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2013年8月11日(日) 18:42

宇宙人はなぜ来ないのか

 宇宙人が存在すれば、何億年も経過するうちには銀河全体にも殖民可能であり、既に来ているはずだ。それなのに来ていない。これは宇宙人が存在しないからだ。  そういう議論がある。  しかし「どんなに努力しても人口増加しそうにない日本」と「その理由」を考えると、他星系への移民などという、とんでもなくコストパフォーマンスの悪い事業を行う宇宙人が皆無と考えて差し支えない。  大航海時代に大陸を渡るコストは確かに膨大だったが、宇宙空間を光年単位で移動するコストに比べれば計算する必要がないほど自明に安過ぎる。  1969年に月への有人旅行を実現した人類が、未だ地球近くの国際宇宙ステーションに留まり、火星や木星はおろか、月への再訪さえ果たしていない。それは科学技術の進歩が止まっているからではなく、ペイしないからである。  まして他の恒星系へ旅行するなど、誰も考えないのが当たり前だ。少なくとも、知的と呼ぶに値する生命体であれば。  人口爆発が生じて生活空間が圧迫されれば、止むを得ず出て行くことになるかもしれないが、知能が発達しQOLが高くなった文明においては、そもそも人口爆発は生じない。実は人口爆発するという抜け穴が発見されれば、大変な朗報である。日本でそれを実行すれば、社会問題の多くが劇的に改善される。  知的でない生命体は食物連鎖により個体数が抑えられ、知的な生命体は自らが持つ知能により個体数が抑えられる。  仮に主恒星の爆発やその他の宇宙的災厄により母恒星系から強制的に追い出されたとしても、殖民先は別の恒星系1つで足りる。銀河系を支配する必要などない。  ただし、1つ問題がある。  必然性が無くても移動することはある。観光旅行だ。ちっとも宇宙開発していない現状の人類社会でも、宇宙観光は近未来の有望産業の1つ。  知的生命体が絶滅せずに延々と時間を過ごした場合、人口は増加しなくても科学技術は際限なく発達する可能性がある。それにより宇宙旅行のコストがどんどん下がったら、どうなるか?  極端な話、ドラえもんの「どこでもドア」で距離制限が無くなって、アンドロメダ銀河でさえ一瞬一歩で移動できてしまうようになったら、何が起きるだろう?  宇宙全体どこでも観光旅行ということになるだろう。  それにテラフォーミング抜きでそのまま住める惑星が見つかれば、殖民希望者も確実に現れるだろう。技術進歩により、それまでは存在しなかった新たなニーズが生まれてしまう。  まあこっちに関しても、超光速やワープは不可能だから宇宙人が来ないのだ、と主張することは可能だけど。

written by higashino [科学コラム] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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