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2019年2月5日(火) 22:11
現状の順送り回生型回路は、銃口端と砲尾端の2箇所だけにハイサイドのスイッチング素子が必要だ。しかし実際には、どうしても必要なのは銃口端だけであり、砲尾端は必ずしも必要ではない。
順送り回生型においてハイサイドのスイッチング素子が必要になるのは、電源コンデンサーと回生先コンデンサーが同一の場合である。
多段式コイルガンでは砲尾側から銃口側へと順番に放電を行うため、電源コンデンサーの銃口寄り隣接コンデンサーを回収先とすることにより、無駄なく両者を別にすることが可能である。だから、もうそれ以上はコンデンサーがない銃口端を除き、ハイサイドにスイッチング素子は必要ない。
現状で砲尾端にもハイサイドが必要になっているのは、放電シーケンスの都合で初段コイルと第2段コイルの電源コンデンサーを共用するのがスマートだからに過ぎない。別に、両者を分けたって構わない。
ハイサイドのゲートドライブに絶縁型DC-DCコンバーターを使うとなると、それだけハイサイドのコストが高くなる。ならば、砲尾端のハイサイドは廃止するのがベターではなかろうか?
ちなみにこれが、現状のストームタイガー搭載コイルガンの放電回路である。実際には TLP250H は使用していない。これは、「適切なゲートドライブ手段」と読み替えて欲しい。
ここで追加の問題が、各電源となるコンデンサーバンクに使用する具体的なコンデンサーである。
コイルガン用は数百アンペアの大電流放電となるため、通常の電解コンデンサーは使えない。カメラのストロボ用として製造されているものを使わねばならない。しかし、ストロボ用コンデンサーは入手が難しく、選択の余地が小さい。欲しいから買えるというものではなく、買えるものの中から選ぶしかない。
現状のストームタイガーは、定格330V 200μFのものを6本使用している。だが、もはや入手できない。既にディスコンで、後継製品は存在するが入手手段がない。旧製品は鈴商で扱っていたが、鈴商はもう無いしオンライン鈴商でもストロボ用は扱っていない。
ただし、ストームタイガーに実装されている6本と、充電器試験装置に実装されている2本と、更に在庫が4本ある。購入から約10年が経過して容量が減っているが、マシなものを選別して使うことは可能だ。
そこで、コンデンサーバンクへの使用合計を9本に増やし、容量減少を補って逆に合計ジュールを増やすのが第一案だ。
3つのコンデンサーバンクに2本ずつ使っていたのを、4つのコンデンサーバンクに1+2+3+3本を使用。4分割になったことで砲尾端のハイサイドを廃止する。
むしろこれが、順送り回生型回路の本来の姿だろう。
とっくにディスコンになった製品を使用すると、保守の問題が生じる。しかし、新規製品を採用しても、それが数年後に買える保証がない。ならば、その場その場でベストな製品を選ぶべきだ。
そのベストが、ディスコン製品であるとは限らない。しかし、まずは手持ちの在庫を試すことから始めるのは自然だろう。
あと、仮にIGBT問題が解決した場合、コイルライフル製作に再チャレンジしたい。その際に、命中精度改善策の一環として初段コイルを長くする構想がある。ならば尚更、2段目と電源コンデンサーを共用する意味が無くなる。砲尾端にハイサイドを使う必然性が無くなる。
ただしコイルガン・ストームタイガーに関しては、スケールモデルの体を取っているため主砲コイルをこれ以上長く出来ない。だから、その構想を応用しての主砲コイル作り直しは現実性がない。とは言え、最終段を短くしてその分だけ初段コイルを長くするのは効果があるかもしれない。まあそれも、現状のコイルでIGBTが放電に耐えられた場合の話だ。
written by higashino [コイルガン戦車 1/24] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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