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2008年1月19日(土) 18:12

ダイクロイック

 レーザースキャナーに搭載するのは共立グリーンレーザー改が手頃である。価格的にも出力的にも。ブルーレーザーはまだ高価であり、バッテリー駆動のお手軽レーザースキャナーに搭載するのは難しい。しかし、赤のレーザーもまた十分に使い物になる。緑に比べると肉眼には暗く映るため、何倍もの出力が欲しい。それでも200ミリワット程度までならDPSSではない素の半導体レーザーで簡単に入手出来る。
 そうなると、緑と赤のレーザーを搭載して同時に使えないだろうか?と考えたくなる。混合すれば黄色が出るので、3色使える。緑の単色と、緑赤黄の3色ではもう圧倒的に見栄えが変わるだろう。

 問題となるのは、緑と赤のレーザーを同軸に合成せねばならないこと。
 レーザースキャナーのミラーは小さい。小さい方が慣性が小さいため高速で動かせるからである。2本のレーザーを同時に反射させるのは無理であり、2色のレーザーを1本にまとめねばならない。このような用途に使用されるのが、ダイクロイック dichroic と呼ばれるミラーあるいはプリズムである。

 ダイクロイックは特定の波長を反射し、残りを透過させる。フィルターのように「吸収」という分が無いために加熱されないし、光を無駄無く使える。だが、そんな魔法を実現出来るのは誘電多層膜であり、例によって恐ろしく高価なのだ。
 小指の爪サイズで、3万円とか4万円する!

 この超高価な魔法のガラスが使われている日常品が3CCDのビデオカメラである。古いSD解像度のジャンクからレンズユニットを取り出してみた。

 デジカメに3CCDタイプが登場しないのは、レンズとの距離が必要になり小型化が難しいからだろう。しかし、ミラーボックスのためにレンズとの間合いが広い一眼レフタイプなら、レフレックスを諦めれば可能だと思われる。そんな高級デジカメが登場しない最大の理由は、ダイクロイックの価格だろう。
 ビデオ普及機の何十倍もの面積を持つダイクロイックが必要となり、その価格だけでとんでもないことになってしまう。

 レンズユニットの尻にくっついているのが、CCDユニット。3原色に応じて3つある。
 レンズから入った光は、ダイクロイックミラーにより3原色に分離され、それぞれ別のCCDに入射する。フィルターでRGBに分離させると、フィルターに吸収された光の分だけ感度が低下してしまう。しかしダイクロイックでは吸収せずに分離だけさせるため、すべての光が3つのCCDのいずれかに到達しロスが無い。感度も落ちない。
 逆にCCD側からRGBの光を単独で照射すると、合成される。今回はRとGだけ使用しBは使わない。

 ところが、ダイクロイックとCCDが一体に固められている。精度とホコリを考えれば当たり前だが、欲しいのはダイクロイックだけである。

 強引に破壊すると、ダイクロイックも割れてしまった。ミラーではなくプリズムだったようだ。
 しかし、直径2ミリ程度は無事な領域が残っているため、十分に使える。写真で上を向いているのが緑で、左を向いているのが赤だ。
 試しに黒共立改グリーンを撃ち込むと、右側に放射された。一部はRやBの窓からも漏洩するが、大半は反射される。レーザーショーでは究極まで光出力を出さねばならないものでもないので、実用になるだろう。

 合成を完全に行おうとすれば、ダイクロイックと2本のレーザーの位置角度を正確に調整せねばならない。レーザー1本だけを固定するのとは比較にならない手間暇が掛かる。しかし3色使えるというメリットは、そのコストに引き合うだろう。

written by higashino [ガルバノメーター] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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