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2014年3月16日(日) 20:52

近視眼的社会

 NTT電話回線復活したが、作業に2時間近く掛かっていた。相当に苦戦していた模様。
 結局は屋外のNTT持ち分がおかしかったようだが、一度は外部ハード交換したので大丈夫なはず、とやったものの不通。すわ屋内配線が異常か!?と焦ることになった。屋内配線は一部しか露出しておらず、断線箇所によっては復旧に時間を要してしまう。ネットというライフラインにとって、それは極めて痛い。
 幸いにして再度の作業によりOK。

 ここで気付いた。
 トラブル頻発したのはNTTの怠慢とかではなく、単純に設備が老朽化していたからではないか?
 電電公社時代に引かれたメタル線だとすれば、相当な時間が経過しているはずだ。昭和だ電電公社だと言ってた頃は敷設から年月が経っていなかったのでトラブルは起きなかったと。

 インフラが老朽化すると、厄介なことになる。
 何も無い状態から橋を架けたり道路を整備すると、それによって流通が便利になり経済活動にプラスとなる。そのため、工事代金よりも多くの経済的メリットが生まれる。これを、乗数効果と呼ぶ。社会資本が不十分だった時代は、公共事業により社会資本を整備することで、大きな乗数効果が得られた。土建国家には、正当な理由が存在したのである。
 しかし、既に存在する社会資本を更新しても、これまでと変わらないだけで波及効果はない。だから、工事代金の分しか経済的メリットは生まれない。こうなると、無駄な公共事業という批判も当然だ。厄介なのは、波及効果がないからと言って老朽化資本の更新を止めるという訳に行かないこと。

 成長期は、景気を良くするのは簡単だ。だが、成熟期に入れば、そう簡単には行かない。
 バイオやロボットなど未開の世界で社会資本を整備すれば、乗数効果が期待できる。だからと言って、老朽化した橋やトンネルを放置することもできない。
 マンションなども同様で、建てただけでは済まず定期的に修繕を行わねばならない。トイレや風呂や洗面などの水周りは、15年もすれば劣化して漏れまくる。鉄筋コンクリートでも、寿命は60年ぐらい。

 こういう話を聞くと、ほんと現代は刹那的利益を求めて更新寿命を考えなくなった欠陥社会だという気がして来る。
 2000年前に作られたローマの水道が、未だに使用されている。それなのに、現代の水道管や建築は、遥かに短時間で使い物にならなくなる。一事が万事、墨で書かれた1000年前の文書が読めるのに、デジタル記録は数十年放置しておいただけで消えてしまうというのが問題になっている。メンテナンスフリーで1000年もつインフラを開発する、という方向には殆ど研究が行われない。そういうものこそ実際は子孫のためになるのに、近視眼的な研究しか行われていない。

written by higashino [LIFE] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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