2006年7月16日(日) 21:21
コンデンサーに充電するのであれば、まずはコンデンサーを放電する方法を用意せねばならない。
例えば、フラッシュを用意したのは良いがトリガー電圧が不足して不発したような場合に、放電手段が無いと非常に困る。小さなコンデンサーであればドライバーの先端でショートさせるような荒技が使えるかもしれないが、大ジュールのコンデンサーでは危険極まりない。
当面の舞台となる300〜400Vのストロボ電圧のコンデンサーを対象として、放電基板を作成した。
10センチ×20センチのベークライト板の上にビニールテープでパーツを配置することに。
高圧トランジスターを使ってコンデンサーをショートさせ、ベースに入れた定電流ダイオードで放電電流を一定にキープする。理屈の上ではうまく行くはずだが、本当にこんなことでうまく行くのか?
回路の+側にはアナログ電流計と超高輝度LEDを直列してある。
使用したトランジスターは巨大な2SC5570だ。コレクター・エミッター間の耐圧800Vで28Aまで流せ、220Wと聞くととんでもないオーバースペックに思えるかも知れない。しかし、直流で高圧を流す場合、意外なほど電流値を取れない。
このバケモノでも500Vで50ミリアンペア流せるかどうか。
対象コンデンサーは300〜400Vなので、ようやくある程度のマージンを持ってそれなりの電流を流せる・・・程度である。決してオーバースペックではない。本当ならもっと大電流を流すべく、よりハイスペックな品が欲しかったが国内で小売りしているのはこのあたりが限界のようだ。
定電流ダイオード使うにしろ電流制限抵抗使うにしろ、トランジスターで定電流放電回路を作るとなればコンデンサー以外に電源が必要となる。屋外でポータブルレーザーを使う場合は携帯性を優先して抵抗を使った放電機構を使うつもりだ。しかし室内で実験する場合は、外部電源を使用してもより効率的に放電出来る装置が欲しくなる。
もう1つ、わざわざこんなモノを作る理由がある。それはレーザー砲の電源である。現在中断しているレーザー砲が発振に成功すれば、ポータブル用の電源を作ることになる。定電流を作る有力案の1つが、まさにコレと同じ。パワートランジスターを使った定電流回路である。つまり、このやり方で確かに定電流回路が作れることを確認しておきたかったのだ。
定電流ダイオードは非常に個体差が大きい。また、トランジスターの増幅率も個体差が大きい。だから、実際にどの程度の電流が流れるかは、現物で確認するしかない。2ミリアンペアの定電流ダイオードを使用した時に、40ミリアンペア弱流れた。LEDがオーバーロードなので急遽余っていた白色LEDを追加。
LEDをこのようにモロに並列接続するのが良くないことは承知している。しかし、今回はLEDを光らせるのが本題ではない。壊れたらその時はその時。壊れたとしてもこの放電器に致命的とはならないだろうし。
いざとなればLED部分をショートさせても動作するはず。
電流計とLED。確かに電流が放出されていると確認するのに複数の手段を用意するのは意外に重要だ。
先日レーザー電源のデジタル電流表示がおかしくなった。いかにも信頼出来そうなそのデジタル表示だけに頼っていたら、供給電流を増やし過ぎていただろう。何だか妙だぞ?と思った時にアナログ電流計も併用していたおかげで、LDの定格を越える電流を与えてしまう前に気付いた。
2SC5570に空冷ファン付きヒートシンクを取り付ける。
ファンの電源はATXの12Vから取る。定電流ダイオードのモトも同じく12Vだ。
コンデンサー充電回路と同じ電源から取ることで、GNDを合わせる。
数百ボルトのコンデンサーに使う前に、7.2Vのラジコンバッテリーで動作を確認しておく。
直流400V程度であれば、この程度の配線でも絶縁破壊は起きないと思うのだが果たして大丈夫か?
スイッチを入れて12Vを供給すると、ヒートシンクのファンが回転する。これが電源ONの確認を兼ねる。
放電が無事に進行していることは、電流計とLEDで確認出来る。
written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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