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2012年6月9日(土) 19:58

謎は深まる一方

 今度は、うっかり放電させたりすることもなく放置。

 待機電流は、ゼロに近いことが確認できた。これで、かなり安心してバッテリーを常用できる。万一また壊してしまっても、リチウムでは安価な部類。
 ただし、バッテリーではレーザー銃を数分しか発振させられない。長時間の発振を要する実験では、AC/DCコンバーターを使わざるをえない。

 旧レーザー銃では、バッテリー動作であっても低負荷時の不安定があったような記憶。しかし、今回オシロで確認すると、35V前後の不安定が発生しない。
 もしこのまま低負荷時の不安定が全く再現しないのであれば、1つの仮説が浮上する。すなわち、出力電圧が入力電圧に近い場合に不安定化するのではないか?というものだ。
 周知の通り、DC/DCコンバーターには昇圧型と降圧型がある。PAH350S24-48 は非常に特殊で、入力が18〜36Vに対し出力が29〜50Vあたりまで可変。すなわち、昇圧型になる場合と降圧型になる場合がある。内部に両方のアーキテクチャが並立していて、どっちを使うかはっきりしない境界領域で不安定になるのではないか?

 しかし、旧レーザー銃でも低負荷時の不安定が発生しないことがあった。
 新レーザー銃の高負荷時の不安定も同様で、実は発生しないこともある。
 DC/DCコンバーターの不安定は何が厄介って、再現性が8〜9割なのだ。たまにしっかり安定動作することがある。↓は、バッテリー駆動で130V超えても安定動作したときのオシロ波形。高負荷で黄色の入力バッテリー電圧が少しだけ下がり気味だが、青い出力波形は安定している。こうなると、50Vギリギリ(3つ合計137V)まで出力電圧を上げても安定したままだ。

 出力不安定発生時のパターン。入力側の電圧変動が小さいのは、さすがリチウムポリマーバッテリー。電源として AC/DCコンバーターよりも低インピーダンスなのだろう。だが、出力側が役立たずという点に変わりはない。

 出力不安定になっているが、出力電圧は余り下がらない。そういう場合もある。
 とにかく、高負荷時の不安定現象には確実な再現性がない。根本的に何が悪いのか、それが分からない。そして、分からない状態でレーザー電源として常用するのは、いかにもヤバい。

 ファイバーレーザーを完成させるために必要なパーツは、ちょっとやそっとでは揃わない。完成できたとしても、かなり先になる。
 頭が変になりそうなほど敷居が高い。Nd:KGW や PPMgSLT を個人所有している自分でさえそうなのだから、このサイトを見たDQNが出来心で作っちゃいました!なんて事態は全く心配していない。ありえなさすぎる。
 そんなふうに完成が遠いのに、電源だけ見切り発車する意味などない。じっくり徹底的に、不安定現象と付き合うべきだ。

written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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