Darkside(https対応しました)

名前

URL

タイトル

コメント

2009年12月2日(水) 21:12

タネ火レーザー

 タネ火レーザーとして選択したのは、コヒレント社の VECTOR 1064-3000-30 だ。同社のQCW発振YAGレーザーのローエンドとなる。もちろん中古である。電源は付属していない。写真はレーザーヘッド部分。

 通常、クラス4のレーザーは武器扱いされるようだ。ところがどうやら、レーザー装置は電源を伴わない場合かなり制限が緩くなるらしい。これまで何度も経験したのだが、普通は輸出禁止されていそうな機器でも電源を除いた中古品だと簡単に買える。
 これが意味するところは、レーザー趣味においては電源を自作できるかどうかが決定的に重要だということだ。

 ヘッドは一瞬だけ中を覗いてすぐに密閉した。
 内部は共振器としてミラーやレンズが幾つも並んでおり、手を触れたら即死(自分ではなくヘッドの機能が)だと容易に想像できたからである。そもそも空気中のホコリが少し入っただけでも性能劣化の原因だが、その程度は覚悟している。ブラックボックスというままでは改造方針を立てられない。
 タネ火レーザーを作動させるにあたって最大の問題は、QCW発信周波数の制御である。RS-232C 通信で設定出来ると思われるが、どんなコマンドを送れば良いかが分からない。新品購入した正規ユーザーならマニュアルを見れば良いが、そんなものはない。だから、Qスイッチの状態を知りたかった。
 また、増幅器方式ではキャビティー内にSHG結晶を設置出来ないが、これ単体で使用してキャビティー内にSHG結晶を自前で設置可能かどうかも知りたかった。まあ一瞬見ただけでそれが無謀であることは分かったが (^_^;)

 肝腎のQCW発信周波数に関しては不明。とにかく励起してみて、何が起きるか確認してから考える。

 これは、励起用レーザーダイオード。光ファイバーと接続可能な点がメリットである。
 ヘッドは現行製品だが、このLDはコヒレント社の現行品に存在しなかった。しかし、型番から推測するとCW発振の12ワットと思われる。
 CW発振という点が重要で、これはつまり電源を簡単に用意できるってことだ。励起用LDまでQCWだと、電源の製作が遙かに面倒になる。

 写真では隠れているが、LDの下にペルチェが2枚並んでいる。巨大なアルミ筐体は、そのペルチェを放熱する役を担っている。産業用ということで、大電流をペルチェに食わせても安定動作を優先させているのだろう。
 ホームページの製品情報にもある通り、ヘッドが800グラムなのに電源は28キロだ。システムまるごと買えても、持ち運び出来るシロモノではない。しかし自分の場合はとにかく発振出来れば良いから、ペルチェとか使わず電源も最小限に済ませる。

 必要なのはLDとファイバー接続アダプターだけなので、分解して容赦なく取り出してしまう。

 分解は結構大変だったが、必要なパーツは無事に取り出せた。ヘッドにくっついている光ファイバーと接続可能。

 しかし光出力12ワットと聞いて「かわいい」とか「低出力」とか感じるようになってる自分が怖い(汗)
 ゴキブリレーザーは35ワットです。

 あくまでタネ火だから、欲張って出力を上げまくるより安全策だ。12ワット発振には22アンペア前後必要と思われるので、20アンペア弱を流して10ワット程度で発振させる予定。動作確認用の電源はゴキブリレーザー用が使えるが、LDにちゃんと放熱器を取り付けねばならない。

 808nm の励起レーザーが光ファイバーでヘッドに導かれ、ヘッド内部の Nd:YVO4 を励起する。共振器はヘッド内にビルトインされており、壊れていなければ 1064nm のYAG基本波でレーザー発振するはずだ。
 QCW発振になるかどうか、発振周波数がどうなるか。それは分からない。

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

この記事へのトラックバックPingURL

Comments

TrackBacks

Darkside(https対応しました)

Generated by MySketch GE 1.4.1

Remodelling origin is MySketch 2.7.4