2012年6月4日(月) 21:13
旧レーザー銃から取り外した、バッテリーコントロールBOX。
左側のごちゃごちゃしたアダプターを、3つのラジコンバッテリーに接続。右側は出力配線で、巨大なヒューズボックスが3つ付いている。配線を切断済みなので見えないが、出力は別系統でデジタル用もある。これを新レーザー銃に合わせたコネクターと配線にする。入力側も改善したい。
だが、箱の回路はそのまま流用する。
バッテリー電圧をセルごとに確認し、どれか1セルでも電圧降下したら警報を鳴らしてデジタル用出力をOFFにする。それが回路の役割である。旧レーザー銃で動作実績はあるが、理論上どうしようもない穴がある。それは、電源OFF中のバッテリー待機電流である。
電源OFFだと箱の回路は動かないので、電圧チェックできない。そのまま待機電流で少しずつ放電し、長時間経過すると過放電してしまう。
旧レーザー銃では、デジタル用出力をOFFにしても55ミリアンペアの待機電流が残った。それは、FETスイッチのロスを嫌って、直接的な主電源遮断手段を持っていなかったからである。DC/DCコンバーターのリモート端子でOFFにしていたので、大きな待機電流が残ってしまった。バッテリーを外さないまま電源OFFで一昼夜経過すれば致命的。一晩でもアウトな場合がある。これはキツい。
新レーザー銃はFETスイッチで直接遮断するため、待機電流は遙かに少なくなるはずだ。もちろん本当に小さくなっているかどうか、実測は必要。
過放電で壊れたラジコンバッテリー。セルが膨らんでパッケージが割れてしまった。
リチウム二次電池は過放電や過充電の際に危険なので、筐体は容易に割れる構造になっているようだ。
本当に、たった1回の失敗で壊れてしまう。
だから、監視回路や対策回路が完全でないと、とても使用できない。しかし、35V25Aなんてバケモノ級のAC/DCアダプターでさえ容量不足であえぐ機器をドライブできるバッテリーは、他にない。大きさや重さを無視すれば別だが、そこが携帯機器の辛さ。
同じ理由で、EVやハイブリッド車もリチウム電池の一択となっている。
デジカメ等のリチウムイオン充電池は、監視回路や安全対策の回路がバッテリーに内蔵されている。ところが、ラジコン用は何もない。セルに電極が直結されているだけ!
だから、自前で外付けの回路を用意して使わねばならない。
ラジコン模型では、アンプが安全回路を内蔵している。
1つのラジコンが複数のバッテリーを使うのが普通だから、バッテリーではなくアンプに安全回路を装備する方が経済的だ。ただし、アンプ内蔵の安全回路は全体の電圧しかチェックしていないことが多く、リスクがある。セルの電圧バランスが狂っていると、致命傷になる可能性あり。
以前話題にしたが、ラジコン用バッテリーは大電流放電に特化している。馬力自慢なのだ。それに対し、普通の家電用バッテリーは、容量優先。馬力が劣っても、長時間使えるかどうかが重要。そしてリチウム電池の危険性は、馬力ではなくエネルギー密度(結果的に容量)と関係している。
ラジコン用は馬力の代償としてエネルギー密度が低い。だから、安全回路の搭載が義務付けられていない。そのため自分は、家電用の外付け電源にラジコンバッテリーを流用する際は、必ずニッケル水素にしている。ラジコン用のリチウムは、流用しない。
逆に家電用リチウムをラジコン用に使うと、過負荷で安全回路が働いてしまう。もちろんレーザー銃にも使えない。レーザー銃には、自前の安全回路を搭載したうえでラジコン用のリチウムポリマー充電池を使う。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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