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2020年7月15日(水) 21:13

光出力モニター

 アナログ電流計で確認したところ、実物LDの電流は4Aで頭打ちになっていた。
 ダミーダイオードで調整した結果に、符合している。これなら過電流の不安なく、安心して実験を進められる。

 次に行うのは、フォトダイオードで光出力をモニターすること。光出力を適切に取得するため、適切な定数を決定せねばならない。

 フォトダイオードの増幅回路・・・というほど大袈裟なものではなく、単純に抵抗両端の電位差を測るだけだ。旧レーザー銃では、その抵抗として43KΩを使用していた。今回はフォトダイオードが別物になるが、とりあえず同じ43KΩで試してみる。
 今回のフォトダイオードは、金色のヒートシンクに一体固定されている。フォトダイオードは設置状況が安定していないとマズいので、最もしっかりしているコレを選んだ。

 フォトダイオード自体は、オリジナルだと4箇所に設置されている。

 旧レーザー銃では、18〜36Vの電源からLM317で15Vを生成し、フォトダイオードへの逆バイアスとしていた。だが新レーザー銃は、電源分離により18〜36Vの電源は使えない。そこで、制御系12Vを直結して使うことにした。

 これに伴い、基板からLM317と周辺パーツを除去。

 これで基板出力をAD変換入力し、取得値を表示するようにした。

 さっそくレーザー銃を動作させると、確かに出力を上げるとAD変換値も大きくなった。ところが、値の上昇が小さ過ぎるしノイズは大き過ぎる。変換抵抗は同じ43KΩなのに、旧レーザー銃のように適切な大きさの電位差が発生していない。
 明らかに、フォトダイオードに流れている電流が小さ過ぎる。だが、配線ミスの可能性はある。旧基板からパーツを除去したとき、余分に除去してしまったのかもしれない。

 ならばと、単体試験用のフォトダイオードを用意。

 9V電池で動く電圧計に、オリジナルから取り外したフォトダイオードの1つを実装。電流を電位差に変換する抵抗は51KΩとし、逆バイアスは電池の9Vを使用。
 ところが、電圧計は0から動かない。

 いろいろ試すと、太陽光線なみの強烈な照度がないとマトモな電位差が発生しないと判明。照準用赤色レーザー0.63ミリワットを直射して、フルスケールの数十分の1しか振れない。
 どうやら旧レーザー銃が43KΩでご機嫌にパワーモニターできていたのは、光ファイバーの融着接続点という破格に大きな光が発生する位置にフォトダイオードが設置されていたからのようだ。

 新レーザー銃では、融着接続点にヒートシンクを被せてしまっている。

 2号ジャンクにも融着接続点に取り付けたフォトダイオードは存在し、どうやらそれが「メインカメラ」だったようだ。なぜそっちを使わなかったかと言うと、使えば融着接続点が1箇所増えるからである。最終出力ファイバーの融着接続点を、1箇所でも減らしたい。そのため、使用を諦めた。
 代わりに金色ヒートシンクに実装されたものを使ったが、どうやら外れだ。1号ジャンク同様、メインカメラ以外の3つは「光が検出されてはいけない」場所をモニターしていると考えざるを得ない。そういうフォトダイオードは、ファイバーヒューズなどの異常発生を検出する目的で設置されていると思われる。

 増幅率を上げて、ちゃんと光出力をモニターしている・・・という可能性も低い。
 フォトダイオードの増幅回路は情報があれこれ転がっているが、かなり神経を使うシロモノである。極めて小さな電流を扱うため外乱に弱く、フォトダイオードの配線を長々と引き回すような実装はどこも忌避している。ところが、2号ジャンクは配線を引き回して、フォトダイオードだけを遠方に設置している。これは、モニターする光量が多く、フォトダイオードに大きめな電流が流れ、抵抗1本での電圧変換が実用になるからだと考えざるをえない。実際に、旧レーザー銃ではノイズも小さく、直線性は素晴らしい最高のモニターが抵抗1本で実現していた。

 光量が多いことは、百難を隠す。

 システムの信頼性を考えると、実装に高度なアナログ的ノウハウを要する高性能増幅回路を製作するのは下策だ。自分が苦手な分野な上に、適当な市販基板も無い。大きな光量をモニターできる場所にフォトダイオードを設置することが、上策である。
 仮に最終出力の漏洩光を十分に受けられる設置場所が無い場合、励起用LDの漏洩光をモニターするのが次善の策となる。

written by higashino [ファイバーレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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