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2012年5月27日(日) 19:19
気になっていることがある。それは、PAH350S24-48 の外付けコンデンサーのインピーダンス。数字の上ではデータシートの記載を満たしているが、コンデンサーの足は余り太くない。数十アンペアの入力に対し、充分な電流を出入りさせられるとは思えない。かと言って、足の太いコンデンサーは売っていない。みんな似たようなものだ。
試しに電解220μFを1個追加してみたが、挙動に変化なし。相変わらず128Vで不安定化する。
幸か不幸か、最下段コンバーターが動作異常を起こす。最下段は出力もGND共有なので、オシロで測定し易い。
入力側にCH1(黄)、出力側にCH2(青)を接続し、調べてみた。
まずは初期状態。入力33Vの出力28Vで、安定している。
ボリュームを回して出力電圧が30Vを超えると、急にノイズが増大する。入力側も出力側もだ。こんな波形では、電流計の表示が安定しないのも当たり前。
更に出力電圧を上げると、ノイズのパターンが変化。それでも相変わらずノイズが大きい。
コンデンサーは周波数によってインピーダンスが変化する。DC-DC コンバーターの負荷と出力電圧により、特定の条件下でコンデンサーの等価直流抵抗が大きくなってノイズが増えるという可能性は考えられる。
旧レーザー銃でも、それほど負荷が大きくない領域で、ボリュームを回すと出力が減少するという謎の挙動があった。あれは制御ソフトのバグではなく、これと同じ現象が起きていたのではないか?
外付けしているコンデンサーは、同じスペックである。
ある程度まで出力電圧が上がると、なぜか急にノイズが消える。安定動作する。
3直列合計128Vを超えると、一気に不安定化する。このパターンは明らかに、入力側電源の容量不足だ。
128V時点でダミー負荷はほぼ5Aを食っている。つまり、640ワット。コンバーターの変換効率を85%と仮定すると、入力側753ワットである。入力電圧は33Vだから、23A強となる。わざわざ計算しなくても、これぐらいなら直接電流計を接続すれば計測可能。しかし、太い電源ラインを切断して電流計を挿入するのは大変な手間であり簡単に決行できない。
だが、AD/DCコンバーターの定格25Aまで余裕が小さく、単純に過負荷となっている可能性は否定できない。
元々のメーカー製筐体に使用されていた AC/DC コンバーターなのに、過負荷になるのは一見不思議である。だが、DC/DC
コンバーターが余分に挿入されているのでシステムの総合効率は落ちる。オリジナルでもシリーズレギュレーターが挿入されていて、一般にはスイッチングレギュレーターより非効率だと思われている。しかし、入出力電圧の差が小さければシリーズレギュレーターの方が有利になる。
オリジナルは励起LDを4並列駆動していたから、128Vは32V×4である。AC/DC
コンバーターは33Vだから、効率は97%に迫る。
本来が35V出力なのだが、効率を上げるためにIPG社が33Vに下げて実装していたと思われる。
逆に言えば、その励起LDを流用したのだから自作電源は132Vまで出せれば充分なのだ。
これから検証が必要だが、予想としては2つの原因が絡んでいる。
1つは入力側の外付けコンデンサーの能力不足。これにより、半端な電圧でノイズが増大。もう1つは、電源の能力不足。これにより、128Vというか640ワットを超えると不安定化する。中段コンバーターだけ正常なのは、不足した電力の奪い合いに個体差で競り勝つのではなかろうか?
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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