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2009年2月5日(木) 17:14
充電完了時の電圧安定性が明らかにパーツ温度の影響を受けている。安定性だけでなく完了電圧そのものまで20Vも低下した。エポキシうんぬんより温度の影響が遙かに支配的だ。
暖まっていたパーツとして、充電電圧検出用の分圧抵抗1メガΩも含まれる。これは怪しい。
330Vに2010KΩを接続すると 0.164mA 流れる。発熱は0.054ワットでしかない。充電器が5ワットで稼働しているとして、電圧モニターのために失われるのは1%程度なのだ。1メガΩの抵抗は
0.25ワット品であり十分な余裕がある。実際、抵抗の温度が上がっていたことは感じ取れたが、過熱だと感じるようなことはなかった。それで実際に観察されたような激しい不安定を生むものか?
いや、ちょっと待った。2メガΩ合わせて 0.5ワットと言ってもそれは焼けたりしない限界であって、正確さの限界ではない。エポキシで固めたために放熱が悪化していることも考慮し、定格の1割で20度の温度上昇が生じているとすれば、どうなるか?
大幅な分圧を行うため、発熱の大半は1メガΩ×2本の抵抗で発生する。それよりGNDに近い抵抗は桁違いに発熱が小さく、ほぼ温度が変わらないと想定できる。そうすると、温度上昇により抵抗値の変化がそのまま分圧値の変化となってしまう。そして使用している抵抗は、もっとも安価なカーボン抵抗だ。温度による抵抗値の変化も最も大きい。
カーボン抵抗は1度あたり 200〜500ppm の変動だというが、モノによっては1000ppm を超える。500ppm で20度上昇すれば、1%の変動となる。ただ、それでも330Vに対して3V程度であり、20Vもの影響が出るかどうか。また、出たとしても温度上昇では抵抗が増えるのが普通なので、分圧値が大きくなり停止電圧は高くなるはずだ。
とは言え3Vもそう無視出来るものではない。何かの偶然か超安定する充電器が組み上がったら0.1Vの安定性がある。分圧抵抗の温度上昇で3Vも変動したらブチ壊しだ。どうやら電圧モニター用にはケチらず高性能の抵抗を取り付けるべきらしい。
基準電圧ダイオードも2.5V品に換装。これでオペアンプの増幅率は半分で済むはずだ。
それに合わせ、半固定抵抗とGND間の抵抗も12KΩに交換。放熱し易い基板裏側に設置。最初にこの充電器を組んだ時は基板裏面を出来るだけ空けるように頑張ったが、おかげで余裕アリだ。
この安物テスターは電圧がやや低めに出る感じ。表示で333V平衡に調整したあと、放電抵抗を常時接続にしまた20分連続稼働させた。
その直後に通常充電させると、320V前後で充電停止。やはり低い電圧で停止するようになったが、低下は12〜13Vに収まっている。また、不安定さも1.5V程度に拡大しただけ。
期待ほどの効果は生じていないが、それなりに効果はありパーツの温度が不安定さに大きく影響している感じ。少し冷えてから稼働させると、326Vで平衡。完全に温度依存だが、どのパーツの温度なのかは実のところ明確ではない。
ただ、現状で実用にはなるので充電器はひとまず完成とする。
実運用では20分連続運転などあり得ない。充電に3秒とすると、44ジュールは12秒。1分で5発分のチャージだ。20分連続運転は100発連続射撃であり、弾倉にそんなに入る訳がない。また、規定電圧に達すれば電力を少ししか消費しなくなり、発熱が押さえられる。そもそも長時間の連続運転は行わない。
written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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