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2015年09月の記事

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2015年9月30日(水) 22:04

発光したものの

 レンジ100ミリアンペアのアナログ電流計は、無事に発見できた。
 自分は長年レーザー趣味を続けているため、レーザーを扱う上で必要な計測機器は大抵揃っている。今更なにか不足だとすれば、持って居ないのではなく行方不明なだけという可能性が高い(汗)。
 だが先日も書いたように、レーザー関係は出番の極端に少ないものが多過ぎるのだ。だから、捨てられないものが多過ぎて困る。

 秋月ドライバー基板R5を15KΩに戻し、本番LDを接続。

 一発で発光し、0.53ミリワットの光出力を計測。PDの感度が異なるので、オリジナルの秋月LDよりも出力が低め。これを調整すれば良い。電流も28ミリアンペアで、余裕で定格内だ。
 ところが、1分ほど経過すると、突然LDが消えた。

 どこか力を加えて短絡でもさせたか!?と焦るが、電源を入れなおしたら点灯。そして暫くすると、また消灯。
 秋月ドライバーは、回路図が公開されている。定数が異なっているが。
 それによると、入力電源のレギュレーターは無い。

 通常の赤色LDは、順方向電圧が1.8V程度である。ところが、本番LDは、同2.3Vぐらいという特殊なスペック。これは、電源電圧の不足によりトランジスター分の電位差が確保できなくなったのだろうと推測。
 電源を安定化3Vから、エネループ3本に交換。

 すると消灯せず、ずっと光り続けるようになった。

 だが、光出力は0.35ミリワットに低下し、電流も少し低め。秋月ドライバーの回路は、電源電圧に敏感に反応する。流用するのであれば、入力電圧を安定化せねばなるまい。東芝の三端子で4V安定化電源を供給するとしよう。

 しかし、話はこれで終わらない。本番LDはまさにレーザーダイオードの主流仕様であり、筐体がLD電源+になっている。つまり、筐体にヒートシンクを取り付ける場合、どこに導通しているかを常に意識しておかねばならない。三端子レギュレーターは非絶縁なので、そのまま使用するとトラブルの元だ。熱を良く通す絶縁体があると便利だが、そういう物質はなかなか無い。興味深く不便な事実として、熱を良く通す物質は電気も良く通す。
 熱伝導グリスは絶縁性だと称しているものが多いが、熱伝導グリスを絶縁用として使用するのは無謀設計というものだ。
 小負荷での効率が悪くても、コーセルの DC-DC コンバーターを使って5Vを生成。それを三端子で4Vに落として秋月ドライバーに食わせる、というのがベストだろう。

 ミリワット級のLDでも、発熱は無視できない。可視の赤色LDというのは、余りにも温度に敏感過ぎる。
 レーザーはプロもアマも扱っているが、シロウトっぽさが最も良く現れるのが排熱処理だと思っている。レーザー機器の冷却をどう行っているかを見れば、マニアとしてのレベルが分かると思っている。
 まっとうに冷却を考えると、電源にまで影響する。

written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2015年9月29日(火) 21:29

重要な1ミリワット

 手持ちの秋月レーザーを測定すると、光出力0.68ミリワット。無難な感じに1ミリワット未満に収まっている。ドライバー基板に調整ダイヤルがないため、個体差でこれより出力の大きなものも小さなものもあるだろう。

 照準レーザーの電源は、かなり悩ましい。この基板は3V入力である。しかしレーザー銃の電源は20〜33Vであり、差が余りに大きい。
 三端子レギュレーターを使うと、電圧差が膨大で効率が極悪になる。せいぜい40ミリアンペアなのに、消費電力が1ワット前後になる。1ミリワット未満のレーザー出力を得るために1ワット投入するって、半導体レーザーダイオードじゃねえよ。

 だからと言って DC-DC コンバーターを使おうにも、適切なものが市販されていないのが分かっている。レーザーを趣味にしていれば同様の問題は既出も甚だしく、過去に散々調べている。
 一番マシなのが、相変わらずコーセルだ。いつまで経ってもライバル品は登場しない。
 そしてその一番マシなコーセルでさえ、負荷が小さいときは効率が落ちると言う欠陥を抱ええている。

 出力0.2ワットぐらいの超小容量の DC-DC コンバーターが欲しいのだが、どいつもこいつもその10倍ぐらいの巨大容量ばかり。
 無駄にでかい DC-DC コンバーターを使うと、効率が激しく落ちる。三端子レギュレーターでも、効率が激しく落ちる。どうしようもない。

 一見すると解決策はあって、電源筐体にはPIC等を動かすため DC-DC コンバーターによる5V電源がある。そこから三端子レギュレーターで3Vに落として使えば良い。しかしそれをやると、電源筐体のメインスイッチがONになっていないと照準用レーザーが発光しなくなる。
 同軸照準レーザーは、それ単独で発光させて外付け照準のゼロインを行うという、重要な使い方が想定できる。どう考えても、電源筐体のメインスイッチとは無関係に、単独でONにできるようにしたい。ここを妥協すると、使い勝手が大きくスポイルされるだろう。
 そうなると、高電圧しか使えない。

 秋月レーザーの改造ポイント。白がGND線だが、一端がそこに短絡しているR5がターゲット。
 R5は15KΩだが、これを減らせば光出力が増える。試しに51KΩを並列接続したところ、0.79ミリワットに増大した。
 写真ではGND側がイモハンダだが、ここはなぜかハンダが乗ってくれない。GND裏側のパターンに、しっかりハンダ付けできている。

 中華基板でも、全く機能しないのは別として、可変抵抗は1〜15KΩという指定である。
 この抵抗はLD内蔵PDの電流を電圧に変換するためのものだが、恐らく最大は15KΩというのが常識的な実装なのだろう。15KΩのまま目的のLDを光らせ、光出力を確認しつつ徐々に抵抗値を減らせば良いと考えられる。

 200ワットのレーザー銃を製作中なのに、1ミリワットのレーザーを慎重に調整しようとしている。そういうのも、また楽しい。モノには用途があり、1ミリワットには1ミリワットの適所がある。
 たった1ミリワットのレーザーでも、レーザー銃の重要なアドバンテージの一部である。完全同軸で視差が皆無。調整不用で絶対に狙いが狂わない。これは、近距離での使い易さにおいて決定的に有利だ。レーザー銃を撃たずに外付け照準器を完璧に調整できるのも、同様に決定的に有利だ。

written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2015年9月28日(月) 21:44

予想外の助け船

 フォトダイオード自体は紫外線から赤外線まで感度があるが、パッケージに着色して赤外線しか透過しないようにしてあるものが多い。
 そこで、照度計用のフォトダイオードを買って来た。

 恐らく、肉眼の感度に合わせた透過率になるようなパッケージを使用しているのだろう。見た目も、青緑色をしている。

 レーザー銃モニター用のPDを外し、照度計用のPDに交換する。
 だが、これでLEDとPDを向かい合わせても、やはりLDドライブ基板は暴走。MAX電流になってしまう。原因は、PDの感度曲線ではなかった。
 各種資料を慎重に確かめ、極性の誤解などがないかどうか徹底的に調べる。だが、どこにも誤解は発見できない。完全にWORKするはずの実験なのに、全くWORKしない。

 抵抗値を変えたり、抵抗を外したり、短絡させたりしても、何も変化しない。ひたすら最大電流が流れまくるのみ。

 駄目ならさっさと捨てて忘れるというのが、中華基板との正しい付き合い方だと思う。そのための馬鹿安ってことで。

 秋月はLDとドライブ基板とコリメートレンズまでセットした赤色LDモジュールを、500円で売っている。都合良く掃除中に手持ちが1つ発見されたので、確認する。秋月HPの資料によれば、驚いたことにこれが適合しそうなのだ。
 つまり意外なことに、秋月で売っているこのモジュールからドライブ基板だけ取り外して、秋月で売っているLDに取り付けても、APCとしては動作しない。てっきり、この500円モジュールに使用されているLDを100円で単体売りしているのだとばかり思っていた。

 この基板をレーザー銃照準LDの方に流用できそうだ。信号だけでなくスペック的にも、かなり近い。簡単にスペアが入手できるのも良いし、中華基板と秋月基板のどっちが信用できるかは言うまでもない。秋月も時々ポカやるけど、そういう情報は日本語で出回るし、関連情報も秋月モノは豊富な日本語ソースがある。そういうアドバンテージは、無視できない。
 秋月基板は出力調整ができないが、そんなもの改造すれば済む話。

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2015年9月27日(日) 19:25

照準LDドライブ

 秋月電子に、5ミリワットの赤色LDが100円で売っている。ドライバー基板と一緒のモジュールは500円だが、LDだけなら格安だ。そこで、良く確かめずに買ってしまい、金をドブに捨てる羽目になった。

 購入目的は、LDドライブ基板の動作確認だ。
 レーザー銃の同軸照準に使うため、光ファイバー出力の赤色LDを注文した。しかし、赤の2ミリワットという低出力ながらファイバー出力なので高価だ。壊したくないので、まずは安物LDを接続して試験しようと考えた。

 だが、本番のLDと秋月LDでは、出力モニター用PDの極性が逆だった!

 ドライバー基板は当然ながら、本番用LDに対応しており秋月LDには使えない。
 ドライバー基板は自作ではない。ミリワット級LDのAPC回路は、自作しても市販品より安くならないし小さくもならない。自作するメリットがない。

 可視光を出す赤色LDは、温度依存が激しく敷居電流も大きいため、定電流駆動では安定した発光は望めない。APCにしないと、お話にならない。

 レーザー銃の励起LDドライバーは自作のAPC制御である(現在は、暫定的に定電流駆動)。数百ワットのLDをバッテリー動作させるドライバー基板など売っていないから仕方ない。だが、数ミリワットのLDをバッテリー動作させるドライバー基板なら、幾らでも売っている。

 定電流駆動なら、赤色LEDでも接続して試せば良い。だが、APCだと出力に比例した電流が通るPDが必要になる。
 だったら、LEDとPDをディスクリートで組めば良いのでは?

 LEDは汎用の赤が、順方向電流その他のスペックが似ている。
 PDは、旧レーザー銃の出力制御に使っていたのを流用してみよう。新レーザー銃でも使う予定なので、この際併せて動作確認だ。

 そして、LEDには電流計を直列しておけば、試験に便利。
 ここで、間違いに気付いた。電流計のレンジが100ミリアンペアだと思っていたが、良く見ると100マイクロアンペア。すなわち、0.1ミリアンペアしかない。
 手持ちに、適切なレンジの電流計はない。

 仕方ない、抵抗と電圧計で代用するか・・・こうして更にハンダ付けが増える。

 何か半端な手持ちパーツを総動員しているが、話がややこしくなっているのは購入した中華基板のせいでもある。いちおうAPC制御なのだが、この手のドライバー基板には普通半固定抵抗が乗っている。それで出力調整をするわけだ。

 しかるに手元の基板は、パターンだけ存在し抵抗が存在しない。
 使うLDのPD感度に合わせて、適切な抵抗を自分で取り付けろという訳だ。しかし、抵抗値をどうやって決定すれば良いかは不明。だから、試すしかない。
 問題は、抵抗の初期値である。過電流でLDを即死させないためには、小さな電流を流すための抵抗値はいかにあるべきか?を知らねばならない。

 外付け抵抗が大きいほどLD電流も大きくなるのか?
 それとも、外付け抵抗が小さいほどLD電流が大きくなるのか?
 そんな基本的な情報さえ不明なのでは、LD即死を回避できる保証がない。

 常識で考えれば、外付け抵抗はPDの電流を電圧に変換するために使用されるはずだ。だとすれば、抵抗値を大きくすれば、LD電流は小さくなる。

 抵抗値は1〜15KΩと指定があるので、15KΩで試す。実際は、5KΩのスライド抵抗と10KΩの直列。
 その結果、最初から過剰に電流が流れまくり。恐らくPDに十分な光が届いていない。LEDの側面にPDが当たっている配置。そこで、LEDとPDを向かい合わせにして、最大限の光がPDに入るようにしてみる。それでも相変わらず、電流が流れまくっている。スライド抵抗を動かしても、電流は最大に張り付いたままだ。
 もしかすると、このPDは650ナノメートル辺りに感度が無いのかもしれない。そもそもYAG波長のモニター用だったわけで。

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2015年9月26日(土) 18:23

行方不明からの部屋掃除

 PICの制御プログラムを見ていて、これまた記憶消失による誤解に気付いた。どうやら現在入ってるプログラムは、電流リミッターが5Aで効くようだ。
 電流はシャント電位差をオペアンプで増幅するというありがちな手法だが、電流値が小さいときは誤差が大きい。そこで、5〜6Aのフルパワー近辺で正確な値を表示できるような校正にしてある。要するに、表示が5Aで止まっていたが、それは正しい電流値だったのだ。
 電流値にズレがあるという記憶だけあったので、5A表示を見ても実際はこれ上限の6.25Aまで出ているんだろうな、と思いつつ励起LD動作試験やっていた。

 後日に外付け電流計で確認した方が良いだろうけど、励起LDの出力が7割しか出なかったのは電流が5Aしか流れていなかったのが一因の可能性が大だ。それに加えて、旧レーザー銃のデーターを取ったのは冬場だったのも忘れてはならない。レーザーダイオードは、気温が低いと同じ電流でも光出力は増大する。室温は、15度ぐらいの差がある。
 この2つを考慮すれば、パワーメーターが正確だったとしても、少なくとも8〜9割の出力は出ていたと思われる。
 励起LDの定格には余裕があるので、予定より供給電力を増やせば予定の光出力200ワットは可能かもしれない。無理でも180ワットとかかなり近い出力は狙えるだろう。

 俄然志気が上がり、完成に向けて本気で突っ走りたい。
 組み立て手順を考えると、次は照準用の同軸赤LDの取り付けだ。

 実用性を考えると、照準LDには電源スイッチを設けたい。ターゲットの害虫によっては、弱くてもレーザーを照射すると気付かれる可能性がある。レーザーを照射せずに光学照準で狙えば、完全に不意打ち可能だ。
 ついでに言うと、空冷ファンの停止スイッチは既にある(はずだ)。
 気温によるが自然空冷でも1分間ぐらいは照射可能なので、照準レーザー停止と合わせると、光も音も出さずに完全隠密から200ワットを叩き込める。これはレーザーだから、遠距離でも光学照準が外れることはない。

 だが、小さなスイッチ1つを取り付けるのが容易じゃない。
 今後も取り付けるパーツは多く、その大半には光ファイバーが付いて来る。光ファイバーは強く曲げることができず、引き回しには大きな制約が加わる。つまり、パーツの取り付け位置も大きく制約される。
 安易にスイッチを取り付けると、後で困る。困らないためには、完成までの取り付けるパーツと光ファイバーの配置を、全部想定しておかねばならない。

 可能性をあれこれ考え、新しく穴を開けるしかないとの結論に至る。
 光ファイバーをどう引き回しても、曲率を大きくすると筐体の隅は通過しない。よって、筐体の端近くは安全地帯となる。
 最終レーザー出力を手元に引っ張るための光ファイバー保護ケーブルを取り付け予定の12ミリ穴の隣に、6ミリの穴を開けたい。しかしまず4ミリの穴を開けた時点で、さあ困る。ここから6ミリに拡張するためタケノコドリルを使いたいが、行方不明(もはや様式美 ^_^;)。

 あるはずの物が見つからないと、掃除が捗る。最近の行方不明連発は、部屋を綺麗にするキッカケになると割り切っている。

 不用品の廃棄が難しいのは、不用であると判断するのが難しいからである。特にレーザー関係の場合、極めて入手が難しい物が多いため、どうしても取っておきたくなる。
 必要になる可能性が極めて低いが、必要になった場合の価値は極めて高い。そういう物を不用と判断するかどうかが難しい。

 例えばこれは、自作のRFドライバーである。用途は、音響光学素子の駆動。80MHzの高周波で、ワット単位のドライブ能力を持つ。アクティブQスイッチにより、YAGレーザーをQCW発振させるという、一般人にとっては恐ろしく縁の無い目的で使用する。
 このタイプのYAGレーザーは恐らく今後扱わないし、自分はQCWには余り興味がない。ピークパワーより平均パワーだ。しかし、やや旧式のレーザー発振器に対応しているため、コスパの良いジャンクが手に入る可能性がある。メインの機器としては不用だが、QCWも1つあって困るものではない。果たして捨てるべきか?となるとやっぱりレーザー在庫棚送りなんだよな。

 長さ3センチの Nd:YVO4 ロッドというレアものもあり、これは完全に不用である。どういう使い方しても、ファイバーレーザーに劣るとも勝らない結果にしかならない。別に危険物でも何でもないが、しかしそんなものヤフオクとかで需要あるのだろうか?
 あっさり捨てるには惜しいんだよな。

written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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