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2016年01月の記事

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2016年1月31日(日) 20:16

クラッドモード除去

 今の内に、確信を持っているが正しいかどうかは未確認の仮説を、確認しておく。確認のチャンスだからである。

 その仮説とは、現状では大量のクラッド透過光が存在するということ。そして、クラッド透過光を除去すれば、放出光はシャープになるだろうということ。

 まずは、現状。
 放出光は、これぐらい拡散している。

 ここで、AFとPFの融着部分に、熱伝導グリスを塗る。
 被服は除去されており、クラッドが露出している。水と空気以外の大抵の物質は、クラッドよりも屈折率が大きい。そのため、空気に接していたクラッドにグリス等が付着すると、クラッドに閉じ込められていた光が外部に漏洩する。

 これによりクラッド透過光が除去され、コア透過光が残るはずだ。

 期待通り、放出光が圧倒的にシャープになった。

 まだ僅かにぼやけているのは、AFとPFの融着が不完全で、新たなクラッド漏洩光を生じているせいだろう。

 仮説は実証された。
 クラッド露出部分にグリスではなくエポキシ等を塗ることでも、クラッド透過光を除去できるだろう。そうすれば、放出光を見ながらコア調芯することが、遥かに容易になるだろう。
 クラッド透過光を抱えたままでも、ある程度の調芯は可能だったのだから。

 ならば、実行だ。

 今回の実験は、AFとPFの融着点にグリスを塗った。すなわち、AFとPFを融着する前には使えない。更に手前の融着点に塗らねばならない。


 今回使ったのは、オレンジ色の↑の部分である。改めて赤い/の部分を切断し、クラッド除去を仕込まねばならない。結局、2本のAFと融着される4本のPFは、すべてバラす羽目になった。

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2016年1月30日(土) 18:05

不十分

 ごく僅かな放出光の変化を頼りに調芯に挑戦。

 左右のファイバーは間合いをギリギリまで狭くし、少しでも放出光が変化し易いようにする。

 今回の場合、X軸は見た目センターから少しズレた位置で放出光が最もシャープになった。

 しかし、放出光の変化は僅かなので、本当にこの位置がべストなのかどうかは分からない。やってみるしかない。

 光ファイバーの間合いを、普通のファイバーの場合と同じぐらいになるよう、ここから広げる。そして、ARCボタンを押す。果たして、無事にくっつくか?

 くっついたが、これまでとは異なる映像だ。
 融着点で、大きな段差があるように見える。

 ここで、赤色LDを発光させなかったのが、痛恨のミス。
 モニター画面で、なぜか赤色LD光が映るようになっているので、発光させれば融着点からの漏洩を直接確認できたはずだ。
 だが、それに気付いたのは光ファイバーを外した後だったので、手遅れ。

 光ファイバーの太さは、0.125ミリ。つまり、この画面に映っている範囲は0.4ミリぐらいしかない。一度外した光ファイバーの融着点を、再び観察できる位置にセットするのはほぼ不可能だ。

 融着前に見た目センターが合っていたY軸側観察では、スムーズにつながって見える。

 どうやら、クラッドのレンズ効果によりコアがズレて観察されるという仮説は正しそうな雰囲気。

 普通の光ファイバーと同じ間合いを開けてから融着放電を行うと、これまではコア同士がくっついてくれなかった。なぜか知らないが、間合いを思い切り接近させないとコア同士は融合しなかった。
 しかし今回初めて、普通の光ファイバーと同じ間合いからコアが融合した。断面8角形クラッドの特異なレンズ効果により、コアがズレて観察されそれに気付かずコアをズレたまま融着してしまっていた・・・という仮説は正しかったような雰囲気。

 なぜ「雰囲気」であり断言できないかと言えば、融着後の放出光が拡散気味なのだ。融着点からの漏洩光も、普通の光ファイバーより多い。以前よりは減っているが。

 黒塗りした照射点を見ると、それなりに収束しているように映るかもしれない。周辺に拡散する光量も多い。周辺が照射されるため、黒塗り部分が浮かび上がっている。

 NA=0.46という拡散ではないにしろ、これをNA=0.08と言い繕うのは辛い。

 融着前は、これより少しだけ拡散光が少なめだった。昨日の写真と比べて欲しい。つまり、調芯が不十分だった可能性が高い。しかし、最初から赤色LD光のクラッド成分が多量に存在した可能性もまた、高い。
 つまりは、AFとPFの融着と、その手前の融着と、両方が不完全な可能性が疑われる。

 このような放出光を観察することによってAFとPFの融着を正確に行おうとすれば、クラッドに入り込む赤色LD光をその手前で除去しておかねばならない。

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2016年1月29日(金) 21:35

危惧が当たる

 意外なことに、赤色LDを発光させると融着接続機のモニターで確認できた。
 どこが意外なんだ?と言われそうだが、これまでは発光させてもモニター映像に変化がなかった。モニターは赤外線でも使っていて、可視赤色には感度が無いのだと思い込んでいた。

 モニター映像の乱れは以前からだが、症状が悪化して可視感度が発生した?そんなわけ無いし、謎だ。

 とはいえ、赤色LDが観察可能なのはプラスである。

 右側の替え玉ファイバーを、AFに交換したところ。

 ゴミ焼却放電後も、謎の欠陥が残存している。実際の形状は不明だが、瑕疵無しファイバーと考えるのは余りに楽観的だろう。非常に悔しいが、再切断するしかない。

 再切断後のこの映像と比較すると、↑は明白に異常ファイバーだ。

 だが、いざ調芯を開始すると、懸念していた最悪の事態。

 放出光は無難にまとまっているが、光ファイバーの位置を動かしても変化がない。これでは、コアが合っているかどうか判別できない。
 光の広がり具合も、NA=0.08にしては広がり過ぎる気がする。かと言って、NA=0.46というほど拡散しているわけでもない。これもまた、謎だ。

 問題は、放置できる謎ではない点。
 全く調整の役に立たない!

 輝度が高過ぎて分かり難いので、黒マジックを塗って反射率を落とす。

 今度は、暗くなり過ぎたかもしれない。しかし、視点を変えて斜め角度から観察すると、光ファイバーの位置を変えると光の状態が僅かだが変わるように感じられる。

 X軸とY軸を行ったり来たり繰り返し、僅かでも光が収束している雰囲気がある位置を探す。
 光の変化が余りに僅かであるため、光ファイバーを全速で動かして光の変化速度を速くしないと、変化が分からない。つまり、位置の微調整ができない。

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2016年1月28日(木) 21:48

分解良し

 ちょいと失敗。

 最初の融着部分を保護するための長方形板を剥がすとき、マイナスドライバーの先が土台を引っ掻いてしまった。ミゾを横断する深い傷だ。機能的に致命傷ではないが、再整備を要する。

 巻きほぐしたアクティブファイバーは、ドラムに巻いて両端を出しておく。

 一端は綺麗にカットし、赤色LDの放出光がスムーズに出て来るようにしておく。

 放出光を観察しながら調芯できるかどうか、やってみなければ分からない。

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2016年1月27日(水) 22:27

分離

 すべてのネジがすんなり外れた方は、直線部分が接着され過ぎている。

 力ずくで剥がすことはできたものの、この部分の光ファイバーは全壊。再利用できない。
 しかも、残った部分は少し顔を出しているだけで、巻きほぐし困難。想定以上に接着剤が侵入していて、下手に引っ張ると破滅しそうだ。

 当初の予定では、巻きほぐしてからモナカを開くつもりだった。先にモナカを開けば、20回以上もぐるぐる巻きになっている光ファイバーが一気にほぐれ、収拾付かなくなると懸念したからである。もつれた光ファイバーをほぐすのは、とんでもない手間が掛かるし神経やられる。

 しかしモナカの一部が接着されてしまっている。
 止むを得ず、先にモナカを開き、接着部分を剥がす。

 光ファイバーに熱伝導グリスが付着しているおかげで、懸念された現象は発生しない。
 むしろ、ほぐす作業には絶好だ。適度な粘着力でくっついていて、破損の危険を感じない。うっかりテンション与えてしまっても、この状態ならば全体が柔軟に変形し、切れるような力が加わらない。
 もう一方のモナカも、先に開くのが良さそうだ。

 モナカを開けば、熱伝導グリスでベタベタの光ファイバーを収納しておかねばならない。だったら、もう一方はまだ開かずに放っておくべきだろう。

 想定外だったのは、厚さ0.3ミリの楕円薄板スペーサーである。
 土台側に接着しておいたのに、フタ側にくっついて分離された。

 アラルダイトが熱伝導グリスに混ざると、思った以上に接着力が落ちるようだ。熱伝導グリスの粘着力に負けるほどに。
 まあ作業が済んでしまえば接着力ゼロでも問題はないのだが。

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