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2013年9月30日(月) 21:07
センタータップ基準で、1次コイル両端電位を測定。コンデンサー容量の増大により、共振周期が長くなっている。更に重要なこととして、波形が正弦波に近くなっている。もともとこんな波形だったはず。コイルのインダクタンスが減った分だけコンデンサーの静電容量を増やしてみれば?との目論見はうまく行ったようだ。
発振開始から安定までの時間も、遥かに短くなっている。初期の0.1〜0.2ミリ秒で安定し、最大振幅に達している。
ところが、それでも出力電圧は上がらない。ここまで来ると、さすがに実は2次コイルが壊れてましたとしか考えられない。ZVSを結局は諦めることにした半年前の実験で、最後に破損させてしまったのだろうか?
いずれにしろ、トランスも作り直せば結論は出る。これ自作に非常な手間が掛かって嫌だが、これまで常に経験したように「我慢して作り直したモノは必ず、より良い出来になる」のも確かである。
しかしいきなり1次コイルから躓いた。巻いた後では、端を直角に曲げるのが難しいのだ。エナメル線は太さ2ミリなので、加工性が悪い。そこで、巻いたものをほぐし、4回巻きが長さ何センチに相当するか確認した。結果は15センチ半。そこで、15センチ半の直線部分を確保して両側を先に直角に曲げたエナメル線を、2組用意。
センタータップにしたい側を短くカットし、被覆を剥いてハンダを乗せておく。
この後、短い側を突き合わせ、ハンダ付け合体。全長30センチ余りの一本モノにしてから巻きつける。
written by higashino [コイルガン戦車S] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年9月29日(日) 18:30
夜の歯磨きを電動ブラシで行っていたら、途中でいきなり電源が切れた。
スイッチにうっかり触っても、弱モードに切り替わるはずで突然のOFFはない。妙だと思いつつ電源を入れなおすと動き出したが、すぐに止まってしまう。
どうやら、内蔵二次電池の寿命と思われる。
最近いろいろな機器の内蔵バッテリー交換に追い込まれることが多い。要するに、機器の寿命よりも二次電池の寿命の方が短い。EVやハイブリッドなどでも、バッテリー交換の話題は良く聞く。問題は、容易に内蔵バッテリー交換できない機器が多いこと。
ネットブックもそうだったし、スマホもそうだったし、そして今回は電動歯ブラシだ。
SANYOを買収してポイしたパナの製品で、EW-DM41 ってやつ。
底蓋を外すと、バッテリーどころではないと発覚。浸水して錆びてるやん!
頭部側も浸水し、モーターが錆びている。
幸いにしてまだ筐体だけで、モーターの機能は腐食されていない。
内部基板もほぼ無事で、底部に近いハンダが表面劣化し始めている程度。
仮に内蔵ニッケル水素電池の寿命が来ていなければ、浸水という更にヤバい問題に気付かないところだった。危な過ぎる。
しかし買って1年ほどなのに、歯ブラシが浸水してどうするんだよ。もちろん水没保管などしていない。液体に濡らさず歯ブラシを使うなど非現実的であり、まっとうな防水が出来ていないのは欠陥商品としか言いようがない。
とはいえ最近は日本製品も劣化しまくりで、パナが駄目ならどこならいいのかとなると情報がない。だったら、これをメンテして手を加える方が賢いし安上がりだ。
内部基板にも水滴が付着している。基板はコーティングされているので、ちょっとした水滴だけなら問題になっていない。
しかし正極端子の近辺は錆びだらけ。内蔵ニッケル水素電池も、正極が錆びている。これも筐体部分に留まっていて、まだ端子までは腐食されていない。だがその直前まで来ており、バッテリーの寿命が来なくても近日中に致命的な腐食で故障していただろう。
手遅れ直前でバッテリーの寿命が先に来たのは、むしろ幸運だった。
ともあれ通常の実験は中止し、こいつの修理を急ぐ。
内蔵バッテリーは容量700で単4サイズ。負極だけに端子がハンダ付けされており、正極は電極に押し当てられるだけ。正極の電極は、プラスチックの突起による弾力が効くようになっている。これを見る限り、わざわざ電極ハンダ付けしなくても汎用二次電池が使えるようにできたはず。
水分は取り去り、錆びや汚れを清掃する。ついでに基盤用シリコンコーティング剤を塗りまくる。
現物合わせで取り付け位置を微調整し、負極基板にハンダ付け。
単4エネループをセットしてスイッチを押すと、無事にモーターが動いた。
バスコークやシリコンコーティングを活用して気密を強化しつつ、元通りに組み立てる。
こうして無事に、朝の歯磨きに間に合った。使用時間も復活。これでまた当分働いてくれるだろう。
エネループは容量750で、ちょっとだけアップ。
written by higashino [LIFE] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年9月28日(土) 20:45
2次コイルはしっかり導通している。抵抗値は1Ωを遥かに下回っており、断線していない。
インダクタンスも、マトモな値が計測される。
1次コイル側はオシロで正常な発振が確認済み。
よって、自作トランスは健在と考えられる。
ダイオード4本を組み合わせたブリッジの方も、短絡破壊している部分はない。だが、念のため作り直すことにした。
ところで現在困った問題が発生している。使用しているダイオードはDLM10Eという型番で、耐圧400V・逆回復時間35ナノ秒という高速タイプである。昇圧チョッパーの出力部分に使うと、性能が目に見えて向上する素晴らしい品。
それでいて1本10円と安めなので、長く愛用していた。
ところが最近になって1本20円に値上がりし、それでもまあ許容範囲だと思ってたらモノ自体が入手できなくなったのだ。
そう、DLM10EはSANYO製なのだ。
パナに吸収された挙句、ポイされたというニュースを聞いた気がするが、それがパーツ調達にまで影響して来たようだ。
同等の高性能・低価格品がないと、地味に非常に困る。ネットで調べると、スペック的には同等品が見つかったが、台湾製。仕方ないのか・・・
ともあれ貴重な残り在庫を減らして新造したブリッジで確認したところ、やはりちっとも充電できない。
そこで今度は、共振コンデンサーを疑ってみる。1μFを10並列させていたのが、右側の現行共振コンデンサー。これを、新造の50μFに換装してみたい。大容量の積層セラミックで御馴染み秋月で、10μFを調達し5並列。
普通のZVSからすると共振容量が過大だが、コイルの方はインダクタンス過小のはずなのでバランス取れるかもしれない。
written by higashino [コイルガン戦車S] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年9月27日(金) 21:24
太さ1.2ミリのエナメル線を使い、コイルを巻き直す。これより太くなると、硬くて手巻きは困難になる。
2並列を想定し、余り密に巻かない。並列にしない状態でまず、発振してくれるかどうか確認する。
大きさはかなり違う。これで発振してくれると、ダウンサイジング成功なのだが。
発振してるかどうか確認するだけなら、センタータップGNDでFETドレインすなわち1次コイルの両端を測定するのが簡単だ。配線が太いので、オシロのプローブをセットし易い。振幅がかなり違うが、間違いなく発振している。
念のためプロープを入れ替えて、再測定。発振初期を示す。青と黄色の振幅が入れ替わっているので、プローブ調整不良ではなく実際に振幅が違うことが分かる。気になる現象ではあるが、機能的には大丈夫なはずだ。
そこで、2本目のエナメル線を並列して追加巻き。
外観がコレに似たコイルが売られているのを見たことはあるが、巻き数半分で配線断面2倍というのが違う。インダクタンスを必要最小限に抑え、大電流への適応を優先させている。
ところがこれでも予想外に内径の空間がキツい。スカスカと思ったのに、2本目を巻くと途中で線が入らなくなって来た。仕方なく、巻き数を1回減らす。これでインダクタンスが少し小さくなるので、ZVSが発振するかどうか改めて確認。
オシロの波形はほぼ変化なく、使えることが分かった。見た目は悪いが、許容可能な大きさ重さというのが重要。
しかし、話はこれで終わらない。コンデンサーが4Vぐらいしか充電されていない。危険を承知で、2次コイルにオシロのプローブをセット。それが青である。実際に、数ボルトしか振れていない。
一方の黄色は、1次コイル側。
スケールの違いを考慮しても、明らかに1次コイルの振幅が大きいという訳分からない事態になっている。トランスが断線でもしているのか、それとも整流ダイオードが壊れているのか?
written by higashino [コイルガン戦車S] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年9月26日(木) 21:41
問題点の切り分けを行なうため、コイルL1を交換。半年前に動作実績がある大型コイルを取り付ける。昇圧チョッパーから外し、元の鞘に戻ったものだ。
コイルのせいでFETゲートが3V以上にならないというのは、デジタル思考からするとあり得ない。論理的に無関係である。しかしZVSはアナログであり、デジタル系の自分からすれば地雷原。とにかく試してみる。
ゲート電源(青)が立ち上がると、FETゲート電位(黄)もしっかりと振れている。ゲート電位がゲート電源より高くなるなどという謎現象は発生していないし、ゲート電位が3Vでフタされることもない。
理由は不明だが、意図通りに動いているようだ。コイルL1の何が不足だったのか知らないが、自作コイルのスペック不足が原因だったらしい。さすがに8回しか巻いていないコイルはどうかと思っていたものの、インダクタンス実測値が謎過ぎる。
念のため、2つのFETのドレイン電位を同時測定。綺麗に交互に波が発生し、振幅も充分。犯人は、完全に自作コイルだったと確定した。どうやら、基板部分は壊れていない。
実用上は発振周波数が高過ぎてスイッチングロスが大きそうだが、こういうのは後から調整すれば良い。
FETゲート電荷を別供給しても動作することが、同時に実証された。さすがにそれは当たり前だと思っていたけど、ZVSは油断大敵である。
written by higashino [コイルガン戦車S] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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