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2012年3月6日(火) 21:00

敗戦処理

 なぜ、ボリューム調整のストッパーが効かなかったのか?
 単純な数値比較プログラムであり、後の祭りだが動作確認したところ、問題なし。ちゃんと上限ストッパーは働いており、ターゲット・フォトダイオード値は9E1Hを超える ことはない。
 ソフトのバグなら確認しなかった後悔が残るが、バグでないとするとある意味更に厄介である。なぜ上限を突き抜けて出力過剰になったのか?

 光出力を210ワットに上げる前に、170ワット段階で確認しなかった痛恨のミスだ。
 170ワットまでに確認しておけば、210ワットを超える前にボリュームの挙動がおかしいことに気付けたはずだ。いや、実は気付いていたのである。55ワット段階で試したところ、ボリューム値を大きくすると光出力が小さくなるという謎の現象が発生。しかも、いったん小さくなった出力がまた途中から大きくなるなど、訳の分からない変化をしていた。スライドスイッチで高出力と低出力を一瞬に切り替えた場合は、問題なく光出力は追随していた。
 ただ、55ワット時点ではPICソフトにもブログにいちいち書いていない多数の不具合が残存していた。だから、バグがあらかた片付いてから再確認しようと考えていたのだ。うっかり210ワットまで延期していたのが悪く、170ワット時点ではほぼバグが片付いていた。

 最終出力を出す一歩前に最終動作確認すれば良かった。
 しかしそれは、綱から対岸へ最後の一歩を踏み出す前に足元を確認すれば良かった・・・と言うようなものだ。死んでから後悔しても、遅い。死人が生き返らないのと同様、レーザー銃はもう二度と動かない。
 死なれて初めて、失ったものの大きさに気付いた。気が変になりそうだ。とんでもない大魚を釣り上げていたのだ・・・

 海外の凶悪レーザーポインターでフロッピーやビニールテープを切るのとまるで変わらないノリで、金属を切れるのである!
 加工が大変で半泣きで切断していたステンレス板が、集光しないビームで火花を噴きつつ溶けるのを目の前で見たインパクトは、とんでもない。しかも数分の命だったとはいえ、まぎれもなく純粋にバッテリーで動作していた。もう見た目が美しくても可視光レーザーいらんだろ、という気分。

 悔しさに悶絶しつつ、気付いた。増幅サイドの励起LDは、数箇所で光ファイバーが破壊されている。しかし、種火サイドの励起LDは、光ファイバーが壊れていないように見える。また、励起LD自体は壊れていない確率が高い。IPG製の励起LDは、温度70度で定格の2倍の電流を流し、1000時間の動作をさせるというとんでもないストレス試験を100%実行しているらしい。生き残ったLDだけが製品に搭載される。
 電流が数秒間、数割オーバーしたぐらいで逝く確率は低い。しかも室温は10度ほどだし。
 また、種火ユニットと増幅ユニットは、独立したキャビティーを構成しており両者ほとんど同じ。一方だけでも生きていれば?

 ファイバーヒューズにしろそれ以外の原因にしろ、1秒未満でレーザー発振は停止した。一方のキャビティーが壊れたとすれば、もう一方が壊れるよりレーザー停止が早かった可能性がある。
 うまくすればニコイチで、半分の出力100ワットのレーザー銃として復活させられる可能性がある。ただし、ファイバー融着接続機は必須だ。それも、コア調芯機能がないと無理。直径9ミクロンしかないコアが正確に接続されないとアウトだ。専用装置無しでどうにかなるレベルではない。

written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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