新回路を表でも公開したいのだが、サイト製作が手間暇掛かり過ぎる(だから表を更新していない)。そこで、ブログの記事を流用可能なように、はじめから考慮して記事を作ろうとの企てである。
まず製作するのは、コイルガン1つにつき2ユニットしか必要としないハイサイド放電回路である。少数であるが、極端に製作が面倒臭い。まあ自分の作る回路の場合、製作を困難にしている理由の大半は「過度な小型化の追求」ではあるのだが (^_^;)
最初に、J179のソース端子にジャンパー線をハンダ付けする。実はかなり後からハンダ付けしても間に合うのだが、これを取り付けておかないと「ハンドリングが不便」「端子を区別し難い」という問題が生じる。
右の2つはK1593で、ここでは何も取り付けない。
回路図では、赤で示した部分に相当する。
written by higashino [コイルガン戦車S] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年6月29日(土) 19:19
10メートルのポリウレタン銅線だが、4メートルほどいてカットし、残り6メートルを巻く。
4メートル側も一応保存してあるが、こういう半端線は使い道が少ない。そうすると長巻きで買った方が断然経済的だが、10メートル売りの在庫が大量にあるので先に使う。以前30段式ぐらいのを作るつもりだったとき(全長50センチ級でも共通コイル長16ミリ仕様)、少しずつ買い足して在庫を増やしておいたのだ。
しかし長巻きで買うと、所定の長さだけ使うというのが難しい。長さが分からない。そうなると、何回巻きかで判断せざるをえない。
さすがに50段式なんてことになると、10メートル買いは無駄過ぎるが・・・
タミヤのポリパテは、硬化が早いことを除けば使い物になる。
1時間経過後では線を巻けないほど硬いのに変形するという半端な状態だが、一晩経過すると充分な剛性になる。
半端状態は、引き抜くにの絶好のタイミングである。
今回も、テフロンチューブの外層がコイルにくっついて抜けてしまった。テフロン同士の摩擦はテフロンとコイル内面の摩擦より遥かに小さいから、どうしようもなさそうだ。
何回まで再利用可能か・・・テフロンチューブは結構丈夫そうだけど。
ちなみに1メートルで2415円というシロモノなので、交換用に2センチほど切り出せば50円ぐらいに相当する。大事に使わねばならない。
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2013年6月28日(金) 21:12
ハイサイド放電回路はIGBTソケットの接触不良が疑われるので、バラしてゲートドライバーを取り外す。
再利用するのは、ゲートドライバーだけだ。ハイサイド用がもう1セット必要だが、また4セットぐらい作っておくべきだろう。元々4セット作ったのに、既に1セットしか生存していない。他にも再利用可能なセットがあるかもしれないが、信頼できるものは無い。本当に劣化していないか調べるよりは、新造するのが早い。ゲートドライバーの製作は面倒だが、それでも悪魔の証明に悩むよりマシ。
コイルは11個なので、両側の絶縁仕切り板は22枚必要になる。予備として24枚製作する。
ボタン電池で円を描き、カッターで切り抜く。プラスチック板も厚さ0.1ミリになると、紙に似た感触。隣接コイル間には大きな電位差が発生するので、絶縁不良になり易い。そして絶縁破壊すると、高確率で放電回路が壊れる。
放電回路もコイルもしっかり動作確認しながら作業を進めねばならない。高圧大電流に大インダクタンスまで追加された究極に厄介な放電回路。それがコイルガン。更に多段式にして回生回路にするなど、パーツが増え過ぎて信頼性は下がりまくりである。趣味でやってるから良いが、こんなもの仮に常温超伝導が実用化されてもガチ兵器として普及する日は永久に来ないと思われる。まさしくムカデ砲だ。
火薬式の銃が、結局は戦車砲のように単段式を最高性能に改良する結論に至ったように、コイルガンも回生しない多段式が将来の妥協点になりそうな予感。威力の不用な用途なら、効率が落ちても単段式だろう。
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2013年6月27日(木) 23:59
IGBTのエミッターをジャンパー短絡させておき、400μFのまま放電。
IGBTゲート電位は大電流で大きく凹んだが、4Vは確実に上回っている。使用しているIGBTは、ゲート電位が4Vあればフルスペックが出せる。どうやら安全範囲内。
試しにコイルにパチンコ玉を放り込んで放電させたのが、このパターン。鉄芯が入るわけだからインダクタンスが増大し、放電時間は延びてピーク電流は小さくなる。10ミリのコイルに11ミリの鉄球を入れているので両者の中心はほぼ一致し、通電しても殆ど動かない。
IGBTのコレクター電位も調べてみた。妙な盛り上がりもなく、安全範囲内と判断可能。これにて放電回路は、ひとまず設計完了。
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2013年6月26日(水) 21:27
過剰に巻かれたコイルを実測すると、インダクタンスが344μFにもなっている。
1段目として使うなら、通電時間が長くなって充分に使えるスペック。しかしそれは、インダクタンスだけに拠った判定だ。コイルガンの場合、発生する吸引力が問題となる。吸引力は、コイルの直径が大きくなる(=パチンコ玉との間合いが広がる)と急激に小さくなる。
インダクタンスはコイルの直径が大きくなれば大きくできるため、それだけ長い線材を消費するデメリットを打ち消せる。しかし吸引力は、コイルの直径が大きくなることによるメリットは皆無であり、ひたすら劣化要因にしかならない。
テスターが計算するQ値も、吸引力など考慮せずインダクタンス準拠なので、直接の比較に用いてはならない。
インダクタンスの数値自体も、吸引力との相関は薄い。大き過ぎれば放電に時間が掛かり過ぎ、小さ過ぎればピーク電流が大きくなり過ぎる。適切な値があるので、値を知っておく必要があるというだけのことだ。
試しにコイルをほどいて2メートルほど短くしたところ、インダクタンスは235μFに低下した。この分だともしかして、合計4メートル短くして6メートル巻きにしても、充分なインダクタンスが確保出来るのではないか?
6メートル巻き相当までほどき、実測。144μFと良好な値になっている。
想像では実用不可能なほどインダクタンスが小さくなると危惧したが、そうでもなさそうだ。だとすれば、0.5ミリを7メートル半ではなく0.6ミリを6メートルの仕様で作った方が性能出そうに思える。
旧作での標準コイル。0.6ミリを10メートル巻いて全長16ミリ。それを全長10メートルでカットしたようなコイルが目の前にある次第。複数コイルの同時通電を行なうので、事実上旧作のベスト仕様とほぼ等しくなる。
単位長さあたりの仕様が同一だが、全長が少ないぶん直流抵抗が小さくなる。コイルガンの効率が低下する最大要因がジュール熱なので、直流抵抗を小さく出来るのは効果が大きいはず。
抵抗が小さくピーク電流が大きくなる分だけ、コンデンサーの容量を減らす。それにより、同一性能を、より小さな投入ジュールで実現可能となる。ロスを減らすには基本的に、放電単位を小規模にして多数並べると良い。ただし製作コストは上昇する。だから、適度に妥協せねばならない。
コイルガンは多数の先例と研究があり、円筒形のプロジェクタイルを発射する際のコイルの長さはプロジェクタイルの長さと同程度がベストとされている。パチンコ玉のような球体では不明だが、直径11ミリであれば16ミリより10ミリのコイルがベターでも不思議はない。
とりあえずパチンコ玉使用では、全長10ミリのコイルを並べるのが妥協点だと判断している。400μFのシミュレーションではピーク電流が350Aぐらいまで増えるので、実装時は41μFの8並列ぐらいが良さそうだ。
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