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2009年6月5日(金) 21:26
何度も構想はするがすぐボツになった超多段式コイルガン計画。性懲りもなくまた動き始める。今回は、製作の容易なハイサイド抜きのタイプであり、ハイサイドありのストームタイガーと比較することで実用性の検証を行う目的もある。当初は10段あたりで始め、見込みがありそうなら拡張する。
上が、1/24ストームタイガ搭載の順送り回生型放電回路。そして下が、今回の超多段式計画で試すループ回生型放電回路である。
常に1つ銃口寄りの隣接コンデンサーに電荷を回収することでハイサイド素子を廃止し、銃口端のコンデンサーは砲尾端コンデンサーに回収する。こうして、ローサイド素子だけにする。最終的にはC4の電圧よりC1の電圧が高くなるため、電流がL1を通してC2に流れL2を通してC3に流れ、後方のコイルがパチンコ玉を引き戻す力を発生させる。だから、4段程度でループ回生やるのは性能を劣化させるだろう。
ところが、L1などコイルはインダクタンスが大きいため、1万分の1秒というコイルガンの時間スケールで見た場合には電流の増大に時間を要する。10段20段となればそれなりのインダクタンスを持ったコイルが10個とか20個直列に入ってるから、銃口に近い側のコイルはなかなか電流が増えないはずだ。
一方でパチンコ玉は最高速に達しているから、目立った悪影響が発生する前に銃口から十分な距離を飛翔し離れていると皮算用される。だから、段数が多いコイルガンではループ回生が実用になるのでは?と踏んだ次第。
だが冷静に考え直すと、ループさせては駄目なわけで。
発射直後に、C1の電圧が下がり始める。一方でC4はフル充電されている。だから、L4を通してC4からC1に電流が流れてしまうのだ。
どうやら銃口端だけはハイサイドを残すか、銃口端だけは回生用に専用コンデンサーを用意するしかないようだ。次のチャージを行う直前に回収専用C5とC1を接続すれば、C5の電荷がC1以下へと放出される。コイル段数が増えるほど、回収専用を用意する無駄は小さくなる。
後は、ネットの投入ジュール数がどの程度減るかだ。
放電と回収を別のコンデンサーで行うハイサイド省略型は、コンデンサーに電荷が残存し易い。それによって2発目以降の投入ジュール数が減る。つまり、効率が同じならパチンコ玉の運動エネルギーも減る。
回生型と称しているが、実際には回生は手段であって目的ではない。目的は、サージを余り発生させずにコイル電流を高速減少させることだ。コイルガンの性能に影響する最大要因は、コイル電流をいかに素早く減らせるかだと思う。回生型はそのために開発したものであって、投入ジュールを節約するためではない。弾丸のエネルギーはあくまで大きくしたい。
少しでも残存電荷を減らす放電タイミングを探る上で、オシロスコープが大活躍するだろう。
多段式はコイルが長くなるため、銃口端から砲尾端への引き回す配線も長くなる。それがどんな影響を及ぼすかなど細々した問題もいろいろ想定される。それらは実地に検証して行きたい。
written by higashino [コイルガン] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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