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2020年6月30日(火) 21:24
X軸観測の光ファイバーは綺麗だが、Y軸観測だと左が少し欠けている。
仕上がりは見た目特に問題無いが、推定損失は少し大きくなってしまった。
ただ、この融着接続機の推定損失は結構いい加減なので、値は参考程度である。それよりは、仕上がりの見た目が重要。
慣れるに従って推定損失が減るようなら、後から融着し直しもアリ。
2本目の融着準備を整えてスタートボタンを押す。光ファイバーが前進し、テストもクリア。さあ調芯となった瞬間、モニターが真っ暗になった。いや、電源が切れた。
電源が不安定なのは最近ずっとだが、いったんONになったのが突然死ぬのは初めてだ。症状が悪化している感あるので、作業は急がねばならない。
新しい融着接続機はまだ使用に耐えないし、この古い方は老い先短いかもしれない。
ピントが外れた観測映像の方が、融着部分の縦筋が判別し易い。
それでもまあ小差なので、さっさと強化スリーブを熱収縮させてしまおう。そう考えた瞬間、強化スリーブを光ファイバーに通しておくのを忘れたことに気付く。
絶縁用の熱収縮チューブを銅線に通し忘れて、ハンダ付けしてしまったのと同じである。せっかく融着したものを、切断してやり直す羽目になった。
相変わらず、見た目は問題ない。
連続して、推定損失悪化記録を更新。でも、やはり見た目は変わらない。更に延々と数字だけ悪化するなら問題だが、もう少し様子を見よう。
まだどこかに故障とか、清掃不備とか、抱えてる可能性はある。ただし、今日は全くエラーは出て居ない。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2020年6月29日(月) 21:16
行き詰ったので、この勢いで従来の融着接続機も分解修理に挑戦しようと考えた。だが、気になった。分解の前に、清掃だろう。
清掃など、これまで散々やっている。だがそれは、光ファイバーをセットする部分が中心である。それ以外は、ブロワーを使うていど。
だが、新しい融着接続機をトリセツに従って清掃しただけで、見る目が変わった。
まず、新しい方と同様に対物レンズが目に付く。このレンズは、清掃すべきだ。ブロワーしか使っていなかったが、綿棒とクリーニング液の出番である。
それ以上に問題なのは、左のカバーに隠れているミラーだ。
このミラーの存在は最初から気付いていたが、殆ど意識しなかった。だが、新しい融着接続機で光源からミラーそして対物レンズを経てまたミラーという光路を経験したことにより、ここも見る目が変わった。
光源がこのカバーの奥に設置されていて、それがこの隠れたミラーで反射され導かれているのでは?
光源に関しては、「どこか見えにくい場所に設置されているのだろう」ぐらいにしか意識しておらず、追求していなかった。だから、カバーにかなり隠れたこのミラーが汚れているのを見ても、気にしなかったのだ。
しかし新しい融着接続機の清掃後に見ると、なぜこのミラーの汚れを気にしなかったのか?自分でも謎でしかない。後知恵とは、恐ろしいものだ。
仮にインフラ企業が事故を起こし、原因がこのミラーの汚れを清掃していなかったから・・・となったらネット上では叩きまくられるだろう。傍目からすれば、この汚れを放置していたなんて信じられないバカでしかない。だが、必要な情報が得られなければ、そういうものなのだ。
類似機種のトリセツが入手できて情報が増えたことと、類似機種を分解したことで光ファイバー観察光学系の理解ができたこと。それによって、このミラーの汚れを放置してはならないと見抜ける目が養われたのだ。
画面表示は大して変わっていないように感じるが、あれほど出まくったフォーカスエラーは出ない。それ以外のエラーも、出ない。
ミラーを清掃したら、不具合が直った。
これなら新しい融着接続機を買う必要は無かったように感じるが、前術のとおりである。仮に買っていなければ、ミラーが悪いと気付けなかっただろう。新しい融着接続機を買ったから、古い融着接続機を「修理」できたのである。
古い方はファイバーホルダーを使用しないため、素のままファイバーを取り付けても圧倒的な安定感がある。左右のVミゾの間隔が狭いのも、位置ズレを起こし難い信頼性と感じられる。
ほんと、新しい融着接続機を買ったことでパラダイムシフトが起きた。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2020年6月28日(日) 21:47
組み立てた後、光源にマスキングテープを貼ってみる。パターンは欠けておらず、著しい表示不良の原因とは考えられない。
筐体を半ば分解し、対物レンズから撮像カメラまでの光路を確認する。
カメラに、CCDの文字が見える。しかし、謎の汚れが確認できる。
光路自体は密閉されているので、経年劣化し辛いと思われる。余りに酷い表示不良が、果たして密閉光路内で起こるものだろぷか?
原因はどこかの汚れ、という推測が崩れかけて、不安になる。
対物レンズに近い側のカバーを外すと、細長い鏡が設置されていた。
表面のガラスが結構汚れているので、清掃する。
表示不良を発生させるほど酷い汚れに見えないが、密閉空間内でも汚れると判明。
明らかにミラーと思われるカバーを外すと、猛烈に汚染された円形ミラーが取り出せた。一見して分かる、これが表示不良の原因だ。
こんな汚染がなぜ発生したのか、余りに謎である。意図的に悪意を持って汚した、としか思えないほどだ。幸いにして、メッキ面は劣化しておらず清掃でピカピカになった。
再び光ファイバーをセットし、放電強度測定を行う。だが、最初のファイバー押し込み量測定でエラーが出る。
新しい融着接続機はこれまでの上位機種であり、非常に機能が豊富。しかしそのぶん手順が精緻に分かれていて、その1段階をクリアしないと次に進めない。放電強度測定だろうが本番融着だろうが、まずは自動的にファイバー押し込み量測定が実行される。これをパスしないと、何もできない。
これまでの融着接続機なら手動に切り替えて強行できたが、こいつは手動だと調芯しかできない。左右の光ファイバーの間合いを適正に調整するのは自動オンリーなので、そこまで自動でエラー無く進行しないと手動操作もできない。
映像の見た目だと、単純に暗いというよりピントが合っていないように思われる。これまでだとお馴染みのフォーカスエラーになっていたが、こっちはフォーカス調整範囲がやたら狭いようだ。
ファイバーホルダーにセットして取り扱う前提なせいか、光ファイバーのセット位置のズレに対する許容性が凄まじく小さい。
ピントが合っても、ファイバーセットエラーが出まくる。これじゃ、フォーカスエラーがファイバーセットエラーに変わっただけじゃないか・・・
リハーサルに使用している光ファイバーは、1本に繋がったものを2つに切断して使っているので、左右のパラメーターは完全に同一である。それなのに、見た目の太さがかなり違う。これは、左右のセット位置が大きくズレていることを意味する。いや、明らかに斜めになってるし。
左右のVミゾの間隔が広いので、セットし易いが位置ズレも大きくなり易い。Vミゾの隣でファイバーホルダーが光ファイバーをしっかり固定している前提なので、本来はズレが大きくならないのだろう。Vミゾだけの保持で作業しようと企てたが、それは至難っぽい。
光ファイバーを常に同じ位置で安定して保持できるよう、やはり何らかのホルダーを自作しないと話にならない。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2020年6月27日(土) 21:16
まあ中古というより、ジャンクだな。20年前に600万円で売られていた、FSM-30PF という機種である。さすがに4万円で買えるのは、ジャンク扱いの品しかない。ただし、マニュアルだけは付属していて、これの価値がでかい。
融着接続機という業務用しかない製品で、20年前のものとなるとネットでマニュアルを落とすなんてことはできない。そもそも、メーカーサイトに製品情報すらない。
何よりもまずは、マニュアルを参考に清掃だ。
ファイバー観測系の対物レンズは、見るからに曇っている。これで、マトモに動作する訳がない。
ところで左右に光ファイバーを保持する青いVミゾが見えるが、これまで使っていた融着接続機とは異なり、光ファイバーをホルダーにセットしてから取り付ける方式である。そのため、作業中に光ファイバーを触らずに済んで快適作業・・・というのは本来の製品の場合。
ジャンクの融着接続機の場合、ファイバーホルダーが付属していることは殆ど無い。
ファイバーホルダーは見た目が2000円で、実際は5万円ぐらいというとんでもないシロモノである。しかも、中古でも殆ど安くならない。と言うより、中古の出物が皆無に近い。
5万円もする見た目2000円のパーツなんて、誰でも手元に置いたまま本体だけ中古に流すよな。
ファイバーホルダーが無いことは分かっていたが、Vミゾとクランプは付いているので、このVミゾだけで光ファイバーを保持してやろうと目論んでいる。業務ならともかく、趣味の工作にはアバウトさも許される。
最悪、適当な台を自作すれば良い。先端の位置合わせは、Vミゾがしっかり行ってくれるのだから。
これまで使ってた奴に比べて、左右Vミゾの間隔が広いので、ホルダー無しでもセットし易い。
マニュアルには、光ファイバーの被覆を除去するホットストリッパーの使い方も書いてある。
引き抜く時は、ゆっくり行うべし・・・というのを初めて知った。ホットストリッパーを使うコツ、なんて情報もまた、ネットでは入手できない。グーグルさんに訊けば何でもかんでも解決する、というのは幻想である。
光ファイバーの取り扱いノウハウとか、レーザー発信機の実務的なノウハウというものは、ネットでは入手できない(断言)。
大金と自分の時間を使って収集するしかない、極めて貴重なノウハウだ。
ゆっくり引き抜いたら、嘘みたいに綺麗に被覆が除去できた。
あと、ホットストリッパーが対応していない被覆に関しても、記述がある。
余ったシングルモードファイバーの切れ端を使い、融着のリハーサルを行う。
だが、最初の間合い合わせの時点で、失敗する。そもそも、画面に光ファイバーが殆ど映っていない。しっかり清掃してのに、左端しか映っていない。
コントラストを調整すると、右は真っ黒ではなく、薄ぼんやりと影が見える。
どうもこれ、回路的なトラブルではなく物理的に汚れが付着しているパターンだ。
光源から撮像素子に至る光路のどこかに、汚れがある。清掃したミラーと対物レンズは、候補から除外される。
まずは、光源を取り外して確認する。
固定金具に錆が浮いていて、不穏だ。直接の関係は無いはずだが、当然清掃する。
肝心の光源は、細い円筒の奥で良く見えない。ブロアーは使えるが、綿棒も通らない。レンズが汚れていても、清掃できない。これ以上の分解も、難しいし。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
2020年6月26日(金) 21:01
1本を融着するだけでも大作業になっているので、見た目が良くない仕上がりだが念のため強化スリーブをセットし、仕上げておく。そして、マスキングテープで目印。
2本目以降の融着で、同じような仕上がりが続くようなら、このまま。2本目以降の仕上がりが好転するようなら、融着し直す。
以前も、作業に慣れるに従って、仕上がりや歩留まりは向上した。
こうして、2本目の融着に取り掛かる。
調芯以前の段階で、いつも通りフォーカスエラーが出る。
光ファイバーをセットし直してリトライすると、大惨事になった。
ファイバ前進中にて、適切な間合いを保って停止せず左右の光ファイバーが衝突。直後に「埃除去」のために弱いスパーク放電が実行され、軽度の融着。
これまで、光ファイバーの間合い判定が狂ったことは皆無だった。つまり、未曾有の事態が発生している。
埃除去の弱放電では完全な融着は行われず、リセットで光ファイバーが再び左右に分かれた。
だが、先端は衝突の圧力で曲がったままだ。明らかに、このままでは使えない。だが、それは本質的な問題ではない。間合いを判定できないという、異常事態が初めて発生した方が問題だ。
これは、融着接続機の故障と判断せざるを得ない。
電源スイッチが入り難いが、以前使ったときは液晶ディスプレイが時々乱れた。今回は液晶ディスプレイの乱れはないが、内蔵マイコンが取得する映像の方は乱れているのではあるまいか?
それで内蔵マイコンが正常に画像処理できず、間合い判定を誤るとか各種エラーは多発させているのでは?
中古の非常に古い融着接続機なので、止むを得ない。旧レーザー銃を壊さずに完成できていれば、融着接続機も不用だったのだが仕方ない。
新しく、中古の融着接続機を調達することにした。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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