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2022年4月16日(土) 22:38

高画質は茨の道

 8K60p のVR動画作成が可能なことは明白になったものの、課題は残っている。
 Aviutll の正距円筒変換プラグインを改造し、VR180 専用版を作った。これにより、VR360 仕様の左右をクリッピングする必要が無くなり、最大解像度も4K×4Kに留めることができるようになった。だが、Aviutl には10ビットや色 422 を受け入れようとすれば無圧縮しかないという厄介な制約もある。
 これまでは、割り切って「画質優先なら無圧縮での受け渡し」として来た。だが、巨大VRになるとファイルサイズがさすがに無視できなくなって来る。

 3分半のクリップを無圧縮10ビットで書き出すと、700ギガバイト×2(左右だから)になってしまう。時間だって、何時間も掛かる。これを Aviutl で処理するのは、更に15〜16時間×2を要するのだ。
 一方で書き出しを mp4 にすると、30ギガバイト×2ぐらいの穏当サイズに収まる。Aviutl でも、10時間×2ぐらい(それでも長いが)。ファイル容量的にも時間的にも、mp4 での書き出しで妥協せざるを得ない。DaVinci Resolve の mp4 は色 420 しか選べないし、8ビットしか選べないという涙が出るような仕様なのだが、無圧縮で頑張っていたのでは現像も編集も追い付かない。それで、撮るものも撮れなくなったら、本末転倒である。
 画質とは、現実的な時間内で実現可能なものでなければ意味を持たない。
 色 420 とは言え、単板センサーなのだからそれでも妥当ではある。8ビットというのは勘弁して欲しいのだが。Aviutl 自体は10ビット入力を受け付けるものの、それは無圧縮に限るのが遺憾。

 VR180 Creator は使わない方向だが、使うとしてもやはり mp4 で8ビット入力しか受け付けないのだから解決しない。

 今のところ、DaVinci Resolve が出力可能な動画フォーマットで、Aviutl が読み込み可能なものの中に、色 422 が実現できるものは皆無。10ビット以上を実現できるものも皆無。唯一の例外が無圧縮、という始末だ。いや、H265 を使えば、だが、書き出しに非現実的な長時間を要するのでどうにもならない。
 だったら出力先をSSDにして力ずくで解決、というのも考えたが、4分のクリップ1つで2テラが簡単に埋まる世界である。アッという間にSSDの書き換え寿命が来てしまうだろう。

 ともあれ、VR180 3D のワークフローは一応の完成を見た。だが、youtube へのアップロードは解決していない。
 60p で画質が低下したのは、再生時の画質が「自動」になっていたせいだと思われる。30p よりもデーターレートが増えるせいで、自動的に解像度が落とされていたようだ。手動で解像度を設定すれば、60p で画質が悪化することはない。もちろん、ネット環境が十分に速くなければアウト。
 問題は、どんなに高速なネット環境であったとしても、そもそも youtube が4Kまでしかエンコードしてくれない。5Kや8Kで VR180 を公開しようとすれば、mp4 ではなく MOV でアップする必要があるらしい。

 だが、VR180 としてアップするにはメタデーターを書き込まねばならず、VR180 Creator は mp4 にしか対応していない。MOV で出力した動画ファイルには、メタデーターを書き込んでくれないのだ。
 ならば、汎用のメタデーター編集ソフトを使って、自分で書き込めば良い。そう思ったのだが、どんなメタデーターを書き込めば良いのかが不明。VR180 Creator でメタデーター書き込み済みの動画ファイルに対し、各種ソフトでメタデーターの読み出しを試したが、ソレっぽい項目は見つからない。VR180 Creator で書き込む前と後で、メタデーターが変わらない。なんだか、普通のソフトでは読めない領域にメタデーターを書き込んでいるかのような意味不明な状態だ。

written by higashino [Virtual Reality] [この記事のURL] [コメントを書く] [コメント(0)] [TB(0)]

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