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2010年1月17日(日) 19:12

QCWへの第2段階

 前回の基板からトランジスターとかダイオードを取り外し、代わりにTP74AC00Pをセット。

 基板の裏側には当然パスコンが取り付けてあるが、表側はとんでもなくシンプル。これが機能すれば水晶発振器とかロジックICも意味があるってものだ。調整不用の発信器。

 M67743Lとくっつける。
 ATX電源に接続し機械スイッチをH側に入れると、今度はアルミ放熱土台がちゃんと暖かくなった。

 同軸ケーブルをレーザーヘッドにセットし実験。
 成功!

 機械スイッチを切り替えると、YAGレーザーの発振が止まったり再開したりします。
 これにてQスイッチドライバーは第2段階をクリア★

 いよいよ、機械スイッチの代わりにPICを取り付けてQCW発振に挑戦です。
 74AC00の一方の入力をHにすると音響光学素子が作動し、レーザー発振停止。これでNd;YVO4にはエネルギーが蓄積される。そこで一瞬だけLにすると音響光学素子が停止して共振器が復活。蓄積されたエネルギーが一気に誘導放出され、パルスレーザー発振。以上の動作を毎秒3万回繰り返す。

 やることはPWMに似ているが、問題は極めてDUTYが偏っていること。大半の期間がHであり、Lになるのは僅かな期間。VECTOR1064レーザーヘッドの仕様では、比率が2000対1である。
 これは発振レーザーの比率であり、音響光学素子にはもうちょっと比率の低い変調を与えてもOKなはずだ。とは言え、普通のPWMではほぼ無意味なDUTY比でありしかも正確でなければならない。
 PWM回路を組むよりもPICで上げ下げする方が明らかに簡単だし、調整不用だし信頼性も上だろう。わざわざPIC16F88のPWM機能を使うのももったいない。PIC16F84で無限ループ組めば十分だ。そしてせっかく80MHzの水晶があるのだから、4分周してPIC用の20MHzを作ってみるのも面白そうだ。セラロックより遙かに精度が上なので、より正確なタイミングでレーザーを制御できる。
 74AC74ではなくVHC使うのは、単に千石で売ってるからというだけの話。

 PWM機能を使わないのは、性能面の要請もある。
 VECTOR1064の標準パルス幅は15ナノ秒。L信号の幅はそこまで短くなくても出来るだけ短くしたい。
 PWMだと8MHzなので、最小信号幅は4クロック分の500ナノ秒だ。それより短いパルスは作れない。しかし無限ループなら20MHzが使えるため、L信号を200ナノ秒まで短く出来る。常時Hになっている信号の中に、毎秒3万回の割合で200ナノ秒のL信号が入る。そんな信号発生器をアナログ回路で組んだら、あちこちでL信号が消えそうだ。

 音響光学素子の反応時間は300〜1000ナノ秒らしいので、実際にQCW発振させるためのパルス幅等は試行錯誤せねばならない。だが、ここまで来れば時間の問題だ。
 最終的には12Vと5Vの消費電流を測定し、それに応じて電源を製作せねばならない。正式な基板実装もその段階までお預けだ。やってるうちにこの安直な回路に問題が発覚するかもしれないし、電源全体の設計もレーザー銃全体が確定しないと決められない。それまでは、このままATX電源で駆動させる。

written by higashino [パルスレーザー] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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