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2016年5月16日(月) 21:41

時代遅れの鉄道

 人工知能の導入について、どうも良く分からないことが多い。すなわち、さっさと導入してしかるべき分野が放置されているのだ。
 特に、鉄道関係に多い。鉄道は自動改札の導入により、人間を機械に置換する点では先を進んでいる。だが、人工知能は導入しようとしない。

 クルマの自動運転が大きな話題になっているのに、鉄道の自動運転はちっとも進まない。2次元の移動であり、行ける場所の自由度も広いクルマが自動運転できそうなのに、決められたレールの上を1次元で移動する鉄道が、なぜ自動運転できないのか?
 難易度からすれば、クルマよりも桁違いに簡単なはずだ。はっきり言って、MSXみたいな8ビットパソコンでも鉄道の自動運転プログラムは作れるだろう。

 システムという点でも、鉄道は明治時代から進歩していない。
 数多くの鉄道を衝突させずに運行させるノウハウが明治時代の日本にはなく、外国人技術者はノウハウを教えてくれない。盗み見てダイヤグラムという技術を知ったという逸話が残っている。平成になっても、やってることは当時と同じである。
 鉄道が遅延すると、関係する列車すべてが遅延するのだ。特急が遅れているので、この列車もこの駅で通過待ちします・・・という類の放送を誰でも何度も聞いたことがあるだろう。これがダイヤグラムの欠点である。

 ある列車が遅れたり、事故が発生したりする。その時に人工知能が新たな最適ダイヤグラムを組み直し、臨機応変に場合によっては普通列車を先行させる。そうやって、全体の遅延被害を最小限にする。そのような人工知能をなぜ導入しないのか。

 もっと細かなことを言えば、鉄道を時間厳守で動かすのが難しいのは、時刻表よりも早く出発させないからである。
 いろいろな事情で、鉄道が遅れることは多い。時刻表よりも早く出発させないから、遅延は常に積み上がる。だから、遅延させないことは至難であり、現場に過大な負担が生じる。
 たまたま時刻よりも早く着いた列車は、そのまま早く出発させれば良いのだ。
 時刻表よりも遅く出発する列車もあれば、早く出発する列車もある。平均すれば時刻表の時刻に出発している。そのような運用を行えば、時刻表通りに運行するのは遥かに楽になるはずだ。

 ダイヤグラムを人工知能で動的生成させる。それにより、遅延や事故の影響を最小限にし、出発タイミングの柔軟性を確保し、更には自動運転も行う。そのような、21世紀の列車システムを見たい。
 新幹線の海外売り込みにおいて、システム全体での請け負いが話題になる。新幹線列車というハードだけでなく、運行システムまでコミで輸出し競争力を確保したいようだ。しかし、明治のシステムに局所的な安全装置のフリカケを行った程度のシステムに、魅力などあるのだろうか?

 更に細かなネタ。
 ドアにベビーカー等が挟まったまま出発してしまう事故が、未だに多発している。その度に、適切なセンサーを用意する難しさが話題になる。ベビーカーのパイプを太くするように業界に要請が行っているらしい。
 をいをい、昭和じゃないんだからさぁ・・・やってることがピンボケすぎるだろ。

 Nシステムその他、画像認識や顔認識技術の進歩が喧伝されている。
 同様に、ドアに何かが挟まっているかどうかを人工知能に認識させれば良いのだ。
 どんなにパイプが細かろうとも、ベビーカーがドアに挟まれているかどうかを判定できない人間などいない。カメラと連動した人工知能に、ドアを監視させれば良いのだ。ドアにセンサーを取り付ける必要などない。

 なぜ鉄道では、人工知能の導入がこれほどまでに遅れているのだろうか?
 もしかして、前述したようなことを1つも実現できないほど、現在の人工知能は実は誇大広告なのだろうか?
 そんな体たらくで人類を脅かせるの?

written by higashino [科学コラム] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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