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2024年5月27日(月) 20:52

ローサイド正常化

 動作の不具合が酷く、調査と修正には手間取ることが予想される。
 特に調査においては基板をいじることが多くなるが、システム一式が肥大化していて作業と試験動作の繰り返しが大きな負担になる。

 そこで、システム一式に組み込むことなく基板単独で試験できるように修正する。急がば回れ、だ。

 送信機のトリガーではなく、基板上にボタンを増設してそれをトリガー代わりに出来るようにする。左舷で唯一空いていたRA4ピンを、ボタン入力に使う。

 変換コネクターを作り、電源もラジコンバッテリー直結で取れるようにする。

 基板上のボタンを押すとLEDが光るプログラムを書き込み、基本的な動作を確認する。これぐらいでは、トラブル無し。

 続いて、基板上のボタンを押すことでゲートドライブのシーケンスが実行されるよう、プログラムを書き換える。この時点で、バグを発見した。
 ゲートドライブ(発射)シーケンスでは、まず NOT5V をLにしてローサイドのゲートドライブ電源に通電する。パスコンをチャージするため20ミリ秒待ち、それからゲートドライブを実行する。ところがバグにより、20ミリ秒のチャージ待ちがスルーされていた。
 これでは、ローサイドのゲートドライブ電位が上がらなかったのは当然だ。

 バグを修正して単体試験を実行。今度は想定通りの矩形パターンが現れた。ローサイドのゲートドライブは、当然に正常となった。だが、修正箇所からしてこれも当然に、ハイサイドに変化は見られない。いよいよ、なぜハイサイドのゲートドライブができないのか調査だ。

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2024年5月26日(日) 22:05

動作試験は論外

 ゲートドライブ基板の仕上がりが余りに怪しいので、動作試験の準備。

 ラジコンバッテリー電源をそのまま基板外に引き出し、バナナプラグを取り付ける。そこに、ローサイドとハイサイドのIGBTユニットのソースを接続。
 ローサイドのソースは普通にシステム共通GNDとなり、ハイサイドのソースはラジコンバッテリー電圧分嵩上げされる。

 ゲート配線は、コネクターではなく直接のハンダ付け。ここまでコネクターにしてもハンダ付けの簡単なだけに、メリットが小さいと判断。

 PIC16F1579 にもプログラムを書き込む。

 トリガー信号を受信するとローサイドのゲートドライブに20ミリ秒のチャージを行い、それからローサイドとハイサイドのゲートを同時駆動する。1ミリ秒だけゲートONにしてから、OFFに戻す。

 ゲート電位はオシロでモニターする。すると、どっちも異常。

 ローサイドはゲート電位の上昇が遅く、ON期間も0.6ミリ秒ぐらいしかない。
 ハイサイドは、そもそもONになっていない。

 なんか、無茶苦茶である。これで撃ってたら中間段のIGBTユニットがゲート半端電位で破壊されているパターンだ。
 唯一の収穫として、MCLRピンが入力になら流用できることが確認できた。

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2024年5月25日(土) 19:20

ゲート配線

 大変なミスが発覚した。

 IGBTユニットのゲートに配線をハンダ付けする必要があるので、作業しようとした。だが、ハイサイドのユニットはプルダウン抵抗を除去したせいでハンダ付けできない!
 プルダウン抵抗の足に配線をハンダ付けする予定だったのに、プルダウン抵抗を足ごと全部切り取ってしまったのだ。

 地味に詰んだので、仕方なくユニットを作り直す。
 3つずつ組み合わせ、バナナプラグを取り付けていく面倒な作業。

 更に2つ目のバナナプラグをハンダ付け。

 今度は足を残してプルダウン抵抗を切り取り、ゲート配線をハンダ付け。

 4個所のローサイドは、IGBTユニットをプラグから抜いてゲート配線する。

 本番での実装を考えると、中間段は寝かせてコイルへの配線を下に出し、コンデンサーへの配線は上に出すことで何とかなりそうだ。両端はどう頑張っても収まらないのだが、しょせん両端の2個所だけである。コイル長よりも余分な空間を占有させても影響は小さい。
 実装は光明が見えて来た。だが、射撃できなければ意味はない。

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2024年5月24日(金) 19:53

自衛隊のレールガン

 ところで、コイルガンと似たものにレールガンがある。一般にはレールガンの方が遥かにメジャーである。自衛隊がマジメに開発を進めているのは周知で、youtube でも威勢のよい個人製作の紹介動画が豊富だ。
 しかし科学的興味を満たす動画は、公式含めてほとんどない。

 実際には、自衛隊が開発中のレールガンは、詳細なスペックが公開されている。
・口径40ミリ
・全長6メートル
・重量8トン
・初速2297m/s
・飛翔体重量320グラム(たぶん弾丸+電気子+装弾筒)
・コンデンサー充電電圧8500ボルト
・充電エネルギー500万ジュール

 ここから計算すると、コンデンサーの静電容量は34.3F(3430万μF)となる。あきらかに戦車に積める量ではない・・・っとこの言い方は紛らわしいな。
 静電容量ではなく500万ジュールという蓄積エネルギーの方が直接効いて来て、電解コンデンサーなら数トンで済むかもしれない。しかしレールガンの高電圧大電流に電解コンデンサーは無理がある。普通はフィルムコンデンサーやオイルコンデンサーなどを使う。そうすると重量も1桁大きくなってしまう。現在の科学技術では、まだ戦車に積めるほどエネルギー密度の大きなコンデンサーを作ることができない。EVがバッテリー性能で苦しんでいるのに似ている。

 充電もそうだ。5秒に1発という連射と言い難い速度を実現するだけでも、100万ワットの充電能力が必要。1000キロワットである。EV用の高速充電器でも、250〜350キロワットが最前線である。1秒に2発撃ちたいなら、1万キロワットで充電できねばならない。1門のレールガンが、原発の1%に相当する電力を必要とする。しかもこれは、充電効率100%での数値だ。
 より大型の実用砲になれば、これらの数字が更に何倍にも膨れ上がる。当然に自衛隊も、艦艇搭載で考えている。

 ついでに、等加速度と近似して計算すると6メートルで秒速2297メートルを出す加速度は平均4万5千Gで、加速時間は5.2ミリ秒である。500万ジュールをこの時間で放電するので、100万キロワットに近い。初期電圧が8500Vあっても、10万アンペアのオーダーで電流が流れるのは間違いない。

 更に興味深いのが、効率。飛翔体の運動エネルギーは84.4万ジュールなので、効率が17%ぐらいになる。火薬銃の効率が30%ぐらいと言われるので、やや低い。それでも、コイルガンでは実現困難な高効率だ。コイルガンを自作している立場だと明白に分かる。初速といい効率といい絶望的に対抗不可能。兵器としてレールガンが研究されてもコイルガンが研究されないのは当然である。

 コイルガン同様レールガンにおいても、初速を上げるほど効率は低下する。よって、用途に適した初速以上に初速を上げるのは無駄である。ロマン兵器ではなく実用兵器なのだ。
 レールガンなら初速をもっと出して欲しい気がするが、既に火薬より明らかに効率は低下している。これ以上初速を上げるのは実用的ではないとの判断だろう。

 自分が製作に挑戦しているコイルガンはしょせんオモチャであり、だからロマン兵器と言える。よって無駄に初速を上げたいのだが、コイルガンはそこが苦手である。それでもオモチャ領域ではレールガンより圧倒的に使い勝手は良い。

 ダイオードの残った足に配線して行くと、やはりIGBTユニットのない中間段ハイサイドはコネクターが無駄過ぎる。もう今のうちからコネクターを除去し、配線をダイオードに直接ハンダ付けする。

 こうやって作ってると、コンデンサーをコネクター化するのはアリだと感じる。

 コイル接続用配線にタグを付けておくと、作業が無茶苦茶捗ることも実感。

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2024年5月23日(木) 21:23

ユニット組み立て進行

 IGBTユニットは使い回せることが大事なので、ローサイドとハイサイドの違いは仕方ないとしても同一サイドのものは互換性があるようにプラグをハンダ付けする。

 いっぽうダイオードの3並列ユニットは、2並列にしたものを一気生産。こっちもローサイドとハイサイドでは、折る足が異なる。足を折りつつハンダ付けするのは3つ目を取り付ける段階で行う。2つまでなら、全部同じだ。

 極性を非常に取り違え易いので、組み立てが正しく出来ているか不安が大きい。

 そのため、同じ仕上がりになるはずのものをコピー製作などしない。すべて独立して組み立てて行き、同じ仕上がりになるはずのものが同じ仕上がりになっているのかを後から比較する。幸いにして、問題ないようだ。
 ダイオードに直接ハンダ付けした配線が1本だけ赤いが、本来はすべてが黒のつもりだった。配線には20番を使いたかったのだが、20番は店頭に少ない。各色取り揃えることができず、仕方なく黒だけ。その代わりマスキングテープを使い、区別を書き込んである。

 それでも20番は不足し、諦めて少し太い18番を使ったのが赤配線だ。
 取り回しが悪化し重量も増大するが、もちろん性能面ではプラスである。20番で恐らく実用上は大丈夫なので、18番を使うのは「無駄」と判断していた。しかし入手性は圧倒的に18番が上なので、本番ではすべて18番に統一しようと思う。

 ダイオードユニットも使い回せた方が良いだろうと、中間段のハイサイド用(IGBTユニット不要)にもバナナプラグを取り付けた。しかしそのせいで、中間段と両端段で配線を引き出す方向が逆になってしまった。これは、実装時に配線の引き回しが不利になる可能性ありだ。
 支障があれば本番では、中間段のハイサイド用ダイオードはバナナプラグを廃し、配線を直接ハンダ付けする。

 現在組み立てているコイルガンはあくまでテスト用であり、動作試験だけでなく最適な実装を探るための参考にもしている。この実装で判明した支障を改善し、本番の実装を行う。

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