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2019年1月8日(火) 22:56
限られたエネループの電力を活用するには、ピーク電流を抑止するのが重要である。エネループが安定供給可能なのは2〜2.5Aなので、消費電流を平準化し限界内に収める設計が必要になる。
ストームタイガーでは、走行用モーターを低周波PWMでドライブする方式を逆用し、ピーク電力を抑えていた。PWMが30Hzていどなので、走行用モーターに通電している時間も通電していない時間も、長めに続く。そこで、走行用モーターに通電していない間だけコンデンサー充電器を動作させていたのだ。
速く走るほどコンデンサーの充電が遅くなり、遅く走ると充電が速くなる。そしてピーク電流を抑止する。
この仕組みを実現するため、ストームタイガー専用コンデンサー充電器は、走行用PWMを参照する必要がある。特殊な機能を実装しているため、通常より複雑になっている。
更に新造充電器では、新機軸を使う。それは、2つのコイルセットを交互に動作させることだ。
昇圧チョッパー方式は、一定時間コイルに通電したあと、通電を止める。そのときに発生するターンオフサージをダイオードで外部に引き出し、コンデンサーを高圧充電する。すなわち、通電していない期間が必ず発生する。よって2セットを交互に通電することで、通電していない期間を無くすことができる。これにより、消費電流のピークを変えることなく、充電能力を高められる。
この単純な手法を実行するには、2セットの通電周期が完全に一致し同期していなければならない。
旧充電器ではコイルの通電にアナログ部分があったため、通電周期をコントロールできなかった。2セット動かすと、同期できない。
しかし新作では、PICが能動的にPWMをコントロールする。だから、2セットを完全同期させるのは簡単だ。
ピーク電流を抑止するのが最優先なので、通電はDUTY50に決まる。これで2セットを半周期ズラすことにより、ピーク電流を増やすことなく動作できる。
実は昇圧チョッパーの最適DUTYは自明ではない。その最適化はかなり厄介なのだが、一般に最適DUTYは50より大きい。しかし、決して100にならない。DUTY50で決め打ちすると、1セットのみを最適動作させた場合の2倍の性能は出ない。だが、1倍を上回る性能は確実に出せる。そして何より楽なのは、最適DUTYを追求する必要がないこと。な〜んも考えず、DUTY50にしておけばよい。
バッテリー電圧から通電時間を決めたら、それだけでPWMのパラメーターも決まる。
更に今回は、地味ながら強烈な新機軸がもう1つある。それは、電圧モニターに分圧抵抗を使わないこと。代わりに、分圧コンデンサーを用いる。成功すれば、充電後に電荷が抜けなくなる。
分圧抵抗だと電流が止まらず、コンデンサーの電荷が抜ける。だから充電が完了しても充電器を動かさねばならない。これはロスになるばかりでなく、充電完了電圧を不安定にする要因でもあった。分圧コンデンサーが実用化できれば、これらの問題はなくなる。
written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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