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2006年5月30日(火) 17:40

安定共振器

 ネットでは様々な情報が手に入るが、特定の情報がどうしても入手できないという事態にもしばしば遭遇する。
 共振器、安定条件などで検索しても駄目パターン。ヒットするのは論文の目次や書籍の目次ばかりだ。知りたいのは中身なんだよ目次ぢゃねぇ!と怒鳴りたくなることばかり。
 中には、そのものズバリの試験問題がアップされていて、「頼むから回答も掲載してくれ!」(;_;)
 結局本を買うしかないようだ。知りたいノウハウが一杯書いてあるので、専門書は自作する上でも有用。高いけど。
 だが腹が立つのは、途中経過は複雑ながら結論はシンプルなこと。レーザーの共振器が安定する条件は・・・

 こんな簡単な式なのである!
 複雑怪奇な説明を延々しなくてはならないから誰もネットでは公開していないのだと思っていたら、そうではなかった。なぜ誰も公開してくれていないのか極めて謎だ。
 レーザー砲のコンテンツを整理して表サイトにアップする暁には詳細な説明付けて当然掲載するつもりだ。
 Lは共振器長、RはRound Of Curve すなわちミラーの曲率である。ミラーを球面の一部と考えたとき、球面の中心とミラーの距離。ミラーは2枚あるのでR1とR2がある。
 平面ミラーはRが無限大と考えるので、Lを割るとゼロになる。ここから、一方が平面ミラーの場合の安定条件はLがROC以下であることだと言うのも簡単に分かる。

 DPSSは実装上の問題がいろいろある。熱レンズもその1つ。ROCがある程度大きな緩めのミラーの方が安定条件を満たし易いが、熱レンズ効果がROCを上回ると安定不能となる。
 そこで、ある程度ROCの小さなキツいミラーが欲しいが、今度は共振器内のビーム太さが大きく変化する。YAG結晶内部の出来るだけ大きな体積をビームが貫いてくれないと、励起光の利用効率が悪くなる。
 最大効率は同じ曲率の凹ミラー2枚をYAG棒の両側等距離に置いた場合となる。両平面ミラーにすると熱レンズで即死する。だが、これではミラー際のビーム拡散がでかい。ビームも一番太い。NLOでグリーン変換する効率は、ビームが平行に近くビーム密度が高いほど向上する。
 つまり、最大のYAG出力を得られる共振器は、グリーン変換効率が最低になってしまうのだ。レーザー砲ではYAG出力よりNLO結晶での変換効率を優先させ、片平面ミラーの際にNLOを置く。

 ただ、安定条件自体は結構余裕があり、共振長を15センチ以下にすれば良い。熱レンズ効果によりROCの実質が大きくなっても安定条件は崩れない。
 となると、これまで共振しなかったのは安定条件の問題ではなくミラーの向きが不適切だった可能性が高い。今日は共振長12センチで設定してみたが、これでも旧レーザー砲より何倍も長い上にミラー2枚ともフリーだ。
 まず考えたのはリアミラーだけ設置しての向き調整。YAG棒を少しだけ光らせて正面からビデオで覗く。リアミラーの向きが適切になったら、見える光が急に強くなって分かるんじゃないか?
 ところが、いざやってみると明る過ぎてビデオ画面が飽和し、ミラーを動かしても変化がまるで分からない。ならばと敷居以下ずっと下に電流を落として暗くしたが、暗いだけでやはりミラーの向きに伴う明るさ変化は判別不能。つまり調整不能。

 仕方なくこれまで通りレーザーポインターを設置して調整。ここで新発見。リアミラー後方からリアミラーとYAG棒を貫いてOCでレーザーポインターを反射させ、それを元の位置で受けるのは無理だと思っていた。なぜだがYAG棒を貫けない。
 ところが、今日は戻り光を捉えられた。これまでは調整が甘かったようだ。戻り光はリアミラーからの反射やYAG棒からの反射が混じる。ARコーティング対応波長とかなり違うからだ。OCすぐ内側に紙を差し込んたり抜き去ったりすると、重なった反射光のうちOCからの分だけが変化し判別可能となる。

 だが、2回も凹ミラーを通過して光はかなり歪んでいる。これでは正確な調整は出来ない。リアミラー自体の向きも同様。これまでよりかなり適切に向きを合わせられた手応えがあったものの、今日も共振に持ち込めず。
 写真は画質アップのため複数枚を合成してるのでブレて見える。
 共振していない状態でミラーをいじくって、そのうちうまく共振してくれるほど角度調整は甘くないようだ。共振させるにはもっと精密な調整環境が必要っぽい。ビデオもYAG棒のピタリと真正面に固定できれば役立つかもしれない。

 プロ的には途中にレンズ挟んだりいろいろ効率的なグリーンYAG共振器の作り方があるようだ。しかし、シンプルな2枚鏡だけでも調整に大苦戦するアナチュアには容易に手が出せない。

written by higashino [レーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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