2014年4月10日(木) 20:59
STAP細胞の会見で、大騒ぎである。
これに関して総括的な話をすると広がりすぎて収拾付かないし論評は幾らでも存在するので、以前取り上げた続きのような感じで書いてみたい。
理研の野依理事長が国会で発言したことがニュースに取り上げられている。
「若手からベテランまで、博士というものは科学者としての基本的な指導訓練が完了しているという認識のもと、研修体制をつくってきた。ここが組織としての反省点」
いや、もうこれが完璧に自分が言いたいことそのまんま。何を足す必要も何を引く必要もないほどの台詞である。
たとえ研究成果の本質に直接関わらない部分であろうとも、コピペするなどありえない。そんな基本的な常識は「博士」である以上当然備えているという前提のもとでやって来たため、チェックが働かなかった。
こうなると対症療法・再発防止として、理研でも基本的な指導訓練を行うことになるのだろう。だが、それは余りに非効率でもある。
いわゆるFラン大学で、大学生に英語のbe動詞を教えていた。それに対し文部科学省が、「大学らしい教育しろ」と文句を言ったら大学側が「そんなこと言われても現実に知らないのだから教えないと先に進めない」と応じた。
それと全く同じ構図ではないか。
博士の資格を得て、研究所に入ってきた。そんな人間にコピペは駄目だとか論文の書き方の基本常識とか、教えないといけなくなっているわけだ。そんなもの大学院はおろか、学部卒でさえ身に着けていて当然の教養なのに。中学英語を大学で教える羽目に陥っているようなものだ。
各段階の教育機関が、満足に機能していない。
その段階で身に付けているべき教養を身に付けていないのに卒業させ、上位の教育機関を機能不全にさせている。
これが、問題だ。
written by higashino [科学コラム] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]
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