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2013年11月30日(土) 19:43
シールド剤を追加する程度では水漏れを防げないと判明したので、開き直って「だったら毎回乾燥させればいいじゃないか」と考えた。
水漏れと言っても、完全に何も考えていない構造とは異なり、即座にジャバジャバ入るものではない。使っている数分の間に僅かに漏洩する程度であれば、使ってすぐ分解して干せばいい。
底蓋のネジを付けずに使用することで、手早く分解可能。そして、その程度であれば漏水量はそう増えない。
しかしいざ試してみると、著しく煩雑。
本来であれば、使った後でさっと水切りして充電器に挿しておけばいい。それを、分解して充電は別途充電器で行って・・・歯ブラシは頻繁に使うものであるから、ウザくて堪らない。製品が本来あるべき性能を発揮していれば、なんら必要のない手間である。
仮に底蓋を閉鎖して使い続けるとしても、定期的に分解・電池充電やらないと使ってられないから、煩雑なままだ。
結局、電動ではない歯ブラシに戻した方がマシって結論に。
電動を使っているうちにブラシの使い方が変わって、手動でのスキルが上がった気がする。無しでやってみると、別に無くて大丈夫だ。
これで、本当にジャンク確定。
安物の家電製品だから、性能が劣るのは仕方ない。そういう考えなのかどうか知らないが、日本の家電メーカー(まさにそれこそパナなど)の凋落も当然と思わされる。
日本の製造業でも、デジカメやクルマは元気であり競争力を保っている。
クルマの場合、最安の車種だから何年も使ってるうちに雨漏りぐらいしても仕方ない・・・ということがあり得るだろうか?
クルマの場合、コスト削減が甘くても許されるだろうか?
クルマが高価なのはそれだけ多くのパーツで作られているからであり、壮絶なコストカットの取り組みに関しては電動歯ブラシなどより遥かに有名だ。ギリギリまでコストを削減したうえで、絶対に雨漏りなどしないクルマをしっかりと作っている。
雨漏り・水漏れしないことに重要性も、クルマと歯ブラシで差があるとは思えない。いずれにとっても致命的だ。
水が漏れるかどうかというのは製品のデジタル化とも関係ない。昔ながらのアナログ技術の賜物でもある。日本の製造業が得意とした部分だ。それをしっかり抑えて競争力を保つ自動車業界、どんどん競争力を失う家電業界・・・
written by higashino [LIFE] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年11月29日(金) 21:10
先日もストロボ用IGBTの入手に関する質問があったが、過去に何度か話題にしたものをまとめておこう。
すなわち、そんなもの入手しようと頑張るのはオススメできないという話である。
回生型コイルガンの記事に GT8G121 や GT10G131 を取り上げているせいか、何かコイルガンに向いた凄いスイッチング素子みたいに思われていそうである。しかしその実体はデジカメのストロボ制御に使われる特定用途IGBTというだけであって、特にコイルガンに適したものではない。入手が大変な割に、メリットは感じられない。
実は自分も昔、コイルガンに適した凄い素子だと勘違いして、強引に手に入れたのである。結果は、片っ端から壊れまくり。壊れる原因を調査した結果、勘違いに気付いた。
なぜ勘違いするかと言えば、小型のくせして異様にパルス耐電流が大きいのだ。
だが、パルス耐電流はスペックの1つに過ぎない。ストロボとコイルガンには根本的な違いがあるため、ストロボ用は役に立たない。その違いとは、回路のインダクタンスである。ストロボ放電回路は、インダクタンスが小さくなるように設計される。これに対し、インダクタンスの小さなコイルガンというのは原理上存在しない。そんなものは、まさに自己矛盾である。
結果として、コイルガン放電回路はストロボ放電回路に比べ、ターンオフ時のI2t
が桁違いに大きくなる。
だから、耐電流のスペックを満たしていてもターンオフ時に破壊されてしまう。I2t
耐性はストロボ用を想定したものでしかなく、コイルガンに流用しても耐えられない。
I2t を小さくするにはスイッチング速度を上げれば良いが、今度は dV/dt
制限に引っ掛かる。
自分は今回、スナバ回路を工夫して限界突破できる放電回路を設計した。しかしそれが期待外れだったのは、既に記事にした通りである。
ターンオフしないのであれば大丈夫だが、それなら最初からサイリスターでも使った方が良い。
ストロボ用IGBTはゲート操作条件がシビアであり、通常のIGBTに比べてさえドライブ回路の製作が面倒になる。専用のドライバーICはあるが、入手性は推して知るべし。
ストロボ用IGBTは事実上デジカメ専用で、家電メーカーの製造計画に応じて受注生産されているようだ。だから秋葉原には出回らないし、スポット市場でも1000個単位とかでないと買えない。個人の場合、普通そんな大量には必要ない。自分は買った当時、これを使って魅力的なコイルガンを製作して記事を公開し、そこに使われているスイッチング素子であると宣伝することにより、不用分を売ろうと考えていた。
しかし、コイルガンには向かなかった。
・現状は黙ってオクなどで小分けにすれば売れるだろうが、正直なところ詐欺同然。
・ベターな素子も見つからないので、回生型コイルガンの実験で消費しようと思っている。
・そうすると大量消費してしまうので、手持ちは減らさない方が良い。
という状況である。とっくに買ってしまった自分としては、それを使い続ける限り追加出費はない。しかし、まだ入手していないのに無理に入手するのはペイしないと思う。破壊されていないか自己診断しつつ実験するようなシロモノだ。
written by higashino [コイルガン戦車S] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年11月28日(木) 21:30
ZVSのハードはほぼ完成したので、現状はPICのソフト作成が焦点だ。
放電回路の方は単純。ラジコン受信機パルスを読むのと同じであり、トリガーの場合は連続して正常パルスが来ているかだけチェックする。
コマンドに応じて、IGBTのON/OFFパターンを変える。それだけ。
しかし充電器側は相当に厄介になってしまった。
人間操作のトリガー1次信号を受け取るし、それとは別に充電ON/OFFがある。そして通常の充電と別に、IGBTテストモードがある。時分割を完全にするとプログラムがかなり面倒なので、ループからコンマ数秒戻って来ないぐらいは許容する。
IGBTテストだが、ローサイドとハンサイドの両方が揃う初段と最終段のIGBTが面倒。その2箇所を「ローサイドだけ」「ハイサイドだけ」ONにした2パターンいずれでも回路短絡しないことを確認する。
・コンデンサーバンクの電圧を調べる。
・50V以上なら、パターン1にして0.2秒放置。
・50V以下なら、パターン1にして0.2秒充電。
・コンデンサーバンクの電圧が25V以上なら異常。
という感じで試験する。電圧が充分に残っていれば、今度はパターン2で同様に行なう。
充電完了まで一気に進むなら話は単純で、最初に試験1と試験2を続けて行い、両方パスしたら通常充電に移行すれば良い。だが、実際は充電
ON/OFF 信号線があり、試験中に充電が中断されるかもしれない。中断が再開されるまで、どれぐらいの時間を要するかも不明だ。時間が経過すると、コンデンサーバンクの電圧は少しずつ下がる。
そこで、試験1および試験2は最小単位とし、終了するまでは充電OFF信号を無視する。またポイントとして、充電OFF信号が来てもPICの電源は入ったままである。つまり、メモリーはクリアされない。
PICの電源が入ると、「試験1完了」と「試験2完了」のフラグをクリアする。コイルガンが発射されてもクリアする。
充電 ON 信号が来ると、フラグをチェック。「試験1完了」フラグがクリアされていれば、パターン1指令を放電回路に送って試験1を行なう。NGならIGBT破損とみなし、充電器をストライキさせる(電源を一度切ると復活)。OKなら「試験1完了」フラグを立てる。試験はコンマ数秒で終わる。
試験2も同様に、「試験2完了」フラグを見つつ実施する。
「試験1完了」と「試験2完了」のフラグが両方とも立っていれば、通常の充電を行なう。
通常の充電は、現在電圧と目標電圧を比較しつつクローズドループ制御を行なう。
充電OFFを送ってもコンマ数秒反応しない場合があるということで、ラジコン戦車の主モーターPWMのOFF期間だけ充電するという昇圧チョッパーのような小回りは効かなくなる。しかし昇圧チョッパーだって、IGBT試験機能を組み込めば同様だ。ZVSは消費電力が大きい一方で充電が高速なので、走行中に充電せず撃つ直前に充電開始する運用でも使い物になるはずだ。
今回はラジコン戦車に搭載しないが、将来の搭載を考慮した開発としている。
written by higashino [コイルガン戦車S] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年11月27日(水) 21:19
信号線が1本しか使えない場合、HかLで情報を送ると1ビットしか送れない。トリガーが押されているか、押されていないか、というような感じである。
1本だけで多段階情報を送る方法はいろいろあるが、ラジコンで使われているパルス幅方式が使い易い。
パルスを送り出し、Hとなっている時間幅によって情報を伝える方式だ。
あらかじめパルス幅の変動範囲を決めておけば、そこから外れた幅のパルスはノイズとして捨てることができる。ただし、情報送信が飛び飛びになる。
パルス幅を狭くするほど頻繁に情報を送れるが、ノイズの影響を受け易くなる。幅が広ければ、情報を送る頻度が落ちる。
今回、信号線が1本しか余っていない放電回路に複数コマンドを送り分けるため、パルス幅方式にしたい。問題は、パルス幅をどう選択するかである。
ここは安直に、ラジコンと同じにしてみよう。ラジコン並みの送信頻度で充分に役立つし、ノイズや送受信の信頼性に関しては実証済みと言えるからだ。
ラジコンの場合、パルス幅は0.5〜2.5ミリ秒で、ニュートラルが1.5ミリ秒である。
送りたいコマンドは3種類。
・試験用1(ハイサイド2箇所を両方ONにしてそれ以外全部OFF)
・試験用2(両端ローサイド2箇所を両方ONにしてそれ以外全部OFF)
・コイルガン発射
いずれにも該当しない場合は、全IGBTをOFFにする。
コマンドの種類が少ないので分解能を増やす必要もなく、最大2.5ミリ秒を1バイトで表現すれば充分だ。2.5ミリ秒=250でいいだろう。すると、幅1あたり10μ秒となる。PICを20MHzで動作させた場合、50クロックのループを作ればうまく行く。
2次トランスの細いエナメル線を引き出す部分は、非常に外力に弱い。
根元もろともポリパテを追加盛りし、強度を確保する。これで、ラフに扱っても断線とか短絡とか心配せずに済む。
PICプログラムは、放電回路の側から作成。
ラジコン受信機パルスを読む時と同様に、PICでループを作って入力信号線が1になっている期間を測定。10μ秒あたり1のカウンターで取得する。待ちが長過ぎればエラー。
0〜255で取得したら右シフト4回で16分の1にする。
0〜15は0、16〜31は1、32〜47は3・・・という感じで0〜15にまとめられる。
これが6なら試験用1、8なら試験用2、12ならコイルガン発射と解釈。飛び飛びの値を割り当てているのは、中間をエラー扱いして誤動作確率を減らすためである。
更に、コイルガン発射だけは連続して何回か正常パルスを受信してからOKを出す。
ある程度まで幅に誤差があっても同じ値にまとめられるので、送信側はその幅の中央を狙ってパルスを出す。
written by higashino [コイルガン戦車S] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2013年11月26日(火) 21:02
電池交換してから2ヶ月も経っていないのに、電源が突然切れるようになった。
数日様子を見たが、切れるまでの時間が着実に1日ごとに短くなり、電池の寿命が来ている時の症状そのまんま。これは完全な想定外で非常に困惑する。
ノーブランド中華電池ならともかく、使っているのは単4エネループである。それも、パナ買収前の良品。買ったのは古めながら、単4ということで殆ど使っていない。2ヶ月で劣化するなど、ありえない。
困惑しながら電動歯ブラシを分解すると、モーターに浸水していた。
前回の修理時に、ガチガチに防水した。それなのに、2ヶ月足らずで水が入りまくっている。これは、どういうことだ?
案の定だ。浸水で正極が錆びている。
使用後は水を切っているから、使用中の浸水が大部分だろう。シールド材に加えてバスコーク等も塗っておいたから、普通に考えればそう簡単に水が入りまくることはない。電動歯ブラシの性格から発生しまくる振動のせいかもしれない。
振動モーターが入っているだけのシンプルな製品である。振動は明白なのだからしっかり防水構造にしておいてくれないと・・・しょせんはヤスモノか・・・
昔の日本製品は、安くて高品質がウリだったのに。今やパナのような大企業でも、安かろう悪かろうだ。消費者にこういう経験をさせると、じゃあ韓国製でいいよ、となってしまう。
分解すると防水性能が落ちるから、電池廃棄時以外はユーザー分解不可。確かにトリセツにはそう書いてある。しかし、標準の単4エネループが使用可能なのに、「ユーザーによる電池交換」と「防水性能」を両立させられずそういう仕様になっていること自体が、技術力の無さを証明している。
更に、分解前であっても1年余りで浸水していた。ソニータイマーじゃあるまいし、そっちは完全に言い訳不能だ。
ネットでも他機種で電池が寿命を迎えたという記事は見かけるが、そういうのは数年使っている。1年で電池劣化&浸水はもはや日本製に値しない。
どういう連中が設計しているのか、顔を見てみたいものだ。パナという日本のいちおうは大企業に入って、こんな仕事をするとは。
written by higashino [LIFE] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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