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2015年8月8日(土) 20:09
ここで、意外に行けるのではないかと考え始めた方法がある。それは、増幅器を使用せずに全体を共振器に収めてしまうことだ。 図の上段が原案で、下段が全体共振器。異なるのは、出力ミラー(OC)の位置である。見ると、わざわざアクティブファイバー(AF)を2つに分割する必要が無さそうに見える。だが、分割は必要である。ポンプコンバイナー(PC)で束ねられた励起LD出力は、AFに吸収される。ほぼすべてが吸収されるのに必要なAFの長さは数メートルであり、それ以上長くしても資源の無駄になる。だから、長い1本のAFで済ませるというのは無駄である。そして、PCで束ねることが可能な励起LD数は限られているため、多数の励起LDを入力しようとするとPCの数を増やさねばならない。 今回製作するレーザー銃では、最低でも4個のPCが必要となる。しかし、1本のAFあたり2個のPCしか使用できない。励起LD光は、端からしか入力できないためである。PCはガラス細工でありアナログなパーツである。そのために工学的に不可避な弱点があり、同一方向に直列接続できない。 よって、AFは2本必要となる。
しかしPCがガラス細工ということは、シグナルの透過率が8割以下となる原因は光が吸収されてしまうためではないということでもある。石英ファイバーの透明度が落ちているのではなく、形状が歪むために漏洩光が増えているのだ。つまり、漏洩しなかった光は吸収されることなく通過する。 全体を共振器内部に収めると、PCの通過で漏洩しなかった光だけが増幅される。これにより、PCの透過率が劇的に向上する可能性が大だ。
これが旧式のYAGレーザーみたいに増幅率の悪いレーザーであれば、増幅される確率が下がることで増幅不能に陥る危険がある。だが、ファイバーレーザーの増幅率は極めて高い。どれほど高いかと言えば、OCの反射率が10%以下である。通常は、数%しか反射率がないOCを使用する。9割以上の光を取り出しても、増幅可能なのだ。だとすれば、PCに散乱されまくっても増幅可能な可能性は高い。そして、散乱漏洩を免れた光束だけを増幅させれば、PC通過のロスは気にしなくて良くなる。
written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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