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2020年10月の記事

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2020年10月31日(土) 21:17

アソビは絶対悪

 ギアボックスが破損してしまっているが、スペアとして丸ごと確保してある。しかしスペアは、ギアのアソビを減らすための処理を行っていない。
 砲塔固定であるSタンクにおいて、旋回時のアソビを減らすのは極めて重要である。ギアボックスのアソビは、可能な限り減らしたい。

 まずはパーツをバラし、グリスを除去するための洗浄から。

 固定されるパーツは、すべてエポキシで固める。基本的に、金属同士はオートウエルド。金属とプラスチックは、弾力エポキシを使う。メインは、オートウエルド。
 僅かにアソビが存在することで公差が吸収され、ギアの動きがスムーズになる。だが、Sタンクはアソビを減らす方が重要であり、走行抵抗が少し増えるデメリットには目を瞑る。

 実のところ、接着するわけに行かない回避不能なアソビも幾つか存在し、完全に処置してもアソビは半減がいいところである。
 それでも、アソビは減らす。主砲エアガンの照準を車体の旋回によって行う以上、アソビは絶対悪でしかない。

 オートウエルドは、固化に時間が掛かる。

 その間に、消費電流の確認を行おうと思い付いた。
 100アンペアまで計測可能なアナログ電流計を持っていることを、思い出したのだ。レーザー趣味では、こういう化け物が必要になる。

 何せ100Aスケールなので、数アンペアの測定では目盛りもアテにならない。だが一応計測してみると、
・超低速で3〜4A
・低速で2A
・最高速で7A

という感じになった。

 いよいよ本題。スロットルの激変緩和リミッターを外し、ストールを再現させてみる。

 60アンペア近く流れていると、確認できた。さすがの、100A直流電流計である。
 ブラシありの方だが、マブチモーターの540はストール時70Aとなっている。このブラシレスモーターは、ストールと言っても異音を発しており、回転子が振動している可能性が高い。だから、回転子が停止している場合より若干電流が小さいかもしれない。

 いずれにしろ最高効率時の540は消費13Aというカタログスペックも考慮すると、仮にヒューズを入れる場合に30Aでは不安がある。ストールしなくても、負荷が大きい時には簡単にヒューズが飛びそうだ。40〜50Aが適正だろう。
 すなわち、ヒューズの挿入は諦めざるを得ない。

 小型のヒューズは、30Aまでしかない。40Aになったとたん、ヒューズは異様に大きなサイズのものしかなくなる。ただでさえ空間の無いラジコンに、搭載する余地などない。
 レーシングカーだとラジコン戦車より電流は大きくなるので、尚更不可能だ、かくして、レーシングカーのラジコンにヒューズを積んでいる者など、誰もいない。

written by higashino [Sタンク 1/16] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2020年10月30日(金) 21:25

ステッピングモーター加工

 どうして当時さっさと処置しなかったのかが今や謎なのだが、ステッピングモーター制御基板をオートウエルドで固める。

 制御用ICは浮いているし、足ピッチは狭くて配線が密集し、非常におっかない状態。固めないと、安心して運用できない。とにかくこれは、静かに設置して運用する物ではない。屋外を走るラジコン戦車に搭載して、運用するものなのだ。

 実物の戦車とは異なり、ラジコン戦車に敵弾を防ぐ能力は必要ない。だが、搭載機器を外乱から守る能力は必要だ。その意味で、ステンレス車体の安心感は圧倒的なものがある。

 基板の表側も、要所をオートウエルドで固めてある。
 制御マイコンのソケット2段重ねも終了し、直接挿して安定させてある。

 念のため、再び動作確認。
 ステッピングモーターは、むしろ脱調し難くなった感じがする。動作に問題はなく、制御基板の保護は成功だ。

 いよいよ、ステッピングモーターをギアボックスに取り付ける。

 540モーターの直径が36ミリなのに対し、このステッピングモーターは対角38ミリある。そのままでは、ギアボックスに入らない。そこで、4辺を対角1ミリ分ずつ削る。ネジ穴まで侵食することなく必要量を削れるかどうか不安だったが、大丈夫な模様。それに、削るのは全長の半分以下だ。

 いっぽう、ピニオンギアも厄介。
 540モーターのシャフトは直径3.125ミリなのに対し、ステッピングモーターは5ミリ。つまり、穴を5ミリにボアアップせねばならない。12歯しかない細いピニオンギアで、5ミリ化など可能なのか?
 試してみたところ、可能っぽい。だが、偏芯してしまい使い物にならない。

 両側から交互に少しずつドリルを使い、偏芯しないよう注意しつつ新しいピニオンギアに長時間掛けて穴を開け直す。

 実用的な仕上がりになった。
 ただし、偏芯させない場合はイモネジ穴の部分が破損してしまった。だが、かなりキツいのでイモネジ無しでも実用できそうだ。念のため、タミヤの瞬間接着剤を流し込んでおく。

 ともあれこれで、パワーパック組み立ての準備ができた。

written by higashino [Sタンク 1/16] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2020年10月29日(木) 21:12

久々ステッピングモーター

 受信機基板の dsPIC には、8ビットパラレル出力用のコネクターが未設置。

 面倒なメスコネクター8Pを組み立てて、基板に取り付ける。

 これで残存配線は、詳細仕様未定のドーザーブレード制御信号だけとなった。

 ステッピングモーター電源のDCコンバーター基板を側壁に取り付け、電源配線。

 ステッピングモーター制御基板の電源コネクターは、正式なものを取り付け。何とか、配線の濁流の中で生き残っている。

 8ビットパラレル値を dsPIC から送信する場合、16ビット幅なのが厄介。そこで、同時送信になるピンにはソフトウェアSPI送信を割り当ててある。SPI送信と一緒に、ステッピングモーターへのパラレル値を送り続ける。
 このあたり、旧基板の8ビットPICとは異なるプログラムが必要。

 配線を完了させ、制御元も dsPIC に置き換わった。
 何ヶ月ぶりかで動作させると、ステッピングモーターは素直に言うことを聞いてくれた。フルスロットルにすると時々脱調検出リカバーが働いてギクシャクするが、全般としては実用可能レベル。
 脱調が発生してもマイコンが暴走したりしないので、即座にリカバーされストールが何秒も続くようなことはない。

written by higashino [Sタンク 1/16] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2020年10月28日(水) 21:06

見切り発車

 割り込みルーチン内でウエイトを掛けないよう、まっとうな処理に変更。
 しかし、ストールは収まらない。

 ウエイトが必要になるような、相をすぐに移行させない超低速において、いきなりスロットルを開けるとトラブルになる感じ。
 ならば次は、相が変化するまで待ってから、スロットルの変化を反映するように修正してみよう。

 結果は、まるで効果無し。
 だが、激変緩和を強化し、フルスロットルまで0.1秒程度で到達していたのを1秒程度で到達するようにしたところ、ストールが激減した。超低速回転を抜けてウエイト無しの低速回転を確実に経るようにすれば、ストールを回避できるようだ。ウエイト無しの低速回転を確実に経させる、というのは案外処理が難しく、激変緩和を強めるのが最も簡単。
 しかしこれでストールが収まるほど、タチが良くない。高速回転から一気に停止状態に戻す場合にも、ストールが多発する。

 ニュートラルに戻すとき、必ず一度だけ低速回転を経るようにすると、スロットル戻しでのストールは減少。だが、時々ストールする。これはもう、減速時もしっかり激変緩和させるしかあるまい。
 ここまで激変緩和が複雑になると、PWMではなく操作スティックの動きに激変緩和を掛けた方が簡単だ。こんなもの、レーシングカーでは使い物にならない。でも、レーシングカーを走らせたいなら、改造ESCではなく普通に市販ESCを使えばいい。いま作っているのは、あくまでラジコン戦車用である。戦車的に問題がない仕様であれば、問題はない。

 根本的にストールの原因を把握するのがベストだが、いい加減ウザくなって来た。走行用ブラシレスモーターを手懐けるのに、いったいどれほどの手間と時間と費用が掛かっているのか・・・

 ニュートラルからフルスロットルまで0.5秒程度を要するように調整したところ、ストールせず快調に操作できるようになった。0.5秒ぐらいなら、戦車としてレスポンスに不満を感じることもない。こんなことが必要なのは、戦車ならではの超低速走行能力と引き換えみたいになってるので、仕方ないと思うことはできる。
 許容変化量を書き換えるだけでストールは再現できるので、原因究明を再開することも容易。余りに疲れたので、当面は対症療法で手懐けておき、先に進もうと思う。
 ストールすると大電流が流れるので、やはり動作試験中はリチウムイオンバッテリーを使いたくない。

 見切り発車と言うか、これ以上ここで戦っていても士気を保てない。

 ノイズで制御不能になるような致命的な状況ではなく、運用回避可能と思われる。ならば、問題を先送りするのも1つの決断だ。さもないと、このプロジェクト自体が頓挫するだろう。

 パワーパックもう1つの要素・・・旋回用ステッピングモーターを仕上げることにする。
 まずは、旋回値8ビットをパラレル送信するための8ピンコネクターを、2ミリピッチのものに交換。

written by higashino [Sタンク 1/16] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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2020年10月27日(火) 22:01

試行錯誤

 これまではDUTY80以下に制限していたが、DUTY100まで回せるようにプログラム改変。結果は、難無くフルパワーまで回せた。これで事実上、問題点は「いきなりフルスロットル」でのストールだけとなった。
 戦車だから、スロットルの急変をソフト的に阻止するようなプログラムにすることは可能である。レーシングカーとは異なり、それによって実用性が損なわれることはない。しかし、スロットルを急変させなければストールしない、という保証はないわけで、可能ならストールの原因を突き止めるべきだ。

 ストールするとモーターは異音を発しつつ、回転しない。制御用基板に接続したLCDは、表示が消える。送信機にはテレメトリーが更新されなくなる。
 ストール時には、マイコンが暴走しているかのように見える。単なる暴走ならウォッチドッグにより1秒以内に復活するが、ストール中ずっと派手にノイズを発生させているのか?数秒しないと復帰しないことが多い。ストールのせいでマイコンが暴走するのか、マイコンが暴走したせいでストールするのか、その違いは重要だ。

 マイコンが暴走すれば、ストールするのは当然である。しかし、いきなりフルスロットルにしない限りは動作に問題がないため、モーターがノイズを常時バラ撒いているとは考え難い。通信エラーも、LCD表示バグも、発生していない。

 ストールの原因とは考え難いが、制御上問題がある設定に気付く。それは、PWMの周期を変えるタイミングだ。
 PWMの周期を変えたとき、実際にその変更を反映するタイミングは?
 dsPIC では、「即時反映」と「PWM周期完了後に反映」の2通りを選べる。イレギュラーなDUTYの発生を防ぐのであれば、後者が望ましい。しかしブラシレス制御では、即時性の方が重要だ。どう考えても、前者が正解。しかし、現状は一般論に引きずられて、後者になっている。これを、即時反映に変更すべきだ。
 PWM周期は45μ秒ていどに設定しているので、即時更新かどうかは若干の影響がある。

 PWM設定を変えたことで動作に分かるような変化は無く、予想通りストールの発生にも影響は無かった。

 ソフトウェア視点だと、ストールは理解不能である。起きるはずのないことが、起きている。
 そうなると、原因はハード側かもしれない。例えば、ホールセンサーの状態が変化するタイミングは、回転速度によって変化するとか。試しに、隣接相に切り替えるのではなく、2相先に切り替えるようにしてみる。
 結果は、事態が悪化した。一気にフルスロットルにする場合はもちろん、フルスロットルから一気にニュートラルに戻そうとしてもストールする。
 うんざりした。もう、激変緩和措置で良い気がする。

 その後、かなり進展した。
 激変緩和措置でも、ストールは収まらなかった。ところが、更に1つの修正を行ったところ、ストールが収まったのだ。その修正とは、超低速回転を実現するためのウエイトを無くしたこと。激変緩和措置との併用により、ストールは収まった。一方の措置だけでは、ストールは収まらない。
 これでストールを収めると超低速走行できなくなるので、意味がない。だが、ソフトウェアの修正で何とかなる目処が付いた。要するに、手間を惜しんで割り込みルーチン中でウエイトを入れる手抜きをしたのが悪い可能性が大。割り込みをさっさと抜けたうえでウエイトを掛けるように作り直せば(当然そっちはプログラミングが面倒臭い)、解決する匂いぷんぷんだ(解決するとは言ってない)。

written by higashino [Sタンク 1/16] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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